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最近読んだ本の話 vol.5

 今週も「最近読んだ本の話」を書いてみたいと思います。第5弾です。こんなに続けられて嬉しいです。

1、宮内 悠介『黄色い夜』

東アフリカの大国エチオピアとの国境付近。ルイこと龍一は、そこで知り合ったイタリア人の男・ピアッサとE国へ潜入した。バベルの塔を思わせる巨大な螺旋状の塔内に存在する無数のカジノが、その国の観光資源だった。そこは、砂漠のなかに屹立するギャンブラーたちの魔窟。上階へ行くほど賭け金は上がり、最上階では国王自らがディーラーとなり、国家予算規模の賭け金で勝てば、E国は自分のものになるという……。奪われたものを取り戻すために、そして、この国を乗っ取るために、巨大なカジノ・タワーの最上階を目指せ! 注目の作家が放つ、最新ギャンブラーズ小説。  -Amazonより引用-

 宮内 悠介さんの小説を読んでみたかったのですが、今回初めて読みました。主人公のルイは冷たいような、そんなこともないような、コミュニケーションの取り方が変わっていて掴みどころがないんだけど、そういう人格を書くのって難しそうで、こういうキャラクターを主人公にするのはすごいな、と思いました。語りすぎない洗練された文章でカッコいいです。


2、織守 きょうや『黒野葉月は鳥籠で眠らない』

15歳の少女にわいせつな行為をさせたとして21歳の元家庭教師が逮捕された。被疑者の大学生は何かを諦めたように本心を話さない。頭を抱える新米弁護士の前に現れた黒野葉月――被害者の高校生は、やがて途轍もない行動を起こす。予測不能の事件の行方。法の奥深くへ分け入り、新米弁護士木村と先輩高塚のコンビが知る、四つの秘密。実力派新人が放つ、鮮烈な読後感の表題作を含む連作リーガル・ミステリ!       -Amazonより引用-

 織守 きょうやさんのこの本を読んでみたくて、今回読めました。4篇から1冊になっています。1つ目の作品が『黒野葉月は鳥籠で眠らない』です。黒野葉月ちゃんはすごいです。もしものすごく好きな人がいて、でも自分から行動できない時にこの物語を読むと勇気が出そうです。4篇とも強い愛情から発した驚くべき行動が描かれています。


3、深水 黎一郎『詩人の恋』

「お宅の旦那はあの歌曲集の中で一つ、やってはいけないことをした」。シューマンの妻・クララのもとにある日偽名による脅迫状が届く。シューマンの作品の評価を貶める決定的な証拠を入手したというのだ。夫婦の友人・ブラームスは、ハイネの詩をもとに創られた連作歌曲集「詩人の恋」にこめられた謎を追い、ベルリンに向かうが……。一方、180年の時を経た現代では、恋に悩む高校生、大学生指揮者、ベルリンを訪れた大学教員が「詩人の恋」をめぐって不可解な出来事に遭遇していた……。    -Amazonより引用-

 深水 黎一郎さんのことは存じ上げず、面白そうな本だな、と思い手に取りました。物語は1856年デュッセルドルフのシューマン家から始まります。第三部ではいきなり恋に悩む日本の男子高校生の物語、第五部は大学の合唱サークルの物語です。「え⁈どういうこと?」と思いながら一気に読み終えました。構成が変わっていて、登場人物たちの会話も楽しくて、とても面白かったです。深水さんの他の本も読んでみたくなりました。


 今回も3冊ご紹介できました。このnoteを書くのが楽しみで、本を読むスピードが少し上がってきました。今日も読みます。最後までお読みくださってありがとうございました。






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