185. 深夜に目が覚めて
月が雲に隠れる頃、宙に手を伸ばして、見えない何かを掴んだら、あなたの住む世界の端っこにあるふわふわの布がわたしをくるんでくれた。あなたの懐に入って眠っている時と同じように暖かくて、また眼を閉じた。
わたしの意識が夢の中で踊る頃、あなたは描いた図面を見せてくれて、今ある現在地を教えてくれた。私は予定通りに進んでいることを確認して、安心してあなたと同じこの夜空の下でまた眼を閉じる。
あなたのふんわりとした指と掌が私の指先に触れて、そっと離れていく。
いかないで。離れないで。