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思い出供養

みんなは地元に、思い出の場所はあるだろうか。地元じゃなくても思い入れのある場所が一つや二つあると思う。

それが全て潰れた。


最悪である。生きがいを失っている状態である。だがクヨクヨしても仕方ないと、言われているので今日は思い出を供養したいと思う。

  • 高坂書店

  • BOOK・OFF

  • FLET'S

  • アメリカ

  • マルナカ

この5つを供養したいと思う。

高坂書店は聞き馴染みある人も、少なからずいると思う。それほど通いつめた訳では無いが、大型書店に押されて小さな書店が少なくなる中この店は、雰囲気や立地が最高だった。

 地元にある小さな本屋さんって感じでとてもいい。品揃えは決して良くないが、ふらっと落ち着きたい時に入るのにピッタリだった。特に買うものは無い時も、本屋の雰囲気だけを味わいに行く事が好きだった。

少し旬の過ぎたプリキュアの塗り絵や、今はすっかり見る機会も減った回転する絵本ラックなど、少しノスタルジックな物も置いてあり、行くたびに愛おしかった。


BOOK・OFF

名の知れた古本屋である。当時小学生でとてもじゃないけど定価の本なんて買えなかった時に、何度も足を運んだ。そこで少ないお金で安い本を買う、これが小学生の私にとっては凄く幸福だった。

低学年の時に残念ながら潰れてしまったが、興味のある本を立ち読みしたり、ちょっと大人な漫画に目を逸らしたりしながら、楽しく過ごした。横にくら寿司があり時間を潰すのに、最適だった。BOOK・OFFで買った本をくら寿司に持って行って、待っている間に読んだりもした。

ここではけいおん!に出会っており、そこで初めてアンソロジーと言う存在を知った場所でもある。

FLET'S 

過去一番身近な百均だった。だが百均として使うことよりゲームセンターとして使う事が多かった。小学生はゲームセンターに一人で行くのはダメだと言われていた中、違法スレスレのスリリングな場所だった。

百均の一角にちょっとしたゲームコーナーがあり、私は狂ったように30秒間取り放題の飴キャッチャーをやっていた。特に欲しい訳では無いが毎回やっていた。他にも出口に手を伸ばしたら景品が取れてしまうUFOキャッチャーや、ドンピシャで紐を切るやつなどちょっと珍しい種類が多かった気がする。

そして一際目立つゲームに家族総出で挑んだことがある。


ブブトンアタック

これが百均の一角にあった、店内に入った瞬間この音しかしないくらい騒がしい。ひたすらパーフェクトヒューマンみたいな音が爆音で鳴っている。それに家族総出で挑んだ

お目当ては当時NO.1ゲームの3DSを百均のゲームセンターで取ろうとしていた。初めは弟がなんとなく一回やっただけだったが、お父さんが本気で取りに行くモードに入り、そこから総力戦が始まった。記憶は定かじゃないが、お金を入れたら続きからプレイ出来るルールだった気がするのでそこで、火がついたと思われる。惜しい所までいったが結局は取れずに終わった。最後の100円になった時全員で一斉にボタンを押して、誰が悪いかの押し付け合いになった。定員さんも爆笑していた。


アメリカ

レンタルビデオ屋で、これもゲームセンターとして利用していた。ここでもゲーム機を取ろうと頑張ったがドラマチックな事も無く、何も取れなかった。

ここで直感でけいおん!を選んだ私は普通にどうかしていると思う。インターネットが使える環境じゃなかったので、なんとなくで選ぶそんな事も今は絶対にしないので、貴重な体験だった。お父さんは侵略イカ娘を借りてた。面白かった。

そして、閉店セールがえげつなかった

本が全品10円

CDが100円or50円


やっす、と思いドカドカ買いまくった。閉店セール最高と思いながら閉店当日まで毎日通いつめた。そしてお別れの日。私が毎日通ったら、アメリカが潰れることも無かったのかなと、大事なものは無くして初めて気づくの実績を解除した。


マルナカ

イオン系列のスーパーで、こちらはまだ営業中ではあるがマルナカと言う名前では無くなっているので、ここで供養することにした。
今はダイエーという名前で存在する

地元ではない少し離れた場所にある、そこに毎日自転車で通っていた。不登校時代の私を救ってくれた拠り所がこのマルナカだった。
近所にショッピングセンターはあるが、なんせ人の目や近所の人に会うと思うと、思うように出かけられない。そんな時にマルナカに出会った。

遠出してしまったらこっちのものだが、電車は苦手なのでこの距離がちょうど良かった。大きいショッピングセンターでは無く、小さいショッピングセンターだった。一階にはスーパー二階には、ゲームセンターと百均そして、食堂のようなイートインコーナーがあった。

ここでは私の全てを受け入れてくれているような雰囲気を感じた。とても優しい空間だった。決して安い訳では無いスーパーも、品揃えがいい訳では無い百均も、静かなゲームセンターも、全てが私好みだった。お金が無い中買ったイートインコーナーのポテトも美味しかった。店内BGMも中毒性があって、ハマりそうだが、どこかマイルドで優しかった。

嫌なことがあればマルナカ、いいことがあってもマルナカ。毎日がマルナカに包まれた日々を送っていた。夏は白いクマがおすすめするアイスを買い、冬は音割れが激しい呼び込み君の横にある、焼き芋を買った。小さいながら幸せだった。この時だけは辛い出来事を忘れられる。素敵な時間だった。


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