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学歴とはなんだ


自分が通っていた大学は、学力だけでみると、世の中の高校生の上位10%くらいに位置する人たちが入学できる大学のようです。

もちろん「総合的に」「統計的に」で、学部別、入学方式別、出身高校別、出身地域別にみると随分と変わってくるけれど。

職場で日々関わっている学生たちもそこに位置する人たち。それから、一緒に働いている人たちも、もれなく上位10%以上の大学の出身。

大学時代に出会った友達も、社会人になってから出会ったピアノ仲間なんかも、ピアノと学歴には相関があるとよく言われるが、そうなんだろうなと実感してしまうくらいにはたいてい10%以上の人たちな気がする。

どのような人を「高学歴」と指すかは色々な指標があるけれど、仮に「上位10%」が高いか低いかどちらに当てはまると思いますか?と尋ねられたら、全員が「高い」と言うだろう。

ということで、ここでは、「高学歴」と言っておく。

(自分のことを高学歴だと言うのは非常に恥ずかしいことだけれど、統計上の数字を根拠に、そういう風に定義付けて書くことにする。)


「世の中学歴じゃない」って、本当にわたしはそう思う。

おそらくだけれど、わたしの仲良くしている友達や職場の人たちも、学歴を自慢されたことなど1回もないし、誰かを見下すようなこともしない人たちだから、そう思っているはず。

学校に受かるかどうかは「ただクイズができたかどうか」で、高学歴の人がみんな立派かと尋ねられれば全力で否定したいくらいには、しょうもない友達、しょうもない学生、しょうもない先生、しょうもない自分をうんざりするくらいみているし

そもそも、学歴をはかるにあたって重要な「偏差値」は、結局需要と供給のバランスだから、入学定員を少なくして倍率を上げればあっという間に操作できるような虚構だということも、仕事をしていて色々と分かったし

就活だって、仕事だって、恋愛だって、人生だって、学歴だけを武器に無双できるわけがない。絶対にそうだ。

でも、「世の中学歴じゃない」って言う人って、だいたいみんな揃って高学歴だったりする、というのはよくある話だけれど、その通りだと思う。

色んな事を俯瞰して見えるような位置に立ってみて、初めて「あぁやっぱり学歴じゃないんだよなぁ」って実感できるだけで。

もし、世の中が学歴ではないことを、想像ではなくて実感したいんだったら、やっぱり「高学歴になることは必要だよ」と言わざるを得ないなと思う。


高校生の時、学歴がなくても幸せで楽しそうな人たちが周りにたくさんいる田舎で育ったわたしは、「学歴とかどうでもよくないか!?」という自分の気持ちと「世の中は学歴だ」という社会からの圧、それから「高学歴になった人」を讃える学校の文化に押しつぶされそうになったことがあった。

結局、学年主任の先生に泣きながら相談して、「あなたは大学で迷走しろ、今悩むな」と言われて、結果「偏差値の高い大学」を求めて受験勉強をして、入学した。

きっと、学年主任の先生に「世の中は学歴じゃないよ!大学行くのやめる?」と言われてそれに従ったとしても、今、自分の人生は楽しかったとは思うけど、だけど「世の中は学歴ではない」を実感できていなかったかもしれないという点では、なんでも自分で考えて納得したいという融通の利かない私に対して最善の言葉を下さったな、高学歴になって良かったなあと感謝している。

(もう一度言うけれど、自分のことを高学歴と呼ぶのは恥ずかしいことだと思っている。だけど今日は統計上の高学歴ということで、そういうことにしておく)


仕事で、高校生やその親の進路相談に対応するため、高校や進学フェアイベントなどに訪問することがある。

「世の中は学歴ではない」ということを前提に、偏差値で判断しないでください、大学名で判断しないでください、どういう学部で、そこにはどんな先生がいて、どんな学びを得られるのかをよく考えてください

と言うけれど

そんな説明はよそに「何でもいいけど早慶に入りたい」と大学名でしかみていない高校生なんてたくさんいて

ただ、そういう高校生を否定することもできない。

大学に進学する本質が伝わらないのは悔しいなあとは思いながら「それもありだよね」と言ってしまう自分がいる。

高学歴にならないと、見えないこと、分からないことがあるから。それはわたしも実感しているから。

うーん、学歴ってなんのためにあるのだろうか。


職場は、上位10%の人が通える大学。

でも、上位1%の人が通える大学に行きたかった人たちが、不本意で入学してくる場所でもある。

(不本意であることをあからさまに出す子もたくさんいる。どこか斜に構えた態度で「この大学はだめだ」みたいなことを言われたり)

上位1%の人が通える大学に行きたかった人たちが、仮面浪人をして去っていく場でもある。

この学生は、自分の学歴の何に、どこに、こだわりがあるのかな、と知りたくなる。

もし、それだけで人生が薔薇色に変わるのだと思っているのなら、それは否定したいかも。

学歴ってなんだ。


色々と考えてしまうなあ。

学歴って、「ただ何を学んできたか(何に詳しい人なのか)」なのに、こんなにも、人生を左右するようなテーマになること自体が変じゃないですか…?

結婚相手にも学歴を求めたりとかあるじゃないですか、わたしは全然わからないそれが😂

上位10%か5%か1%かは極めてどうでもいいと思いますが、大卒か高卒かでは、生涯年収がぐっと変わってきてしまう社会なのは事実だし、、

学歴ってなんだろうな。

ま、よく分からないけど、わたしはこういうことを考えるのが好きなので、多分この仕事が向いてるのだろうな。

今日もお疲れ様でした♩

よろしければ…