続・アトピー対策備忘録20: 体質改善18 外用剤・はと麦エキス(暫定)

実のところ自分は今まで保湿剤(外用剤)を余り重視して来なかった
保湿自体が乾燥による皮膚症状に対処出来ても炎症や湿疹に対して余り効果が無かった上、場合によっては痒みや浮腫みを誘発するなど逆効果にもなったためである

ただ軽度の湿疹や炎症・痒みに対してまで弱いステロイドのみで対処し続けるのは対処療法を漫然と続けるプロアクティブ療法と大差無いため望ましくなく、代替となる軟膏や外用剤を探す必要があった

候補となる有効成分としては、コロイダルオートミール、カレンデュラオイル、ヒノキチオール、そしてハトムギエキスが挙げられる
何れも殺菌効果等による抗炎症作用が期待出来る一方で、肌に対しては刺激の比較的少ない成分である

コロイダルオートミール(βグルカン)は保湿力に優れるものの免疫力の強化による恩恵は外用では余り感じられなかった
ヒノキチオールも今一効果が弱く肌症状の変化は感じられない
カレンデュラオイル配合の軟膏は炎症の抑制効果を若干だが得ることが出来た
鳩麦エキスは元々刺激の無い美白成分として化粧品に広く利用されているが、結果としてこれが最も効果を実感出来た

はと麦エキスには痒みや炎症を抑制する効果や皮膚の新陳代謝を促進する作用があり、実際自身でもステロイド程ではないがデメリットの無い形で痒みの減少や炎症の抑制を実感出来た(薬用成分以外の外用剤に痒みの抑制効果を感じたのはこれが初めてであった)
また鳩麦は所謂ヨクイニンという皮膚症状に有効とされる漢方生薬である脱穀後の種子よりも、ハトムギCRD(全粒熱水抽出)エキスの方がより内服による効果が高いとされる(種子よりも渋皮や薄皮という所謂「糠」の部分にこそ抗ウィルス・抗腫瘍成分が多く、種子部の約10倍〜20倍の濃度で成分が含まれている)

ハトムギCRDエキスの半年から一年程度の内服によりアトピー性皮膚炎の症状が沈静化したという近年の研究結果もあり、症例数こそ少ないものの長期の実証にて効果が確認されているため多分に期待が出来る

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/17/1/17_55/_pdf

ハトムギCRDエキス製品自体は然程安くは無いが前に紹介したアバンドや医薬品に比べれば充分に安価であり、効果が明確に期待出来る上副作用の心配もほぼ無いサプリメントとしては充分にリーズナブルな製品であると思われる(月に約一万前後)
製品としては具体的にエリティスやコイックスが挙げられる

今後は暫くこの鳩麦を中心に外用や内服の効果を検証し、情報も更に集めて行きたい
また今回検証出来なかったカミツレ(カモミール)もある程度炎症や痒みに効果が有るそうなのでそちらも試してみたい

…元来植物の種子を細菌やウィルスによる病害や昆虫による食害から守るための成分が、人間によって健康の維持に役立てられていると思うと何やら感慨深いものがある。

・追記:脂溶性ビタミンC誘導体も外用剤として有効か?

 脂溶性ビタミンC誘導体とマグネシウムクリームも試すべきかも知れない。ただマグネシウムクリームに関しては、患部に塗るというよりも体表の経皮吸収率の良い部位(顎周りから首にかけて等)に塗って体内への吸収を促すという使い方になるため若干用途が異なる。


・再追記
アトピーにはタール剤が有効か。アトピー性皮膚炎治癒の温泉として有名な豊富温泉にもタール成分が含まれるとの事(いわゆるゲッカーマン療法に近い)。ちなみに豊富温泉の原油成分は0.1〜0.5%程度であり、木酢液のタール含有濃度と同程度である。
 ただ実際の豊富温泉では湯の上部に油の膜が張っており入浴者もそれを肌に塗り付けたりするそうなので、重症者に対してはもっと高濃度でないと効果が無い可能性は高いか。

 現状タール剤軟膏は国内では市販されていないが、グリテール含有のステロイド薬であるグリメサゾン軟膏は購入出来る様である(グリテール0.2%含有)。グリテールよりもモクタール・イクタモールの方が匂いも弱く、消炎作用もステロイド並みに強いとの事なので残念である。
 タール系外用剤販売中止の経緯についても例の如く製薬会社の利害関係から発癌性の問題まで色々有る様である。ただ豊富温泉のコールタール成分が問題無くアトピーの特に重症者に効果を発揮しているのを見るに低濃度のタール剤に大した害は無く、むしろ少ないリスクを補って余りある程のメリットが得られるものと思われる(繰り返しになるが豊富温泉の原油成分はたったの0.5%程度である)。デメリットが有るとすればタール剤による頑固な衣服の汚れと匂いだろうか。
 …そもそも木タールを蒸留して得られる木クレオソートを含有する内服薬である正露丸が問題無いならば、外用低濃度タール剤など害は無いに等しいだろう。
 皮膚癌の発症例も高濃度のタールを繰り返し皮膚に塗布した場合が殆どであり、1〜10%程度の低濃度・低温の木タールならばまず問題は無い(5%以下が外用剤として安全との話も有る)。

 グリテール軟膏やモクタール軟膏を得るには処方を受けられる病院を探すのが最も得策かと思われる。イクタモール軟膏は海外通販等でも一応購入は出来るが、皮膚障害の話も有りなんとも言えない。
 …今考えてみると竹酢液・木酢液がアトピーに効くとの話も、フェノール類による殺菌・痒み軽減作用だけでなく蒸留し切れなかったタールが肌に作用したものと思われる(豊富に含まれるミネラルも肌に良い様である)。


 ちなみにフィンランドではサウナと並んで木タール(ヨーロッパアカマツから作られるパインタール)が万能薬とされ伝統的な健康維持の手段として重宝されていたらしい。日本でも林業再生も兼ねて木タールや木酢液などの生産も更に行うと良いだろう。ただ正露丸の独特な匂いを知っている身からすると、香料として使うのはどうなのかと思ってしまうところではある。
 アトピー性皮膚炎患者は東南アジアだけでなくフィンランドに行ってみるのも良いだろう(近場の石油成分入り温泉やモール泉でも良いが)。サウナブームに乗ってパインタールも流行ると、アトピーやアレルギーの治療に大いに役立つだろう。

 日本でもパインタールやジュニパータールの石鹸は手に入るのでそれらを利用するのも一つの手である。日本ではそこまで馴染みが無いが海外では乾癬や皮膚炎に効く石鹸として割と有名な様である。


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