敵か味方か

 以前「世界を目指すとは」という記事を書いたけれど、それに少し関連した話になる。

 ネットサーフィンをしていたら、「彼らなら天下を取ってくれる」という言葉を見つけた。「天下を取ってくれる」とはどういう事だろう。
 自分で天下を取りたいとは思わないのだろうか。
 或いは、自分若しくは自分の憧れや好意の対象には出来ないから"彼ら"に天下を取って欲しい、ということだろうか。

 もしそうなのだとすれば。自分と自分が憧れている対象とを混同していないか。
 
 たった一行の短いコメントだったけれど、ちょっと「?」と思った。
 
 あと、SNSをみると自分が好きなグループ以外のボーイズグループ(もしくはアーティスト)は皆敵と思っているファンもいるようで、正直恐かった。
 
 みんなトップを目指しているかも知れないけど、敵じゃないよ。
 お互いに切磋琢磨する仲間でライバルだよ。
 正しいことは一つじゃないよ。

 
 私も物事を極端に考えてしまいがちで、自分と異なる意見の人を受け入れられない時があったりするけれど、敵か味方か、白か黒かの二元論は恐ろしい。
 あっという間に分断が広がってしまう。
 上記のような投稿を読んで、ちょっと他人事とは思えなくて恐くなったので自戒の意味を込めて書いた。
 
 ネガティブ・ケイパビリティという言葉がある。
 端的に説明すると、「分からないものは分からないまま、曖昧なまま受け入れる」というような意味になる。
 性急に答えを、しかも正解だけを求めがちな世の中だけど無理に答えを出さないようにしたいと思う。
 そもそも答えがないものもあるかも知れないのだから。

 なお、上記のネガティブ・ケイパビリティについては谷川嘉浩さんの『スマホ時代の哲学~失われた孤独をめぐる冒険』という本を参考にしました。
 興味のある方は是非手に取ってみて下さいね。 


 望月 香夜

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