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佐野さん批判からみる、ネット民の心の声

オリンピックロゴが決まりましたね〜。僕も採用された案が一番だと思っていたのに事前に言っていなかった事に後悔...笑


僕は佐野さん擁護派

擁護したいのが目的じゃなくて、なんでこんなにも批判が集まってしまったのか、を考察したいなと思いました。

僕も遠く及びませんがグラフィックデザイナーなので、当然佐野さん擁護派です。
デザインってのはアートとは全く別物なので、作品における自由度って極めて低いんです。限られた条件の中で、クライアントとターゲットとなる人の要望を汲みとって、それをデザインという基本ルールにのっとって創りあげるので、似てきて当然です。音楽でも似たようなこと、よくありますよね。1フレーズが激似してる曲、あります。僕は音楽のことはわからないけど、それも同じようなことなんだろうなって思います。カノンコードとか、人間が普遍的に美しさを感じる表現って存在するわけで、それってもうある程度飽和してるわけじゃないですか。
だから、デザインを少しでもかじっていれば、佐野さんの創ったものはインスピレーションを受けたものがあっただけで、決して盗用には値しないってすぐに理解できるほど、似ていません。

インスピレーションを受けたものがあることがそんなに悪いことなのか。完全なるオリジナルでなきゃ作品と呼べないのか。
フランスパンはフランスからやってきたんですよね、んで、それに日本の明太子塗ってみたらうまかった、だから発売した、それでフランス人怒るの?って感じです。だから美術館のロゴデザインしたデザイナー?ほんと恥ずかしいと思います。委員会も強気に出て欲しかった。何言うてんねん、お前んとこの国のデザインレベルはそんなもんかい、とね、、。

その後出てきたものはね、あールール違反してるなーって感じしましたけど、まあ、メディア叩きすぎですね。ネット民も。僕らは著作権とかのルールは遵守しますけど、起こりえる範疇ですよ。いけないことだけど、ピアスあけるくらいの校則やぶったくらいで袋叩きにしちゃだめですよ。
頑張って情熱持って仕事してきたほんとに実力あるデザイナーを一人失ったんですよ、悔しいです。


一方でネット民が叩く理由もわかる

佐藤可士和さん(ユニクロのロゴとかの)って偉大なデザイナーがいるわけですけど、可士和さんのドキュメンタリーとか見てると、とにかくコミュニケーション、プレゼンテーション能力に長けているなって思うんですよね。それであの人はのし上がって成功してる。もちろんデザインの技術面もイケてるし必然性も感じます。でも技術面だけで言えば、可士和さん以上のデザイナーってたくさんいるんだろうなって思うんです。

例えば可士和さんの手掛けたGUのロゴ。これにすごい批判があつまりました。
書体(フォント)にもタイポグラファーとか、カリグラファーっていうプロがいて、そのプロから見たらデザイン的ルール違反がたくさん見受けられるそうです。でも結局そんなのネットのちょっとした炎上にしかならなくて、ほとんどの一般の人には関係ない話。GUの社長はそれでゴーを出したわけで、そのロゴでどんどん展開されていきました。可士和さんが勝者なわけです。

僕はこれに関しては中立で、デザイナーも商売なんだからプレゼンテーション能力磨けよって思う反面、それが苦手だからデザインを極めよう、職人になろうと頑張って、ものすごいもの生み出してる、だけど世の中に認知されないって人もいると思うんです。その職人たちが技術面では可士和さんより秀でているのに、正当な評価を受けられないのはやっぱりおかしい。

話は少し変わって、僕はニコニコ動画が大好きです。ここにはネットで本当に実力のある人が集まってるって思います。緻密な職人芸が集結してます。感性磨かれます。
テレビとかで大活躍しているミュージシャンもそれはそれで凄いですし、そういうのも聞きますけど、それってエンターテインメントであって、アートじゃないって感じるものが多いなって思うんです。

歌を聞いて涙するとか簡単に言いたくないんですけど、ほんと無名だけどそういう人たくさんいるんですよね、、。耳が幸せって音とか、テレビじゃ規制かかるだろうな、でもこういう闇って存在していて向き合わないとだめだよなって感じさせる歌詞とか。でもテレビってなると容姿とか、社会人としてどうかみたいなものが評価基準になるじゃないですか。ニコ動の評価基準は職人としての実力だけだから、実力あるけど対面が苦手、でもネットなら伝えられる、だからうまく表現できるって正の連鎖が起こって、こっからメジャーデビューしたり、可能性が広まっていっています。それってまだまだ敬遠されてるけどネットの魅力だと捉えるべきだと思うんです。やっぱりテレビに出てるやつが凄いんだろーって感じなのが僕はもどかしい。

だから何が言いたいかというと、頑張ってて実力もあるけど、それがなぜ優れているのかうまくプロモーションできなくて正当な評価を受けられない人のもどかしさみたいなものが、佐野さん潰しにいったんじゃないかって事です。
真面目にやってるやつが評価される世の中じゃなきゃだめだろーって。
メディアはそれに乗っかって視聴率稼いだわけですよね。本当にそこに正義があったのか問いたいわ。。

だからその努力が正当に評価される何かを僕はデザインで実現できるんじゃないかなって考えてたりします。
そして嫉むひまがあったら、自分の持ち場に注力しようぜーって思います。

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