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雑記

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短歌ができるまで

自分の短歌の作りかたを考えてみました。
今回、サークルで出した
【キハ40梅雨前線くぐり抜け無人の駅にあふれるみどり】
の推敲メモを元に解説してみます。

ざっくり、
1.詠みたいテーマのメモをつくる
2.そのテーマの周辺を描写してみる
(同時に「短歌っぽい」言葉にしてみる)
3.使えそうなフレーズ(5文字や7文字)を出す
4.仮組み立て
5.【3】で出したフレーズと入れ替えたりして整える

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なーにが「ゆるふわ文体」だ。

なーにが「ゆるふわ文体」だ。

twitterを見ていたら、「ゆるふわ文体」という存在を知った。「漢字で書ける所を、あえて平仮名を多用し、純朴さを表現する」なるほど。

ふーん…(身に覚えしかない)

ちょ、ちょっと待って欲しい。

例えば今「あえて」と書いたが、それは「敢えて」と書くべきということだろうか?「なるほど」は「成程」なのか!!?????

そもそも、平仮名で書くことで純朴さを表現しようとしていたのか?>私

普段短

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今年の短歌、今年のうちに。

今年の短歌、今年のうちに。

サークル(短歌詠みましょ)で8月末から詠んできたものを、連作としてまとめてみました。

小心者、火を焚く。

小心者、火を焚く。

少し前にキャンプへ行った。
キャンプ場というよりは川沿いの自然公園的なところで、汲み取り式の便所がひとつあるだけ、水道はない、スマホの電波も入らないという、まあ、穴場というやつだ。

設営が終わると火を起こす。わたしのキャンプはとにかく焚き火である。少しずつ薪を足しながら、深夜までひたすら火を眺めた。

3時頃にようやく眠る気になったが、さて、ここで持ち前の気の小ささが出る。
熊が恐い。

※なお

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その涙と引き換えにして僕らは行ける

その涙と引き換えにして僕らは行ける

先日、とあるライブでBUMP OF CHICKENのコピーをした際、「同じドアをくぐれたら」の歌詞が不意にぶっ刺さってしまった。

思えば私は「別れ」というものが本当に本当に苦手だったように思う。大学時代、バンドを組んでいた先輩が卒業するときも、引退ライブのあとに2,3回はライブ出演を打診してしまったし、別れる恋人にも未練がましく「友達としてまたよろしく」みたいなことを言っていた。

能動的に別れ

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戦闘機をカッコイイと思えない

ひとの感性なので、文句をつけるつもりはない。むしろ、他者を矯正しようとする考え方とは正反対のものと理解している。

白い線を引いて青空を滑空する戦闘機や、重厚な装甲を纏って海原を進む軍艦。

の、どの辺りがカッコイイのか、マジでわからんのだ。

いや、確かに鮮やかな飛行技術や、キラキラ輝く機体が美しいことは理解できる。が、そもそも私がモノの造形よりも用途に惹かれるところがあるためなのか。用途を考え

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夜明け前

人とほとんど関わらない生活を送っていたら、すっかり気難しくなってしまった。

床に入ってはみるものの結局眠れず、隣家の住人が起き出してくるころ、ようやく眠りにつく。

夜中の静けさに甘えて、他人のあらを探したり、昔のことを思い出したりしているうちに、鳥の声が聞こえてきてしまうのである。

まあ、何か考えているのなら、書いて残しておくのも悪くないだろう。

こういうものが続いたためしがないので、気の

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祖母の人形

祖母の人形

80過ぎた祖母から聞いた昔話。

祖母が結婚して間もなくのころ、夜道を歩いていると、向かいから腰の曲がった老婆が歩いてきた。老婆は大きな風呂敷包みを背負って、ゆっくりゆっくり歩いてくる。祖母はそれを見てすぐに「あら、人形を売っている人だわ」と思った。そこで老婆を呼び止めて、「それ、ください」と言った。

老婆が背負っていた風呂敷包みは、やはり人形であった。祖母はガラスのケースに入った日本人形を、3

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