あなたは「あなた」になれば良い
人間関係がうまく行かない
かのアドラーさんも「人の悩みの90%以上は人間関係の悩みである」と言っている通り、カウンセリングに来られる方々のお悩みも突き詰めていくと「人間関係」に至ります。
その悩みが「生きづらさ」となり、その人の生き方となっているために自分で気付かずそのままにしておくと、ずっと人間関係で悩むことになりやがては適応障がいやうつ病など、ココロの病を発症してしまう訳です。
何で人間関係がうまく行かないのか?
それは「自分」という存在が自分では分からないから、ということになります。
「自分」は何が好きで何が嫌いで、何が得意で何が不得手で、将来どんな風になりたいか、どんな人間になりたいかなど「自分」が分からないまま他人と付き合わなければならないから、コミュニケーションがうまく取れないという状況がそこにはあります。
これは子供の頃に「自分」を受け入れてもらえなかったことが続いたために、自分を振り返ったり自分の事を考えなくなってしまったことに原因があります。
「○○が欲しい」とか「大きくなったら□□になりたい」なんて言う子供の希望や夢を「それはお前には必要ないから」とか「お前には無理だから」などと否定されてしまうと、子供は自分の夢や希望を考えなくなってしまいます。
本来なら夢や希望を考え想像するのって、楽しいことなんです。
欲しいおもちゃを手に取って遊んでいる自分の姿、大きくなって希望の職業に就いている自分を想像するのって、子供にとってはとても大切なことで、それは楽しかったり嬉しかったりするものです。
けどそんな自分の想いを話すと否定されてしまう。
すると子供は「自分の夢や希望を伝えることは自分を悲しく(寂しく)させてしまう」と感じ取ります。
誰でも悲しい想いや寂しい想いはしたくないですから、子供はそれを言わないようになってしまい、それを考えるだけでも寂しくなってしまうので、結果的に「自分」を考えない、自分を省みない生き方が出来上がってしまいます。
同時にそのココロの中に「もっと私を見て・もっと私を愛して」という想いも醸成されます。
そしてその行動として相手に好かれるため、相手に見放されないようにするため「相手の顔色を窺い」ながら「相手の望む自分」を作るようになります。
これら一連の事は全て「潜在意識」の中で行われるため、自分自身にその自覚はありません。
これがその後の生き方となってしまうために、歳を重ねていく中で自分の周りに友達とか同僚とかその数が増えていくと、その人数分の「自分」を作ることにもなります。
相手の顔色を窺い、相手が自分に何を望むかを察することが得意になるため、初対面の相手や知り合って日が浅い相手とのコミュニケーションは非常に円滑に進めることが出来ます。
相手が望むことに対して全力で尽くすため、相手からは喜ばれることとなり、それが自分の承認欲求を満たしていきますが、それを続けていくといずれは「日常の事・普通のこと」となってしまうためまたそこからさらに相手の希望に応えようとしてしまいます。
最終的には自分を犠牲にしてまでも頑張るのですが、いつか相手の希望に応えられないところに辿り着いてしまい、そこで相手との関係は終わりを迎えます。
また「相手の合わせた自分」をその人数分作るというのは、周りにいる人たちから見ると「みんなに違う顔を見せている」ことになるため「何を考えているか分からない、得体の知れない人」と認知されてしまいます。
それも結果的には自分から相手が離れて行ってしまう要因となり、いつも人間関係がうまく行かない、という悩みが尽きない、ということになっています。
このような悩みを抱えている方は是非、今から「自分」を再構築してみるようにしてください。
こういう悩みを抱えた方の多くは「子供の頃になりたかったものが分からない」とか「夢中になれる趣味が無くて」と訴えられます。
それを今から見つけていくことで、改めて「自分」という人間を創っていけば良いんです。
また子供の頃に欲しかったモノややりたかったことなどを覚えている方はオトナになった今、それをしてみるのも大切です。
子供の頃に出来なかった、果たせなかった夢をオトナになった今、出来る環境に居るのであればそれを手に入れたり、やってみたりしてください。
こういったことを積み重ねていくことで、他人に伝えるべき「自分」が出来上がっていき、それをそのまま伝えることで本来の良好な人間関係が築けるようになります。
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