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ほとんど意識を夜にフォーカスしていた

「夢見月の夜想曲-Nocturne on the night of March」
今回の個展のメインビジュアルのタイトルです。

明日4/23は東京個展の初日なので、この絵の解説をしたいと思います。

2021東京個展DM絵元絵-1

ブチハイエナ、オオカミ、カメリア、ミノカサゴ、ハクモクレン、クジャクの羽根、フジの鞘、ズワイガニの爪、ダンゴムシ、ユリ。
10種の生き物たちを描いています。

春の夜と朝のあいだを想いながら描かれた絵です。
晴れた春の明け方の、すっきりと寒くて澄明なのにすこしぼんやり暗い空気感をイメージしています。
鮮やかながらトーンを落とした色構成ははその辺りを意識して制作しました。

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この絵の6割はショパンのノクターンで出来ています。

特に第3番が好きでよくBGMにしているのですが、今回は特に作品に落とし込む為に、四六時中曲の中にいるのではというくらい長く長く聴いていました。
残りの3割は春の夜と朝のあいだの時間、残り1割は私の焦りで出来ています。
焦りと書きましたが(この絵の制作中私生活が多忙だった事もありますが)消してマイナスな意味ではなく、春特有の忙しなさと新しいもの(年度)への期待など、そういった春という季節の一部としてのものです。
コロナ禍が長引くなか、春という事象が持つ前向きな豊かさは特に今回の個展のメインテーマに盛り込みたい要素でした。

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実は描いている最中は自分が何を描いているのかぼんやりと定まっていなかったのですが、徹夜で描き終わってそのまま散歩に出かけ、夜露を纏ったあえかな桜のにおいを嗅いだときに、私は無意識に春の夜と朝のあいだを描いていたんだと気付きました。

暗いニュースばかりな毎日で、人々はせめてと努めて明るくあろうとする。その一種奇妙に切迫した陽気さというか明るさに長く晒されて-私自身も柄にもなく努めてそうあろうとして-私は疲れていたのでしょう。
暗くはない、でもはっきりと明るくもない、そういう時間に浸る事が必要でした。
その為に無意識に物理的な明るさと心理的な明るさを感じる心の部分をリンクさせて制作を進めていたようでした。

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ほとんど意識を夜にフォーカスしていた

曙光の見えたばかりの明けきらない空のした、ほとんど意識を夜にフォーカスしている。そういった”明るさ”にいる時しか安らげない時がある。
この絵が、誰かにとってのそういうやわらかな春や夜になると良いなと思います。

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Twitterの方で動画でもご紹介していますので、併せてご覧ください。

余談ですが、実は今までハイエナの作品はつくっていなかったので、今回描けて良かったです。
印刷に出ない色を多用した絵なので印刷物であるDMとはまた雰囲気が違って見えると思います。
併せて制作したトートバッグと包装紙(念願のタブロ紙!)は敢えて線画(モノクロ版)で制作しました。
是非、原画との雰囲気の差も見比べてみてください。

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ちなみに額装時の全体はこんな感じ。
以下、東京個展についての詳細情報です。

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【🚩東京個展 #madeblue展 4🚩】

2021.4.23(金)~5.5(水)
HOW HOUSE WEST gallery-B
(東京都台東区谷中3-4-7)

4度目の個展は初の東京での開催です。

4/23~25、5/1~2の5日間はリモートで在廊予定です。
原画オーダー(今回の個展での限定オーダー有)、リモート在廊等についての詳細情報は↓に随時追記していきます✍️
https://mineyuki.blue/blog-soloexhibition-2021-tokyo/

(当初は直接在廊の予定でしたが、非常に残念ではありますがコロナにより、この度の個展開催での在廊は見送り、リモートでの在廊というかたちにさせていただく事となりました)

新作も沢山お届けしています!(過去の出展と比べて最大級!)
随時Twitterやインスタ、サイトの方に載せていきます。

コロナの事もありますので、ご無理のない範囲で遊びに来ていただけると嬉しいです!
よろしくお願いいたします...!

2021東京個展DM写真

2021東京個展DM-omote

2021東京個展DM-ura





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