「毒親」を教育しなくては
我が子に薬物を飲ませて殺した事件、連日様々なところで報道されています。
その状況や内情が少しづつ明らかになって来ており、そのたびにその家庭について異常だとか異様だとか、怪物同士が結婚した、などと評されたりしていますが、私からしてみれば特に驚くことでもなく、子供が亡くなってしまったからこれだけの騒ぎになっているだけで、このような機能不全家庭はいくらでもある、とあえて伝えたいです。
この容疑者夫婦も報道されている内容を観る限りでは共依存関係にあり、夫と妻の力関係が逆転しているだけで、このようなケースもカウンセリングをしている中ではいくらでもあります。
ただ、妻の方は精神障がいの様相も伺えることから今後、もしかすると精神鑑定が行われる可能性もあるかな、と考えてもいます。
昨晩観ていた番組の中でもこの事件が取り上げられており、そこであるコメンテーターはアメリカを例に挙げて「アメリカで虐待事件が起きた際は、その親も虐待を受けていた可能性があることから、子供と離した上で親を矯正施設に入れて問題の解決をする制度がある」と伝えていました。
これはまさに私がこれまでずっと伝え続けていることだけに、まさにそれ!と思いました。
例えばアメリカで薬物依存者による事件が起きた際、その刑期の中に専門の矯正施設に入ってそこでリハビリを受けるプログラムが組まれています。
そこでは薬物依存からの脱却に向けた様々な教育がなされており、そこでの教育期間も刑期に含めることで再犯率を下げようとしています。
もちろん犯罪者だけでなく、一般の人たちでもこのような依存から抜け出すためにこのようなリハビリ施設を利用しているケースも多く、有名なミュージシャンやアーティストもそういった施設でリハビリを受けていることも多数あります。
一方で日本はといえばこのような制度はありません。
なので薬物犯罪の再犯率が高いとも言えます。
皆さんも有名芸能人が薬物使用で捕まって、警察署の前で深々と頭を下げて謝罪しているシーンは観たことあると思いますが、その本人がまた薬物で捕まる、それを繰り返しているケースなどもご存じだと思います。
それだけ「依存」から抜け出すのは難しく、個人のチカラだけでは無理だということがお分かり頂けると思います。
日本にはそういった矯正施設やリハビリ施設の数が少ないのが、理由の一つにあると思います。
アルコール依存症や薬物依存症などのリハビリは主に専門病院が行なっていますが、その数は数えるほどしかありません。
そこでもグループミーティングなどプログラムに入れてはいるのですが、何しろ入れる人数には限りがあるため、そこそこで退院してしまうこともあるそうです。
また自助グループなどもあまり知られていなかったり、その数も少なかったりと問題の大元と向き合わせる機会が少ないため、再犯を繰り返してしまうのではないか、と考えています。
まして共依存といった依存対象が「人間」である場合、その矯正や教育には時間も人手も必要となってしまうため、そのような施設がほとんどないといった状況なんだろうと思います。
ですがそれでも、子供の命を守るためには問題を抱えている毒親を何とかしなければ、虐待死の悲劇が繰り返されるだけです。
中には「自分は毒親かも知れない」と自ら気付き、カウンセリングに訪れる方も居ます。
ですが毒親のほとんどは自分が「毒親」であるとの自覚がありません。
なので今の「毒親が『毒親』のまま何も変わらない状況の中に、子供を戻し」て虐待死させてしまう状況は変えなくてはいけません。
児童相談所だけでなく、親の再教育、矯正を目的とした施設を作ること、そこで働く人材の育成、すぐにすべてが出来るわけではないのですが、少しでも早くこのような状況を作り、制度を作って子供を虐待から守れる、子供が幸せに生きられる国になって欲しいとココロから願います。
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