君に会えたらそれでいいや
2023夏の、とある日の日記。
普段はここでは日記を書かないけど、
ふと書きたくなったので書いてみる。
好きな曲の流れる空間でご飯を食べた。辛いものは苦手なのに辛いメニューを頼んだ。最初は口の中が辛い味なぐらいで案外いけそうだなあなんて思っていたけどやっぱり辛かった。クリームソーダを頼んでおいた自分を褒めたくなった。
クリームソーダがすごく好きだ。ソーダと甘いバニラの味が合わさるのも好きだけど、多分あの緑と赤と白の感じが好きだ。クリームソーダを生まれたときから遺伝的に好きなはずは多分ないので、いつかのタイミングに初めて飲んで好きになったはずだけど記憶がない。
顔には出さないようにしていたけど、目の前のクリームソーダを見ながら久しぶりに浮かれた気分になった。こういう気持ちでいっぱいになれる瞬間、毎日のなかで絶対に必要だ。
今日のいちばんの楽しみは、舞台を見ること。
大好きな高橋一生。大好きな劇場。十分過ぎるぐらいにわくわくしている。とはいえ実感がなくて、緊張感があまりないまま、何をしようかとふらふら歩いた。
そうしてるうちに、Hump Backのアルバムが欲しいと思っていたことを思い出した。最近ではサブスクでいろんな音楽に触れられるけど、Hump Backの曲は数曲配信されているだけで。でもどうしても聴きたくてCDが欲しかった。実際にはわたしが立ち寄った店舗の他にも、ネットで注文もできたわけだけど、こういうのは手に取ってちょっと考えて買うか買わないか決めたいと思って。
アルバムが何種類かあって。どれを買うか、せっかくだしまとめて買ってしまうか、手に取って、レジの方にちょっと歩いて、やっぱり戻って。思ったより迷った。ジャケットも好きなものがあったから、余計に迷った。最終的に、「これだ!」と思ったものをひとつだけ手に取ってレジに向かった。
会計中もクリームソーダを飲むときみたいになぜか淡々とした感じを装っていたけど、今日はわたしにとっての"いい感じ"が詰まった日だ。そうそう、こういうの。こういうのがしたかったんだよ。
平静を装うのに明確な理由はないけど、なんだろうね、「みんなは知らないと思うけど、今のわたしはとっても幸せなんです!」って内緒にしちゃう感じかな。
舞台を終えた。ちょっとさすがに淡々とした感じでいられないかもしれない。内容自体はすごくハッピーな、とかそういうものじゃないんだけど、この作品を見れたことが幸運だ、っていう。
「これを見た私と、見ていない私と、全然違うんじゃない?」っていう高揚感。そんな風に思える作品に出会えて、すごくいい日だ。
車を運転して帰る。ちょっと眠たくなってコンビニで休む。そのときにそういえば、とっておきのCDがあるんだったってことを思い出した。休んだ後、そのCDを聴きながら帰った。
愛犬に向けた「ラブソング」だと後から知った。
ラブソング、というのがすごくしっくりくる。
「結局君が愛しいのさ」「君に会えたらそれでいいや」
この曲の歌詞が今日の自分にぴったりだった。
つまるところ、そういうことなんだよ。
みたいなのがたくさん詰まってるみたいな。
今日の全部がわたしのためにあるみたいだった。
随分前に最高の1日について考えてみたことがある。
そのときは上手く具体的に考えられなくて、やめてしまった。ぼーっとして、なんか、疲れてたのかな。
でも今ちょっとわかる。
最高の1日って今日みたいなことなんだ。
多分ね。
わくわくして、待ち遠しくて、
にこにこしちゃうの抑えられなくて。
思いついた好きなこと、
全部やってしまおうっていう日。
わたしの亡くなった祖母はいつからか毎日日記をつけていて、そういうところがほんとにすごい。わたしには真似できなくて、次に日記を書くのは半年ぐらい後になるかもしれないな。
けど書きたいと思ったときにだけ書く日記もいいかもしれない。特別な日かもしれないし、なんてことない日かもしれない。そういうのがいいのかもしれない。あーー君に会えたらそれでいいや。