見出し画像

日本企業やそれに投資するファンドの株主になって応援しよう!は無理筋なハナシ

新NISA制度が始まり、低コストで優良な投資信託であるオルカンやS&P500などのインデックスファンドに資金が流入している。

賢い投資行動をする人が増えていて素晴らしいと思う。しかしこのような投資行動を取られると困る人たちがイル。

それは我々投資家の払う手数料でご飯を食べている投資のプロとか金融のプロと呼ばれる。

そいういった人達は手数料の安いインデックス投資をされると商売あがったりなので、もっともらしい理由をつけ、時には煽り、不安を掻き立て最適な投資行動を阻止しようとする。

こういった人たちは比較的高学歴で、それらしい肩書で話が上手だから注意が必要だ。中には我こそは個人投資家の味方であるみたいな顔をしていたりするのでタチが悪い。

今日の記事はそんな具体例のハナシだ。

テーマは表題のとおり
投資界隈でチラホラ聞くことのある、日本人なら日本企業やそれに投資するファンドを応援投資しよう!が無理筋な主張のワケを説明したいと思う。

君がこれを読んでも日本企業や国産ファンドの応援投資をしたければ個人の自由なので否定しない。自分は生暖かい目で見守るだけだ。

このロジックがおかしいのは企業を応援したいのであれば、その企業の製品を購入すればよい話なのになぜか株主になろうと言っていることだ。

個人は消費者向け企業の商品を、法人はBtoBの企業の製品を購入すればヨイ。

そうすれば企業の売り上げがUPし利益がUPするので企業は成長し配当も多く出せるようになる。また研究開発費を増やし製品を改良することでさらに売り上げはUPする。

そして投資家は成長による株価上昇と配当を目的に株を購入する。これが本来の資本市場のサイクルだ(スタートアップ投資はこの限りではない)。

日本企業を応援するのに株を買ったり、投資している手数料の高いアクティブファンドを買うのはそもそも出発点が間違っている。

だから日本企業を本気で応援するのであれば、投資ではなくiPhoneやSamsungのスマホは止めてSONYのスマホを買うということだし、マクドナルドではなくモスバーガーを食えということだ。

あるいはコーラではなく伊藤園の「おーいお茶」を飲み、P&Gの「パンパース」ではなく花王の紙おむつを買うし、スタバを止めてドトールへ行き、VisaではなくJCBカードを使うのだ。

腕時計はセイコーかシチズン。スイス製高級時計なんてもっての外だ。HERMESやルイヴィトンのバックでなくキタムラや吉田鞄を使う。そしてディズニーリゾートやUSJではなく富士急ハイランドに行く(読売ランドでも可)。

お金持ちはベンツやBMWは止めて当然LEXUSに乗れと言うことだし、Amazonではなく楽天を使うし、インスタやTikTokやLINEやGoogleにMicrosoftは・・・あぁぁ替わりが思いつかない。。

どう考えても無理筋なハナシなのだが、島国根性の染みついた日本人はこういった「日本を応援‼」ワードに弱いし、頭の良い彼らもそれを分かって言っている。

日本人だから日本ガーという思想に囚われていると、気づいたら移民反対、外国人排斥のヘイトスピーチデモに参加しているかもしれないので気をつけたい。

個人投資家の最適行動を嫌がる人たちに対する注意喚起は、長年業界側に在籍し数少ない個人投資家の味方であった経済評論家の故山崎元氏が以下のnoteで遺してくれている。

亡くなる4か月前に誰にも忖度することなく書かれた記事だ。個人投資家は必読だと思うので読んでおくとヨイ(一部抜粋しておく)

金融業界・運用業界には、インデックス投資及びインデックス投資家を、一段価値の低いもの、あるいは例外的な存在として扱いたがる強い傾向が存在します。「インデックス投資は初心者向け、入門者向けなので、ここから始めてやがてアクティブファンドにチャレンジしましょう」とか「インデックス運用がいいというのは投資理論の特殊な場合だとか」、「インデックスファンドは右上がりの相場でないとダメだとか」、果ては「インデックス運用が増えると株式市場の価格発見機能機能が阻害されるとか」いろいろな決めつけや難癖を付けてきます。そうしながら、アクティブファンドやESG投資のような下らない運用で手数料を巻き上げようとするのが、彼らの手口です。
 先ずは、さきほどのような阿呆な言い草に負けないで欲しい。今あげた意見は全て誤りですが、一人一人がきちんと反論できて、インデックス投資家であることを胸を張って誇れるようであって欲しい。何と言ってもこれが希望です。
 インデックス投資の優位性は「平均投資有利の原則」に支えられた頑健なものです。例えば、S&P500をベンチマーク兼ユニバースとするアメリカの大型株式のアクティブ運用は、500個数字のあるルーレットにチップを置く金額を調整するような行為ですが、手数料を払ってアクティブリスクを調整するギャンブラーは平均的にS&P500をじっと持っている平均投資家に負けるように出来ている。こう考えると、アクティブ運用は良く言って趣味の世界であり、運用そのものの効率性としては、平均投資への近似であるインデックス運用に確実に劣ります。究極的には、名前の付いたインデックスに価値があるわけではなくて、平均に投資してじっとしていることに価値があるわけですが、現実的な優劣は明らかです。しかも、商品としてのインデックスファンドには運用管理費用が安いというアドバンテージもあります。誰が賢い投資家なのかは自ずと明らかでしょう。
 因みに、このロジックは、もちろん日本株にも使えるし、ゲームの設定をグローバルな株式の運用競争だと考えると、世界株とS&P500の優劣といった比較にも適用可能です。

山崎元氏note「インデックス投資ナイトのスピーチ原稿」より引用

ちなみに株を買うことがどうして企業の応援になるのか、以下に独立系国産ファンドの代表が答えているが自分には全然リカイ不能だ。

ほとんどの個人投資家は、なけなしのお金を老後のために必死で資金を捻出している。

なのに、そうそう起きない敵対的買収から企業を守るためにその資金を投じるのだと言われてもな…

それにな、このようなことは持ち合い株と言って企業統治不全を招き日本経済低迷の理由とされてきたのだ。いまさらナニを言い出すのか大丈夫かな?

と思ったらゼンゼン大丈夫ではないようだ。
このファンド、オルカンやS&P500のリターンに及ばない(手数料は10倍以上)残念なリターンだった。

証券会社やリターンがポンコツなアクティブファンドはこのようにあの手この手で投資家のお金を狙ってくることを覚えておくとヨイ。

追記
このファンドをはじめとして国産ファンドの成績と煽り、論点ずらしのヒドさは個人投資家として言いたいことが山ほどあるので随時記事にしていく予定だ。

※掲載する情報は投資勧誘を目的としたものではありません。株式などの金融商品や不動産の取引は損失を出す恐れがあります。

掲載する記事は個人の趣味として記載しているものであり、提供される情報は読者の方々にとって適切であるとは限りません。またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。投資においては全て自己判断、自己責任でお願いいたします。いかなる損失が出た場合でも責任を負うことはできません。

この記事が参加している募集

#お金について考える

37,579件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?