マガジンのカバー画像

読んだ

264
読みます
運営しているクリエイター

2019年9月の記事一覧

9/27 今野真二『漢字とカタカナとひらがな 日本語表記の歴史』を読んだ

難しかった。 はじめ、難しいな難しいなーと思いつつじっくり読んでたら、いつの間にかどこかにやって失くしちゃって、まあ難しかったしな、と諦めていたらある日不意に見つかり、挫折するいい言い訳が出来たと思ったのに見つかってしまったとなってはもう覚悟を決めるしかないと、分からないながらも無理矢理に読み進めていった。難しかった。大変だった。 だがおそらく、というか当たり前だが、本書を書き上げる大変さは読むことの大変さの比ではないだろう。日本語という言語を表記するための手段である漢字、カ

9/14 ブラッドレー・ボンド+フィリップ・N・モーゼズ『ニンジャスレイヤー ケオスの狂騒曲』を読んだ

面白かった。 合間合間にちびちび読んでいたので前巻までの話の流れなどがやや曖昧になっていたが、今巻だけとっても時系列はバラバラのようであるしあんまり問題ない。それに、ツイッター上でのリアルタイム連載を追いかけだしたのが第3部の終盤……最終決戦の2,3エピソード前くらいからだったので、あそこで描かれたものに向けてひとつひとつピースをはめていくような感じで読んでいけばいいのだと思う。実際今回出てきたコヨイさんはあそこでアレしてた人か……とか、ダークニンジャの現出の仕方は、アッ4部

9/14 深町秋生『オーバーキル バッドカンパニーⅡ』を読んだ

面白かった。 シャブ中からのシャブの抜き方とか、ヤリサーが女を強姦するのに用意する道具だとか、暴力団が規制をすり抜けて所持しておける武器だとか……それほんと~?とか思いつつも、そういったことのお勉強目線で読んでるところがある。血や嘔吐や糞尿対策にブルーシートをあらかじめ敷いとくとか、そこまでして強姦ってしたいもの……?みたいな、そんなこと小説作品に向かって言っても仕方ないが。 お話も本格的な緊迫度が高まってきて、NASのメンバー達もだいぶ余裕じゃいられなくなってきたかなと思え

9/10 渡辺優『ラメルノエリキサ』を読んだ

面白かった。 復讐の申し子と呼ばれる女子高生が主人公。まあやべー奴が一人称の小説を読み出しちゃったなというのが第一印象。しかしたとえば仕事の昼休み中に読んだときなど、仕事に戻ると同僚が自分に余計な仕事を増やしたときに普段より少し早く、少し多めに怒りが沸いてくるような気にさせられる程度には、その語り口には感情を幅寄せされてしまう。 主人公の復讐へのモチベーションとその行動力は驚嘆すべきものではあるが、しかしそれが復讐という”後手”においてのみしか発揮されないというのはなかなか不

9/4 大竹まこと『俺たちはどう生きるか』を読んだ

面白かった。 どんな本かと聞かれると返答に困る。年老いてあちこち軋んでいる身体を引きずりながら若かりし頃を振り返って、時事問題に関心を向け、この国の未来を憂い、この国の未来を生きてゆく若者たちの未来を憂い、何かいいことを言おうとするも、まとまり切らず、体調の話に戻る。若者へ警句を発したと思ったら次の行ではモト冬樹がスズメを拾って役所に怒られた話が出てくる。一体どういうものなんだこれはと最初のうちは戸惑ったが、SNSで炎上した話が出てきたあたりで、そうか、要はこれが大竹まこと

9/3 宗田理『ぼくらの『第九』殺人事件』を読んだ

面白かった。 ひとみが通ってるミッションスクールで「セブンシスターズ」なるグループを作っていたことが発覚。教師相手にいたずらを仕掛けたりして、学内じゃそこそこ有名になってたらしい。ほんとこのヒロイン…… ひとみってぼくらメンバーのなかでも一番の美少女って言われて、今巻でも天野に「近頃はいちだんと美しくなったな」とか言われたりしてるんだけど、のわりには、英治以外の誰もひとみに想いを抱いてるとかいったような描写がなかった気がする。マドンナ的存在でありながら、マドンナではない。

8/31 オキシタケヒコ『筺底のエルピス3 狩人のサーカス』を読んだ

面白かった。 前巻終盤で敵組織《I》の正式名称が出てきたときにも思ったことだが、作中屈指の脅威なのに、モチーフがオカルト(作中においては因果が逆なんだけど)なので、そのアイテムが堂々と出てきたときに恐るべきか笑うべきか一瞬躊躇してしまうな。今巻のUFOとか。 前巻からの緊迫がそのまま続き、着々と事態が悪くなっていく。圭たちにとっては空気はひたすら重いのだが、視点は主に圭たちを追う狩人ら、そしてさらにそれを追うゲオルギウス会の面々に多くが割かれているからか、スピード感を維持