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伊賀の展覧会で見られる芭蕉真筆の短冊!

現在、伊賀市の芭蕉翁記念館では、
【芭蕉翁生誕380年記念 俳句が先か、絵が先か】展が開催されています。
会期は1月6日から3月10日まで、会期中の休館日はありません。
(共催するミュージアム青山讃頌舎(あおやまうたのいえ)は1月13日~2月18日、火曜休館)

詳細は伊賀市サイト

会期中に展示替えが行われますが、
まず1月6日~2月1日までは、芭蕉翁記念館で
芭蕉筆「木のもとに」発句短冊が公開されます。今回はこの句をご紹介します。

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〈木のもとに汁もなますも桜哉〉 このもとにしるもなますもさくらかな
(桜の木の下で、花見で並べられた料理の汁物にもなますにも花びらが散り落ちていて、すべてが桜に満ちている)
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「なます」は、魚介や野菜を細かく切って、酢や酢味噌・いり酒などで和えた料理。
この句は、元禄3年(1690)3月、伊賀上野で行われた俳諧の連歌(連句。複数の人が長句(575)と短句(77)を交互に詠み連ねるもの)の発句(立句。最初の句)として詠まれたものです。芭蕉自身も、晩年にめざした「かるみ」を詠み得たものとして、この句の出来に満足していたようです。そのため、この句は「かるみ」の句として有名です。
「かるみ」という理念は難しいですが、この句の場合、わかりやすい言葉を用いて心の弾み方と表現のリズムを一致させることができている、ということかと思います。

(句の表記は、今回芭蕉翁記念館で展示される、伊賀市所蔵の短冊の表記を採用しています)

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