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筋トレでストレッチ?!

2024年7月に今までのトレーニング界隈の概念を覆すような研究結果を発表されました。

「筋力トレーニングでも筋肉は柔らかくなる-ストレッチングを筋トレへ応用した”筋トレッチング"」

これは今までの「筋トレのやり過ぎで、筋肉が硬くなってしまう...」という一部の理解を変えて、筋トレに新しい価値や考え方を提供する事が出来る内容だと感じます。

筋トレでストレッチになるのか?

今回の研究では、太ももの裏の筋肉「ハムストリングス(半膜様筋)」が急性的に柔軟性が向上したことが記されたとの事です。

36名の一般成人男性を12名ずつ、週2回のトレーニング群(W2)、週3回のトレーニング群(W3)、コントロール群(CON)にわけました。W2およびW3の対象者は、筋肉を大きく且つ1回あたり長時間伸ばす筋力トレーニングを10週間実施しました。CONの対象者は、介入期間を通してストレッチング・筋力トレーニングを一切行いませんでした。介入期間の前後に、超音波せん断波エラストグラフィを用いてハムストリングス各筋の硬さ(剛性率)を、MRIを用いて各筋のサイズ(筋体積)を、筋力計を用いて膝関節屈曲の最大筋力(関節トルク)を測定しました。その結果、W3において半膜様筋の硬さが慢性的に減少した一方、W2とCONではいずれの筋の硬さも慢性的に変化しませんでした。また、W2とW3では、半膜様筋のサイズと最大筋力も慢性的に増加していました。

筋力トレーニングでも筋肉は柔らかくなる-ストレッチングを筋トレへ応用した”筋トレッチング"-より

筋肉の柔軟性が向上した上に、筋肉のサイズアップと最大筋力の向上も見られたとの事!

筋力トレーニングでも筋肉は柔らかくなる-ストレッチングを筋トレへ応用した”筋トレッチング"-より

今回の研究で実施されたトレーニング種目は「ステッフレッグドデッドリフト」です。デッドリフトの派生種目で膝関節の屈曲を極力抑えて股関節屈曲を最大限出し、臀部とハムストリングスの伸張性収縮(エキセントリック収縮)を狙った種目です。

ステッフレッグドデッドリフト

伸張性収縮(エキセントリック収縮)とは?

伸張性収縮(エキセントリック収縮)とは、筋肉が力の入っている状態で引き延ばされる動作を指します。筋肉の長さが伸張し、筋肉の両端が離れるような収縮様式(動的収縮)とも呼ばれます。

私達の身体は、関節や身体への急激な負担を抑える為、無意識・自動的に「ブレーキ」を掛けながら重りを降ろしています。
この「ブレーキ」こそが伸張性筋収縮になります!

意図的にゆっくりと耐えながら重量を降ろしたり戻したりする動作も「ブレーキ」を掛けながらの動作となり、エキセントリック収縮が使われています。

筋力トレーニングではネガティブ動作と呼ばれるこの動きですが、この筋収縮の強みは短縮性筋収縮(コンセントリック収縮)よりも1.5倍以上重い重量を扱う事が可能なのでより強い負荷をかける事ができます。

このエキセントリック収縮を用いたトレーニングで筋のストレッチが促進されると考えられます。今回の研究ではハムストリングスを対象としたモノでしたが、その他の筋でも同様の手法を用いたらストレッチ効果が出るのではないかと思います。

https://journals.lww.com/acsm-msse/abstract/9900/can_eccentric_only_resistance_training_decrease.577.aspx


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