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■10 川を越えていく(5)

雨の日だった。歩いて本社へ向かう。なぜか私も支店ではなく、本社での面接となった。歩いて20分、いつもの道を歩いていった。途中、小さな川に掛かっている橋を渡る。「あ、また川を越えた…」私はそう思って、探していたものがなにか、気づくことができたように感じた。私はいくつもの橋を渡り、その先にある景色がみたい。感じたい。そんなことを考えながら、本社の自動扉を開けて進んでいく。

庶務へ顔を出すと「あぁ、藤原さん!面接ですか?」とよく知っている女史に声を掛けられ、少しリラックスできた。その先の会議室で面接すると言われた。廊下で待っているよう指示をされて、小学生が悪さをして廊下に立たされているかのようで、少し可笑しい。心の中で笑った。

しばらくすると、会議室のなかから白髪の男性が私を呼んでいる。促されるままに会議室へ入ると、3人の面接官が並んで立ち、私のことをじっと見つめた。

「藤原灯と申します。本日はよろしくお願いします」と言い、深く礼をする。さあ、戦いのスタートだ。30分1本勝負。3対1で勝負に挑む。強そうな体格のよい女子と、尻に敷かれて顔に皺が入ったようなオジサンが2人。望むところだ、かかって来い。心の中でファイティングポーズを取り、プロレスリングに私は立った。

(ただの日記ですけどなにか?笑)
(多少のフィクションお許しください)

次へ続く⇒



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