見出し画像

ガウディとサグラダ・ファミリア展~わたしの人生まで!

楽しみにしていた美術鑑賞DAY。

「明日はマチス展ですね♫ 11時にレストラン行きます」

と前日にメッセージを送ったら、

「ガウディ展ですよね?」

とお返事。
うっかりしてました。そう、今日はみだれ髪さんと国立近代美術館で開催されている「ガウディ展」を見にいく日でした。

約20年前にバルセロナを旅行し、サグラダファミリア含めガウディの作品をいくつか訪れ、その独創性と彩りに感動しました。建築家の展覧会ってどんな風だろうと思いながら待ち合わせ場所へ。

まずはランチ。みだれ髪さんとワイングラス片手に優雅な洋食ランチを。近況、英語学習仲間でもあるので、英語のこと、洋書のことなど、何のために集まったのか忘れそうになるほどお喋りしました。

レストランを出て、冷房ですっかり冷えた身体が外の暑さで元通りになった頃、国立近代美術館が現れました。入場して展示室に。平日の昼間の割には混んでいます。

前半の展示スペースはガウディについて。ガウディが学んできたこと、大事にしたこと。

ガウディはその独創性あふれた作風で知られていますが、「人間は創造しない」と言います。「人間は発見しその発見から出発する」と。ガウディは自然を偉大なる本と呼び、わたしたちが心を開いて努めて読むものとしています。自然が作り上げたものこそ美しく、わたしたちはそこから発見するだけ、と。そうやって発見されて形になったのが、ガウディの数々の作品。

後半はいよいよガウディとサグラダファミリアについて。

20年前のサグラダファミリアはばりばりに未完成でした。中に入るとその辺に資材が置かれていましたが、ところどころにステンドグラスが施され、色とりどりの光が床に届いていました。天井にもピュアな美しさを感じました。なんとなく、これが完成することなんてないだろうなと思ったことを記憶しています。

どうやらだいぶ工事は進んでいるようです。
この目で見たほんの一部だったステンドグラスは全体になり、当時はなかった塔もできたようです。そしてガウディの没後100年である2026年に最後のイエスの塔が完成し、工事は完了となる予定。

ガウディはサグラダファミリアの建設中断を覆したときに自分の給料を放棄したり、最後は自分の他の仕事をすべて断りサグラダファミリアに専念したり、この建造物に並々ならぬ情熱を注いでいました。

そのガウディは「サグラダファミリアは完成しなくていいと思っている」と述べていたとか。
みだれ髪さんとこの意外な言葉について話しました。
「グエル邸」「カサ・バッリョ」「カサ・ミラ」などお金持ちに依頼されてお金持ちのための建造物を作ってきたガウディ。一方で半生かけて万民のための教会を建設することに心血を注ぎ、この言葉。人々とサグラダファミリアを作っていくことがガウディにとっての信仰だったのかもしれない、とわたしたち二人の意見はまとまりました。

さて、すると、サグラダファミリアは完成していいのか。
完成したらよからぬことが起こりはしないか。
ガウディは何かを仕掛けてはいないか。
百年以上かけて建設しているから、出来上がるころにはどこか老朽化して永遠に出来上がらないとか。

そんなざわめきを感じました。

お土産コーナーでポストカードを何枚か買いました。
20年前に訪れた時も外観の塔の部分を写したポストカードを購入し、実家に送りました。写真たてに収められて今でも実家の一画に置いてあります。比べてみようと思います。

そして展示を見ながら思い出しました。
夫もガウディが好きで、以前勤めてた会社の中途入社の同期だったわたしたちが初めて会話したのがガウディの作品についてだったこと。「写真を送ってあげるよ」とわたしのデジカメデータをメールで送ってあげて、そのお礼メールをもらったことを思い出しました。

バルセロナでガウディ作品を訪れていなかったら、わたしは夫と結婚しなかったかもしれない。かわいい息子のぼぼもいなかったかもしれない。
意外にも自分の人生に深くかかわっていたガウディでした。

お礼参りもかねて、またバルセロナに行きたい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?