女性美容師の今、と、これから
「mm」開発に携わった「NEUTRAL DOOR」の大坪亜紀子さんと、大坪さんの後輩スタイリストの「joemi by Un ami」赤井希望さんが、女性美容師ならではの視点でセミナーを開催。その様子をリポートします!
第1章「美容師・大坪亜紀子と、美容師・赤井希望ができるまで」
お客様とスタッフの幸せを優先するようになった
「今日は女心を持って帰ってくださいね」大坪さんの第一声がこの一言。男性の受講者にとってはまさにドンピシャな一言。女性の受講者にとっても、改めて考えさせられる言葉です。「何度も店舗を異動してきましたが、それにためらいはありません。異動してもついてきてくれる“私じゃなきゃ”というお客様の存在に気づいたり、新天地で新しいお客様もついたりして、成長できたと思います。多い時で最大3人のアシスタントをつけたことがありましたが、とても大変で、ある時ふと“この3人は本当に楽しいのだろうか”“お客様は満足しているのだろうか?”と疑問に思い、今は予約を制限してアシスタントも1名にしました。お客様とスタッフの幸せを優先するようになったんです。最近は山登りを始めました。5年後は…結婚していたいです!」(大坪)
「スタイリストになって上手くいかないなぁと感じた時、その時の自分を自分で認められていなかったんだと思います。がむしゃらにやっていれば、その分結果はついてきます。そこからどうなりたいのか、お店の中でどういうポジションにいきたいのか、真剣に考えなければいけません。将来のために、今に満足せずがんばりたいです」(赤井)
第2章「私の色を出そう!ヘアスタイルライブ」
この人、わかってる!って思われる提案を
続いてスタイルセッション形式でデモンストレーションを披露。大坪さんはカット&スタイリングを見せてくれました。
「どんなヘアになりたいかではなく、どんな女性になりたいかが大事。今回のモデルさんは、一見、カッコいい感じかなと思いましたが、『ar』を読んでいたり、メイクの感じから、柔らかい雰囲気になりたいんだなと思いました」リップラインからレイヤーを入れ、軽くmmのオイルをつけてドライ。クリームバターとワックスをつけてできあがり。「耳周りの束感、結んだ時の後れ毛、ブローしなくても収まる…そういう細かい仕事が大事。mmは、ほぼ天然成分なので、次の仕事に影響しないのがいいですね」
【仕上がり】
赤井さんはアレンジを披露。
「お客様には自分でできるアレンジを提案したいです。自分でやるとかわいくできない、疲れて見えてしまうという方には、”必ずスタイリング剤をつけて下さい”とお伝えしています。また、後れ毛を作るかどうかも確認します。男性美容師さんから“後れ毛つくると可愛いですよ!”と提案されたら女性は嬉しいと思います!」
下めに結んでトップを引き出し、トップの根元に熱を当ててボリュームを出してひし型にし、もみあげと後れ毛を出す。「mm」のオイルでツヤを出したら完成です。
【仕上がり】
第3章「女性の働き方のリアル」
見返りを求めず、お客様と共感できるのが女性美容師
女性美容師ならではの仕事もプライベートも両立するための働き方とは…?
大坪さん&赤井さんに聞いてみました。
Q ついついがんばりすぎてしまいます…。大坪 男性も女性の弱音を共有してほしいですね。赤井 “今日はここまでにしよう”と線引きする勇気が大事。上の人に相談するのもいいと思います。
Q 結婚や妊娠に対して、おふたりのサロンにはどんな環境がありますか?大坪 5年くらい前から産休制度ができましたね。赤井 時間を決めて仕事ができるとか、そういう制度の骨格ができてきました。
Q 女性美容師の強みやこだわりは何ですか?赤井 共感できることです。人からこう見られたい、こうなりたいというイメージを持ってもらいやすく、話しやすい雰囲気を作れることですね。
Q 休みを取りやすい環境にするにはどうしたらいいですか?大坪 今はきちんと休みを取る時代。私も連休を取って山にも行きます。そのためのコミュニケーションが大事だと思います。
Q セルフブランディングはどうしていますか?大坪 男性はSNSを駆使する方も多いですが、女性は苦手な方も多いですよね。女性は見返りを求めず、今日来てくれたお客様にリピートしてもらうために練習する。それがセルフブランディングになっていくと思います。赤井 自分がどう見られているかを理解し、どういう人に来てほしいかを考えることが大事だと思います。
ライター 森永泰恵
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