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海外のインター選びは何を参考に選べばいいのか?

東南アジアに来てから1年以上が経過するが、インター校選びは本当に難しい。結論から述べると、最初に入るインター校は重要であったし、少しでも違和感を感じたらすぐに転校する事をオススメする

インターナショナルスクールは、多くの生徒が駐在員の家庭で構成されているため、頻繁に生徒の出入りが発生する。息子の学校は1クラス18人程度なのだが、年間平均2、3人は出たり入ったりする。だからこそ、転校をする事へのハードルが低いし、違和感を感じた場合はすぐに転校しても良いと思う。

我が家もそうであったが、引っ越しと共に選ぶ初めてのインター校選びは情報が限られている。その数少ない情報の中でどうにか選んだ学校は、入学するまでは理想の学校に見える。学校公式のウェブサイトを何度も眺め、SNSで発信される情報を逐一チェックし、ああなんて素敵な学校なんだ、素晴らしい学校生活になるに違いない、と期待で胸を膨らませていた。

しかし、どんな素晴らしい学校を選択したと思っても、入学してみると必ず想定と違う要素を目の当たりにする必ずだ。広報全般に言えることだが、学校のSNSアカウントもWebサイトも、良いところしか写っていない上、そもそも「学校の対応」「生徒の雰囲気」等の映らない要素は、通ってみてからでないとわからない。

何を隠そう、我が家も最初の学校への入学から半年と待たずに、すぐに転校したのだ。子どもとしては、異国の地に慣れ、友達との関係も構築したタイミングでの転校になるため、本当に気の毒であった。しかし可哀想だからと言ってズルズルと在籍していても、問題が解決されない限りは違和感ばかりが大きくなり、モヤモヤとした日々を過ごす事になる

では、インター校選びの際には何を見たら良いのか、何をアテにすれば良いのか、という点に関しては私なりにいくつかポイントを発見したので、シェアしたいと思う。

国籍比率が気になるならSNSで引きの画像を探せ

多くのインター校において、いかに多くの欧米系の生徒がいるか、という点が人気に繋がりがちだ。なぜなら、母国語が英語の人間が多いほど、平均的な英語レベルは引き上げられるからである。よって、学校公式SNSにはよく欧米系の生徒が登場する。そういったセレクトされた写真を見て「ああ、多種多様だわぁ」と感じるのは非常に危険である。そんな時にぜひお勧めしたいのは、SNS等の画像の背景をじっくり観察することである。集合写真であったり、背景に何気なく写り込んでいる子らに注目すると、学校本来の人種比率が見えてくる。学校としては「何を見せたくて何を見せたくないのか」という点を意識しながら観察すると、わかる事もある。

もちろん、アジア人を人種を写真だけで見分ける事は不可能だし、参考程度にしかならないのは承知だが、せっかく海外に来てまで日本人だらけのクラスじゃん・・・という事にならないよう警戒したいのは皆一緒であろう。

SNSの口コミは良くも悪くも当てにならない

学校選びの際にもう一つ参考にしがちなのが、SNSの口コミである。だが、学校側としても口コミ対策には色々と手を打っている場合が多い。星5つで評価をすることに生徒や保護者にインセンティブを与えたり、極端な場合は専用業者に頼んで評価を底上げをしている可能性もある。

では悪い口コミならある程度信憑性があるのでは!?と思いたい所だが、これもまたそうとは言えない。悪い口コミを書く人間は、学校に何らかの理由により負の感情を抱いている人間であると推測されるが、それは必ずしも在校生や保護者によるものではない。入学試験に落とされた人間、電話しただけの人間、中には、近所の人間による苦情なんかもある。また、明らかに落ち度が生徒や保護者側にあるような事案でも、まるで原因が全て学校にあるかのように書く人間はどこにでも、いる。確実に言えることは、学校に満足していて平穏な日常を送っている人間ほど、口コミに投稿などしないということだ。つまり、よくも悪くも当てにならないのだ

どんなインター校にも欠点はあるが、人によって何が許容範囲かは本当に千差万別なのだ。怒りの「星1つ」で評価した人間にとって許し難かったポイントは、自分にとってはさほど気にならないポイントだったりする。あえて口コミを参考にするとしたら、総合評価の星の数字は見ずに、口コミの内容を「誰が言っているのか」「何についての口コミなのか」に注意して読むと参考になる事はある。「電話対応は塩対応だけれど、卒業生による評価は高い」「中学校の評判は悪いけど、小学校の評判は良い」など、冷静に分析を重ねよう。

自分の経験を話すと、1校目は口コミがとても良かったが、いざ入学すると個人的に気になる点が多々あった。逆に、2校目は口コミがあまり良くなかったのだが、いざ入学してみるとなかなか良い学校であると感じている。2校目は、受験する人間が多い割には入学許可が降りるのが少なめな事もあり、合否判定が遅いだの、入学プロセスが不透明だだの、入学以前の部分での低評価が目立っていた。逆に言うと授業内容については悪口がないという点が自分的には好印象であったし、Open Dayでも納得できる内容だった。

立ち話で聞く他校の「評判」は全くアテにならない

SNS上の評価が当てにならないならば、人づてに聞く学校の評判なら信じられるのでは!?と思うかもしれないが、それこそ全く当てにならない。様々な人間と他校トークをしてきたが、自分が在籍している学校の悪口はあまり他校の人間には話さないし、逆に自分と関係がない他校の悪評は話題にしやすいのだ。なぜ他校の悪評ばかりが話題に上るかというと、他校の悪評を話した所でその場にいる誰も傷つかないからだ。話題として最もセーフゾーンであり、かつ引きがあり、何ならお互い「今の学校でよかったねぇ」と思える安心安全な話題なのだ。

学校の悪評は広がり易いことに加え、人から人へ伝わる過程でどんどん尾ヒレがついていくのは世の常である。⚪︎⚪︎インターに言ってる知り合いの話なんだけど」という類の情報は全く当てにならないと思っておこう。間に一人介すだけで、情報の信用度は劇的に落ちる。

「良いところ」「悪いところ」を話してくれる在籍者の話は信用ができる

逆に、学校に在籍している人間、もしくは過去に在籍していた人間が話してくれる学校の評判は非常に参考になる。ぜひ知り合いがいるのであれば色々と聞いてみよう。しかしここで注意したいのが、「悪評ばかり話してくる場合」である。十中八九、学校と何らかのトラブルがあり転校を決断した人間なので、評価が偏っている場合がある。

最も信頼できるのは「ここはいいけど、こういうイマイチな所もあるよ」とフェアに話をしてくれる人間の話である。どんな学校も、いい所もあれば悪い所もある。その悪い所が自分の価値観と全く合わないのであれば避けるべきであるが、「許せない」のラインは人それぞれである。

Open Dayで感じ取れる事は多い。2校以上の見学がオススメ。

なんだかんだで、最も信頼できるのは己の五感である。よって、一般向けにキャンパスが解放されるOpen Dayはやはり重要である。もちろん、Open Dayでは学校としても良い所を見てもらいたいので、普段よりも盛って見せている可能性が高い。しかしそれでも自分の五感で感じ取れる事は多く、学校の雰囲気、生徒の雰囲気、勉強に対する考え方、トラブルへの対処方法などを感じとったり質問したりしながら、何となく子どもに合うか合わないかは不思議とわかるものだ。

ここでオススメしたいのが、ぜひ2校以上を見学してみる事だ

・・・わかる。面倒臭い。正直、本当に面倒臭いのはわかる。しかしそこはグッとこらえ、ぜひ1校だけでなく2校以上を見学して比べてみてほしい。1校だけだと「ここでいいか」と思いがちだが、2校を見学することにより、自分でも気づいていなかった「判断基準」と言うものが明確になる。また、1校目で当たり前に叶えられていた事が、2校目では見られず、1校目の有り難さを実感したりもする(ESLプログラムのシステムなど)。何よりも、入学後には自分なりに「ベストを選んだ」という納得感があるので、飛び石のように転校を繰り返すような事はしなくてよくなる。

Year Bookは見ておこう

上記のOpen Dayの際にできればチェックしておきたいものがある。それはYearbookである。指定された時間よりも早く到着すると、他の参加者が揃うまで事務所のような所で待たされる事が多い。そこには近年のyearbookが閲覧用に置かれている事が多いのだ。もし閲覧できる状況が来たら、子供の学年をすかさずチェックすると良い。何クラスあるのか、定員に達しているのか、名前をみて、日本人らしき子が何人いるのか、など目を光らせてチェックしよう。

正直、いくら学校に日本人が多かったとしても、同じクラスに何人もいなければ、支障ないと思っている。複数クラスが存在していれば大丈夫だし、上下の学年に日本人が多くても、自分の学年には一人もいない、といった事例もよくある。

おわりに

以上、海外でインター校を選ぶ際に私が参考にするようになった点であった。もちろん通っている人間に話を聞けるのが最も確実だが、そうでない場合は上記の点を参考にしていただきたい。

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