すぎやまこういちさんが僕にくれたもの

ゲーム音楽のパイオニア、すぎやまこういちさんが亡くなられました。
享年90歳でした。

堀井雄二さん、鳥山明先生、そしてすぎやまこういちさんは、
僕の不登校ライフを支えてくれた大恩人です。

ドラクエの原案、シナリオを作ったのが堀井雄二さん。
キャラクターデザイン、作画を担当したのが「ドラゴンボール」の鳥山明先生。
そして有名なOP曲「序曲」を始めゲームBGMの作曲を担当したのが、
すぎやまこういちさんでした。

僕の中学生活約2年間における不登校期間は、
ウイニングイレブン、通称ウイイレと、
ドラゴンクエスト、これまた通称ドラクエ、
この２つのゲームの中に逃げ込むことで、
なんとか支えられていました。

死にたいと強く願った日々の中で僕を救ってくれたものの一つが、この二つのゲームだったのです。

特にドラクエは、「天空シリーズ」にどハマりし、
シリーズ5作目の「天空の花嫁」は何時間プレイしたかわかりません。
カジノの景品を全種類制覇するまですごろくをやり続けたのを覚えています。

そんな大好きなドラクエに命を吹き込み、ワクワクが止まらない世界観を彩ってくれたのが、すぎやまさんの音楽でした。

すぎやまさんは、東大出身ですが、元々は音楽をやりたくて音大に行きたかったそうです。
しかし、ピアノが弾けなかったことや、家が裕福でなかったことから、
嫌々東大に入ったそうです。
渋々東大に入った人なんて聞いたことがありません。。。

そして、作曲も誰に習ったわけでもなく、ほぼ独学で学んだそうです。

そんなただものでは無いすぎやまさんですが、
作曲だけでなく、ゲームは実際にプレイしていたらしく、
ドラクエも新作が出るたびに熱中していたそうです。

そんな天才の顔とチャーミングな一面を併せ持っていたすぎやまさんですが、
僕がその存在を知ったときには既に立派なおじいちゃんでした。

それでも指揮棒をふり続ける姿は凛々しく、輝いていました。
近年こそ直接指揮を執ることは無くなりましたが、
ドラクエコンサートには度々登壇されていたようで、
いつかコンサートに行ってその姿を拝見したいと思っていた矢先の訃報でした。

僕個人の話としては、つい先日、
ドラクエ35周年を記念して販売された、Tシャツブランド「graniph」とのコラボTシャツを購入しました。

そしてまさに昨日、御相方様にも「すぎやまさんっていうスーパーなおじいちゃんがいるんだよ」という話をしたばかりです。

とてもすぐには信じられない話でしたが、
すぎやまさんの遺してくれた音楽は、僕たちの心とゲームソフトの中に、
永遠に生き続けていきます。
すぎやまさん、どうかそちらでも、ワクワクする冒険を繰り広げてください。

小野トロ