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ガウディとサグラダ・ファミリア」展 in 東京国立近代美術館

火曜日に、竹橋の東京国立近代美術館で開催中の「ガウディとサグラダ・ファミリア」展を、旬さんと一緒に見に行った。

開催期間 6月13日(火)~9月10日(日)

巡回情報
滋賀会場:2023年9月30日(土)~12月3日(日) 佐川美術館
愛知会場:2023年12月19日(火)~2024年3月10日(日) 名古屋市美術館

最近の展覧会は2000円超が当たり前で、この展覧会も当日券は2200円。
でも、平日ペア券は1人1800円になるというので、前売りを買っておいた。

さて、前日の晩、旬さんのLINEを見てびっくり。
「明日はマティス展ですね~💛」
おーい!そっちじゃないって。
はらはらしたけど、無事にレストランでお会いできた。
まあ、私は店にバックを置き忘れるという失態をやらかしたので、おあいこってことで(笑)

旬さんの記事はこちら。

まずは、おしゃれなランチとおしゃべりを楽しんで

いざ会場へ。
週末はすごい行列だったと聞いていたけど、この日も、平日の割には、けっこう混雑している。

サグラダ・ファミリアガウディについては、ご存じの方も多いと思うが、簡単に説明しておこう。

アントニ・ガウディは、1852年、スペインのカタルーニャ地方の生まれ。
のちにパトロンとなるアウゼビ・グエルに認められ、『グエル公園』『カサ・ミラ』など、数々のユニークな建築作品を残す。
晩年は、『サグラダ・ファミリア聖堂』の建設にすべてをささげるが、1926年路面電車にはねられ73歳で死去。
サグラダ・ファミリア聖堂』は、ガウディの死後も建設が続くが、資金不足や内戦などの影響もあり、たびたび中断。ガウディ死後約100年たつ現在もまだ完成していない。

今回の展覧会では、100 点を超える図面、模型、写真、資料に最新の映像まで、4つの章に分けて展示している。
1    ガウディとその時代
2 ガウディの創造の源泉
3 サグラダ・ファミリアの軌跡
4 ガウディの遺伝子

サグラダ・ファミリアに焦点を絞り、ガウディの建築思想と造形原理を読み解いていこうという趣向で、なかなか内容が濃い。
順に見ていこう。

1 ガウディとその時代

ガウディが建築家を志してバルセロナ建築学校で学んだ19世紀の後半は、産業革命とそれに伴う都市人口の急増によって、ヨーロッパの都市がかつてない規模で変貌を遂げた時代にあたります。
また、最新の科学技術や世界各地の文化、風俗、建築が一堂に会する万国博覧会が競うように開催された「万博の時代」でもありました。
スペインでいち早く産業革命を達成したバルセロナでは、中世的な城壁を壊して都市の規模を拡張するなど近代化が推し進められ、芸術文化の領域でも前衛的なムーブメントが花開きます。
この章では、時代が用意した視覚情報や、ガウディが1878年のパリ万博に出品した作品のスケッチなどを紹介しながら、若き日のガウディの活動と時代背景をたどります。

―サイトより

ガウディは、バルセロナの生まれだと思っていたが、実はタラゴナ県のレウス市の生まれ。レウス市の人口が当時どのくらいだったか、などといった情報まで説明されている。(以降もそんな感じで、説明はかなり詳しい)

この章で驚くのは、ガウディの設計図の美しさ、緻密さだ。
なんとなく、ガウディは設計図なんてあまりちゃんと書かないで、芸術家風にバンバン模型を作って、これ作れよ~って指示していて、だから亡くなった後、周りの人が困ったのかと思っていたが、そんなことはない。
模型もたくさん作ったけど、しっかりと計算された設計図をきちんと書いていたのである。
(内戦によって失われてしまったりしたので、のちの人が四苦八苦したわけである。)
また、建築家としての正確な設計図というだけでなく、芸術作品としても十分な出来。画家になっても成功したんではないか、と思ったりもした。

2 ガウディの創造の源泉

ガウディの独創的な建築はどこから生まれてくるのでしょうか。
人間は創造しない。人間は発見し、その発見から出発する」とはガウディの言葉です。
その言葉通り、ガウディは古今東西の建築や自然を丹念に研究することから革新的な造形の契機をつかんでいくのです。
学生時代のガウディは図書館に通い、当時普及しはじめた写真を通して建築の歴史を吸収しました。またカタルーニャの遺産を発掘して、地域に根差す自分たちのアイデンティティを再発見しようとする組織にも参加しています。
さらに「自然は私の師だ」と言うガウディは、徹底した自然観察から造形の原理を引き出し、有機的なフォルムの建築や什器をデザインする他、自然の中に潜む幾何学に注目し、それを建築造形へと応用する合理的精神の持ち主でもありました。
本章では「歴史」「自然」「幾何学」の3つのポイントから、ガウディ独自の建築様式の源泉とその展開をたどります。

―サイトより

この章も、またびっくりである。
ものすごく新しく、斬新に見える建築も、歴史や自然に根差していたとは。

うねった曲線の多様も、すべて直線の組み合わせ。だから、専門知識がない人にも正確にどういうものを作るかが伝えられる。
逆に言うと、ガウディさんってすごく賢い!

様々な模型でどう形作っていくか、という説明がされていて、わかりやすかった。最も、理解できない部分もあったけど、それはそれで。

3 サグラダ・ファミリアの軌跡

ガウディが二代目の建築家に就任したのは1883年のこと。
そこから1926年に亡くなるまで、ガウディサグラダ・ファミリア聖堂の設計と建設に心血を注ぎました。ガウディは図面のみならず、膨大な数の模型を作りそれに修正を加えながら、外観や内部構造を練り上げていきました。このようなガウディ独自の制作方法をアトリエの情景とともに紹介しつつ、残された写真と模型をもとに計画案の変遷を明らかにします。

―サイトより

サグラダ・ファミリアガウディのことを知ったのは、もうずいぶん昔のこと。
TVのスペイン語講座で、日本人の外尾悦郎さんが、制作に参加していて、石像などを彫刻しているという話だった。
制作者の1人なので、今回の展覧会では特に紹介されていなかった。
と、会場では思ったが、帰ってからパンフを見たら、ちゃんと作品が展示されていた。

外尾悦郎《サグラダ・ファミリア聖堂 、降誕の正面:歌う天使たち》サグラダ・ファミリア聖堂、降誕の正面に1990-2000年に設置、作家蔵

この章は、写真撮影が可能。
たくさん撮ったつもりでいたが、そうでもなく、撮ったものもちょっと人が映り込んでいたりして、残念ながら、載せられるものが少ない。

《サグラダ・ファミリア聖堂、全体模型》2012-23年


4 ガウディの遺伝子

この章はインタビューなどが多かったか。

さて、『サグラダ・ファミリア』は、いよいよ2026年完成予定だ。
どうせなら、完成してから今回のような催しを見たかったなあ、とも思った。
もしかしたら、展覧会の企画はずいぶん前にされているはずだから、今年あたりに完成して、完成記念の展覧会として巡回する予定だったのかも?コロナで工事が遅れた分、未完成になってしまったのかも?

ただ、ガウディは言っている。
「けして完成してはいけない」だったかな?(すでに記憶が怪しい)
それだけ聞くと、ええっ!?なりそうだけど、
そういえば、日光の東照宮なども、「完成した瞬間に崩壊が始まる」という考えで、どこかの柱をわざとさかさまにしてあるとか、紋章を変えてあるとか、という話も聞いた。それと同じようなことが言えるのかもしれない。

鑑賞時間は2時間を超えた。
それでも、まだすべてを吸収したとは言えないボリュームだった。

お土産も買ってしまった♬
Tシャツにトートバック。使うからいいよね~

付記:
最後まで、いや、今でも引っかかっている言葉がある。
自然の本」という言葉だ。
これだけ聞くと、植物図鑑や風景写真集のようなものを思い浮かべてしまうが、ガウディが「自然」から着想を得た、という話なので、文脈からして「自然の手本」ていう感じかな、でもちょっと変だなと思って、2人で英文を確認すると、「book of nature」となっていた。
なるほど~これは「自然という(手)本」ていう感じかも。「所有のofじゃなくて、同格のofね」。あえて言いはしないが、心の中では、「私たちちょっとは英語勉強してるもんね~♬」
これは是非とも記事の中に入れよう、と思ったが、いざ書こうとすると、ちょっと不安になる。
bookにtheがついていたっけ?bookは大文字だった気も?
もし、the Book なら、「聖書」という意味にもなる。
聖堂の話なのだから、「聖書」の意味で使っていても、決しておかしくはない。まてよ、ガウディは英語でなくてスペイン語で言ったはず。もしかしたらカタルーニャ語だったかも。
これは、原文に当たらないとわからない。いつか調べてみよう。
といって、何か月かすると忘れるだろうけど(笑)

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