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最近読んだ本の話 vol.25

 「最近読んだ本の話」の第25弾です。7月になりました。まだ梅雨は開けていませんがもう夏ですね!今年の夏もあんまり出かけられないかもしれなくて、本を読む時間はありそうです。今週も最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、クラリッセ・リスペクトル『星の時』

地方からリオのスラム街にやってきた、コーラとホットドッグが好きな天涯孤独のタイピストは、自分が不幸であることを知らなかった−−。「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」による、ある女への大いなる祈りの物語。
23言語で翻訳、世界的再評価の進む20世紀の巨匠が生んだ奇跡の文学。
「20世紀のもっとも謎めいた作家のひとり」(オルハン・パムク)
「カフカやジョイスと同じ正殿に属する」(エドマンド・ホワイト)
「オブライエン、ボルヘス、ペソアと並ぶ20世紀の隠れた天才」(コルム・トビーン)
「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」(ウォール・ストリート・ジャーナル)荒野からやってきた北東部の女・マカベーアの人生を語る、作家のロドリーゴ・S・M。リオのスラム街でタイピストとして暮らし、映画スターに憧れ、コカコーラとホットドッグが好きで、「不幸であることを知らない」ひとりの女の物語は、栄光の瞬間へと導かれてゆく−−。             -Amazonより引用-

 物語の主人公の日常の暮らしや起こったできごとの描写と、語り手の考えていることの描写が入り混じっているという、不思議な構造の小説です。こういう形態の小説は初めて読みました。謎めいていて、語り手は何者なのか最後までわかりません。最後はそんな!と思うような結末が…。


2、ソフィ・カル『本当の話』

放浪の旅を終えたソフィは、ある日偶然であった男がヴェネツィアへ旅立ったことを知り、変装して追跡を始める。アイデンティティにつきまとう謎を追い続ける作家カルの新しい「物語」3編と、ボードリヤールのカル論を収録。                                -Amazonより引用-

 先週「最近読んだ本の話」vol.24でご紹介した『赤いモレスキンの女』の中で、主人公がソフィ・カルの写真集を持っていて、すごく気になったので探して読んでみました。
 ソフィ・カルは、知り合いではない人を追いかけてヴェネツィアまで行き、いつ会えるのかわからないその人を探して写真を撮ります。泊まっているホテルを探し出すのに大変な労力をかけて、いつ出てくるのかわからない人をずっと待ち続ける。知り合いの知り合いなども頼って、なぜかみんな快く協力してくれたりする。この人のこの情熱はどこから生まれてくるんだろう?自分が同じことをするのは怖いです。気づかれて怒られそう。ハラハラドキドキしながらソフィ・カルの追跡を追っていて、いつの間にか私も巻き込まれているみたいでした。写真もいいけど文章もいい。臨場感と緊迫感がすごく伝わってきます。


3、若松 英輔『読書のちから』

「よき書物」と出会う―恩師・井上洋治、遠藤周作、須賀敦子、神谷美恵子、池田晶子、柳宗悦…著者自身の「危機」を救ってきた言葉を紹介し、「確かに生きる」ヒントを探る。知識ではなく、人生の手応えを与えてくれる「生涯の一冊」に出会うための方法も記す、読書をめぐるエッセイ集。 
             -Amazonより引用- 

 読書のことについて書かれた本は気になって思わず手に取ってしまいます。面白そうだな、と思って読みました。著者が救われた言葉などが具体的に引用されていて、大切なことを教えてもらっている、と感じる本です。  


 今週も書くことができました。よかった。読んでいる途中でこのnoteを書いた方がいいのか、読み終わってすぐに書いた方がいいのか、読み終わって少したってから書いた方がいいのか模索中です。もう書いたと思っていたら書いていなくて、その本がもう手元にない時はどうしよう!と焦ります。記憶に頼って書くしかないんやけど…。今回も最後までお読みくださってありがとうございました。

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