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2023年の洋書6冊目:『KWAIDAN(怪談)』 by Lafcadio Hearn

KWAIDAN(怪談)』 by Lafcadio Hearn

いつも英語の勉強会でお世話になっている、Mさんにいただいた洋書3冊のうちの1冊。
所要7時間22分(7月20日~8月31日)、8月中に読み終える!という目標、かろうじて達成♬

この本は、KWAIDANが、17編、INSECT-STUDIESが3編。
合計20編からなる短編集だ。

KWAIDANのトップを飾るのが、有名な「MiMiNASHI HOICHI」(耳なし芳一)
昔、日本語で読んだ時は、芳一が亡霊に耳を切り取られるシーンが怖くて怖くて、夜トイレに行くと、思わず耳を覆ってしまったものだ。
だが、今回読んでみると、そこに行きつくまでのシーンが結構長く、壇ノ浦で敗れた平氏の話なども昔よりもよく知っているせいか、その辺の描写が意外と楽しめた。
そして、最後のシーンも、耳を切り取られて終わりではなく、その後の話が簡単ではあるけど述べられていて、意外とハッピーエンドではないか、と思ったりもした。

他の話も、全体として、内容的には、予想ほど怖くなく、予想ほど難しくもない。
全く話を知らなかったもの、なんとなく聞いたことあるのも、いろいろだが、「怪談」といっても、全部お化けが出てくるというわけではなく、不思議だけど、心温まるような話、なんていうのもある。
地名や習慣など、昔のこととはいっても、日本の話だから、なんとなく分かるし、丁寧に説明をつけてくれたりするのでわかりやすい。

INSECT-STUDIES は、butterflies(蝶)、mosquitoes(蚊)、ants(蟻)の話。
蝶のイメージが日本ではどう使われているか、とか、蟻の生態みたいなものが書いてある。
この辺は怪談ではなく、日本文化の位置づけだが、蟻の雄の話から、人間社会の考察をする感じ、逆に不気味だったりした。

もともと怖い話は大嫌い。ホラーなんてとんでもない。
だから、絶対にこの手の本は、読まないところだ。
だが、だいぶ前に島根に旅行に行ったときに、松江の小泉八雲記念館に行って小泉八雲に興味をもち、何か読んでみたいな、と思っていたのだった。
洋書なら、ちょっと怖さも軽減されるんじゃないか?と思って読み始めたが、正解だったと思う。

Lafcadio Hearn(小泉八雲)(1850~1904)は、ギリシャ生まれだが、日本に長く住み日本国籍も取得しているから、現代のわれわれよりも、ずっと日本人らしいかもしれない。

以下、2013年に行った時の写真。

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