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vol.5 「生き方を知り、生き方を読む」

筆者が独断と偏見と直感選んだ、ライフスタイルやファッションのニュースやサービスを抽象化して、次のトレンドを考えるシリーズ!第5弾。

最新のテクノロジーを使った目新しいオンラインサービスや、斬新な組み合わせでハッとした驚きを作り上げるイベントや企画、そんなサプライズもどことなく一巡したような気持ちになっていた昨今、なんとなく心の中に止まっていた記事をpick up。

転職はもちろん、本業を持ちながら第二のキャリアを築くパラレルキャリアや副業も一般化し始め、働き方も多様化しています。だからこそ働き方に関する悩みや課題は、就職を控える学生のみならず、社会人になっても人それぞれに持っているはず。
第3回目は、ビューティディレクター、メイクアップアーティストとして活躍する早坂香須子氏が登場。インスタグラムなどで発信されるヘルシーなライフスタイルや社会問題と真摯に向き合う姿勢にファンも多い早坂氏。看護師からメイクアップアーティストに転身し「今や“早坂香須子屋”よ」と自身を語る、彼女の仕事変遷に迫ります。

今はビューティディレクター、メイクアップアーティストとして活躍する早坂さんが、はじめは看護師として自身のキャリアをスタートさせてから、現在までの過程が描かれている。

私は改めてこの記事で彼女のことを知ることになったけれど、看護師としてのきっかけ、そして仕事を続けることでの葛藤、それらを経て自分の小学生の頃からの原体験に基づいたメイクアップや美容の道で、真のやりたいことを見つけ出していく過程。それらのストーリーに思わず読み入り、今の輝く笑顔の裏ににじみ出る過程に共感していた。


インタビュー記事が増えているなあ、、と感じる昨今、どうしてインタビューが増えていて、他者の生き方が見える化しているのか?どんなことが価値とされる世の中になるのか?そんな考察を、記事から読み解いた。

①すべての制約をとっぱらって、人それぞれの根源的なやりたいことを見つけることが価値になるから

今、様々なことにいろんな理由で時間を使っている私たち。会社であったり、人間関係だったり、趣味や活動だったり。でも、それが本当に時間を使いたいことなのか、そこに気づくのは、実はもっとも難しいことなんじゃないか、と思う。

「やりたいことって何?」と聞かれると、回答するのは難しい。でも、「本当はやりたいと思っているけど、実は時間が使えてなかったり、なかなかできないことって何?」という聞き方なら、ちょっと見えてくるのかも。「原体験」という書かれ方も増えているけれど、もっとも制約がなかった小さい頃に楽しんでいたことや、「もし100億円あったら、」等一番の制約になりがちな金銭面が解決された時に出るのが本音なのか、このきっとたくさんの常識や障害や人の目など多重にも隠された中で実はあるそれらに気づくことが、実は自分を幸せにするもっとも近道だったり、するのかも。

そのジャンルや事柄やテーマに気づくことができると、自分の人生は一気に動き出す、そんな感覚な気がしている。

②人生の"ネガティブ事件や個性のエピソード"は、もっとも他者を共感させ魅了するから

人のインタビュー記事や、ドキュメンタリー番組は、人が具体的なエピソードで描かれれば描かれるほど、人を共感させて親近感を覚えるもの。

「Aさんは、人間関係にも良好で、自分の才能を伸ばし、事業を大きく花開かせました」例えばそんなストーリーに、意外と共感することは難しい。人が感じたネガティブな気持ち、負けそうになりながらも奮い立たせて自分を再スタートさせたきっかけ、際立った個性のために感じていた違和感、そんなものが多くのインタビューに描かれている。

いわゆる「ガイアの夜明け」や「カンブリア宮殿」…ドキュメンタリーの番組も、そんな仕立てが多いのかもしれない。見終わった後に、どこかその人のことを好きになっている・・・そんな関係の構築に、もっとも役に立っているのは、以外にも当人には好ましくない出来事なのかもしれない。

③自分の描きたい人生のストーリーを持っている人に近づくことが、よりよく生きるヒントになるから

「人がどう考えているか」は知っていても、「相手が何を考えてどう生きているのか」なんて、どれだけ距離が近い親友でも、ストーリー立てて聞くことなんてほぼ、ない。あのときこう思ったんだよね、今こうなんだよね、という点の話は聞くけど、その人がどんな人生のポリシーを持っているかなんて、意外と知らないものだろう、と思うのだ。

インタビュー記事を読みながら、ふとした段落で自分の人生ジャッジと照らし合わせ、「このシチュエーション、なんだか自分に似てるなあ」「わたしなら、こう選択するなあ」という風に自分に重ね合せることで、気づくと今の自分の棚卸しになり、どこか自分の目指す人生像がはっきりとするのかもしれない。

読んでいるのはインタビューでも、きっと後半半分くらいは自分の未来のストーリーを並行で読んでいるような気持ちになるのではと思う。そうでもしないと、自分の生きている道を、見直す機会なんてないから。



誰もが、大手のテレビ番組・・・例えば、カンブリア宮殿や情熱大陸などに取材をされるような日常がくるわけではない。けれども、きっと等身大の誰かの人生を覗き見する機会は、これからもっともっと増えていくのかもしれないな、と思う。

大スターや芸能人のように「この人みたいになったら幸せだ!」と画一的な「ゴール(のようなもの)」を提示される機会は減り、きっと自分なりのゴールや幸せを見出していく必要がより高まってくるのだと思う。その際のヒントになるものが、きっと、インタビュー記事なのかもしれない。そこにはコミュニティや社会の中での葛藤、人間らしい選択の中にその人ならではの「ポリシー(価値観とも呼ぶ)」が詰まっていて、それこそが自分自身の人生と重なる。

自分の選び取りたい人生を生きる。そのためには、誰かの生き方を読むこともヒントになる。そんなコンテンツを読みながら、ものやサービスの購入を超えた、「人生を読む」といったコンテンツの価値の高まりを感じたのだった。

次の時代の消費は、何と名付けるのだろう。「コト消費」「ヒト消費」もっと豊かでハッピーになる言葉を、今も探している。


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