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続・アトピー対策備忘録9: 体質改善7 亜鉛欠乏とアトピーの根源


 以前の治療法から変更したものとして。

①亜鉛の合計摂取量を摂取上限近くまで増量


 マルチミネラルだけでなく、亜鉛単体でのサプリも併せて飲用。これにより皮膚の修復力が目に見えて増し、アレルギー性鼻炎の症状・睡眠障害までもが以前に比べ改善された(亜鉛の欠乏は神経系・内分泌系・免疫システムと広範に悪影響を及ぼし、亜鉛摂取により炎症性疾患や自己免疫疾患の発症が抑制される事は既に解明されている)。
 また亜鉛は睡眠において重要な成長ホルモンの産生に必須であるが、アトピー性皮膚炎により亜鉛欠乏に陥り、結果更なるアレルギーや睡眠障害に繋がるという負の連鎖に陥っていた可能性がある。成長期であれば睡眠障害と併せて直接的に成長障害が起こった事だろう。
 これは下部リンクの研究結果を肯定するものでもある。

 正直なところ自身でもサプリの効果には驚いている。アトピー重症者にも効果有りとの報告も有るが、確かに自身としてはそれに納得出来るだけの実感は得られた。
 現状では摂取量を40mg程度まで(午前・午後にそれぞれ20mg摂取)に抑えているが、医療機関での亜鉛欠乏に対する補充療法においては、症状に合わせて50〜150mgまでを医療用医薬品にて食後に経口投与するとの事(投与は半年等ある程度長期に渡って容態を見つつ行う)。

 この補充療法は褥瘡の治療等に用いられるらしく、亜鉛の内服に併せて亜鉛含有の外用薬とその創傷被膜材(所謂傷パッド、医療用絆創膏)の組み合わせで治療を行う。場合により抗菌薬も用いられる。
 亜鉛不足は創傷治癒の遅延や皮膚の脆弱化に強く関与しており、褥瘡の治癒ともなると食事療法や栄養補助食品での摂取のみでは不十分との事である。

 …それにしても量を増やして摂取方法も調整すれば褥瘡にすら効いてしまうというのは、中々に衝撃的な情報であった。医薬品製剤と見紛うが如き効能であり、ただのミネラルというには効果が高過ぎる。成る程、重症者に対しても効果が出る訳である。

 当然ながら亜鉛も過剰摂取すれば銅欠乏、貧血、胃の不調など様々な健康被害が生じるため、個人使用においては出来る限り耐用上限量を守るべきである。
 ただ亜鉛摂取によるアトピー完治者の体験談では一日100〜200mgを摂取して治したとの話も有り、摂取量に関してはある程度自己責任で判断して行わざるを得ない面も有るだろう。要検証。

②浮腫みの対策をより重要視


 中々浮腫みが改善されない為、今後はよりその対策を重視して情報収集や検証を進める。浮腫み対策のサプリや内服薬の利用も検討。マグネシウムの吸収にも関わりのあるカリウム摂取についても情報収集や検証をするべきか。
 現状浮腫み取りの漢方薬と食事でのカリウム摂取にて一定の成果は出ているが、今後はサプリによるカリウム等摂取での検証も行いたい。

③皮膚炎症の対策として酸化亜鉛配合クリームを使用


 ステロイド薬の代替としてよく用いられる酸化亜鉛配合の外用薬を試す。ステロイド薬の使用が推奨されない幼児のアトピー治療等に専ら用いられるが、亜鉛華軟膏は成人の治療にも使用される。
 使用感も悪くないため暫く継続して様子を見たい。 個人的には弱めのステロイド薬に近い効果は有る様に思う。湿疹や炎症にもよく効き、代替としては充分な効果が得られている。

 …皮膚症状は改善してきたがステロイド薬を塗り続けた箇所程治りが悪く、つくづく出来る事なら使うべきでない薬だと実感させてくれる。


追記:アトピー性皮膚炎の根源


 亜鉛と皮膚疾患の関係については下部リンクも参考に。研究論文ではないが臨床症例に基づいた貴重な知見であると思われる。
 アレルギーによる痒みや剥皮だけでなく、炎症や水疱にまで言及されている点は興味深い。爪の変形や脆弱化は私自身にも若干だが起きている。

 患部画像も掲載されている点には一応注意の事。

 下部リンクも併せて。アレルギーやアトピー性皮膚炎に亜鉛欠乏が関連していると明確に記載してあるHPを見たのは初めてである。


 そもそもの亜鉛不足の原因は炎症性腸疾患(胃腸障害)・薬(抗菌薬)による吸収不全によって起こる様であり、主要な原因と言える「抗菌薬による腸内細菌叢の多様性喪失」と併せて、それに起因する「胃腸障害や抗菌薬による吸収不全にて引き起こされる亜鉛欠乏」も副次的なアトピー性皮膚炎発症の原因となっているものと考えられる(以降はアトピー性皮膚炎発症により胃腸障害と併せて亜鉛欠乏状態が持続され、他のアレルギー性疾患や睡眠・成長障害へと派生・合併していく)。

 また近年の研究により「亜鉛欠乏は腸上皮細胞の機能低下を引き起こすだけでなく、腸内細菌にも影響してディスバイオシスを誘導することで腸管バリア機能を低下させ、さらなる亜鉛欠乏を招くことが示唆」されており、一旦腸内細菌叢の多様性が失われるとそれが亜鉛欠乏を招き更にディスバイオシス(多様性喪失)に繋がるという悪循環に嵌まってしまう様である。
 腸内細菌叢のディスバイオシスと亜鉛欠乏
が同時に起きた場合は最も悪い状況に陥り、それこそが将にアレルギーやアトピー性皮膚炎の発症を招く事態だと言えよう。そして抗菌薬への早期曝露とは正しくその状態である。

 一般に表皮の症状等に囚われがちであるが、この「腸内細菌叢のディスバイオシスと亜鉛欠乏の併発による相互増悪での悪循環」こそがアトピー性皮膚炎の根源であると診ていいだろう(厳密には亜鉛欠乏というより「亜鉛を主とした鉄分含む必須ミネラルの欠乏」か)。
 そしてアトピー性皮膚炎の治療の為にはこの負の連鎖を何かしらの形で断ち切らねばならない。

 これはステロイド薬を止めた後に症状が再度悪化する理由でもあるのだろう。何しろステロイド薬では腸内細菌叢のディスバイオシスも亜鉛欠乏も充分に改善はされない(皮膚症状の治癒により多少は亜鉛欠乏も改善されはするだろうが完治には至らず、それは腸内細菌叢のディスバイオシスにおいても同様である)。

 …原因自体は案外にすんなりと分かってくるものだが、なればこそ「情報の共有と活用」位はまともに行って欲しいものである。

 因みにアトピー性皮膚炎には「腸性肢端皮膚炎」・「アレルギー性接触皮膚炎」等の別名があるが、個人的にはここに「税方式皮膚炎」も是非加えておいて欲しいと思う。
 ただ日本においては「腸性肢端皮膚炎」が稀な疾患であるのに対し(腸性肢端皮膚炎のタグも私の記事にのみ付いている)、アトピー性皮膚炎は割とポピュラーなアレルギー性疾患である様なので、やはりアトピーだけに奇妙な状況である。


 …まあ大元の根本原因と言うべきものは更に別にあると言えばそうなのかも知れない。


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