過去の出来事をプラスに(精神疾患編)②
「はい、大きく息を吸ってー」
倒れたあの日から、整形外科に通うことになった。
『椎間板ヘルニア』
ただ、運が良いことに軽傷であったため、
手術はせずに保存治療で様子見をすることになった。
悪化を防ぐために運動する習慣を設けて、
無理しないことを告げられた。
と、いうのも今振り返ると
原因の流れとして、、、
精神的な疲労の蓄積
↓
ストレスで自律神経が乱れる
↓
不眠に陥る
↓
疲労がさらに抜けなくなる
↓
姿勢が悪くなる
↓
腰痛(ヘルニア)を発症
と、言った感じか。
だが、そうは言っても環境は変わらず、
仕事がただただ増えてく毎日で帰りも遅くなる日々。
仕事はできない、身体はボロボロ、
心もついてこない
いつからか家のPCデスクの椅子に座りながら、
「いつまでこの苦しさは続くのだろう、、、」
と言ったことを考えるようになった。
それが何日か続いたある日、
いつもと同じように椅子に座ってると、
普段服用してた薬の瓶が目に入った。
ほぼ新品で中身もほぼ満タン。
「(、、、これ、全部飲んだら楽に死ねるんじゃないか?)」
「(そうしたら、この苦しみから逃れられる、、、)」
「(これ以上、生きてたって何も変わらないし。)」
「(自分なりに頑張ったよな、、、うん。)」
そう考えて、自分は右手をゆっくり、、、
薬の瓶に伸ばした。
縁と巡り合わせ
これを今から全て飲めば、俺は救われる、、、。
薬の瓶に手が差し掛かった、ちょうどその時、
「〜♪」
携帯電話が鳴った。
地元の埼玉から就職で福岡に赴任した、
友達からの電話だった。
「大野、お前今なにやってるー?」
彼と別の友達は腐れ縁の3人組で普段はもう1人の友達に
仕事の帰り道に暇つぶしと愚痴を言うのに電話していたのだ。
それがたまたまその日は別の友達が電話に出なかったので、
自分のところに電話が来た。
そんな感じだった。
「???お前、、、大丈夫か?」
さすがは腐れ縁というか、電話口の空気感で何か異変を感じ、
そこからこれまでのことを話すことになった。
その後、もう1人の友達からも電話が来て、
自分は薬の瓶から手を離すことが出来たのだった。
今振り返ってもあのタイミングは奇跡だと思う。
変わり始める環境
自殺未遂から数日経ち、
自分の中で「自殺はやめよう」という思考にはなってたものの、
状況は未だ好転しなかった。
"相変わらず、苦しい日々は続く"
2月に差し掛かっていた。
このまま開発2年目を迎えるのか。
とてもできる気がしなかった。
そもそも身体と心がついていくとは到底思えなかった。
「(、、、言うても、限界は限界だな。)」
そういえば、こないだは友達と話をして、
工場の時は祖父母や叔父叔母と話をして、
それで何とかなってたんだよなということを
ふと思い出し、、、
「(正直、怖いけど、、、素直に言うか、、、。)」
実はこの時にはすでに不眠解消のために精神科通いも始まっていたのだが、
会社には伝えてなかったのだ。
伝えてなかった、、、というより、
伝えれなかった。
精神科通い=罪悪感
が強かったのだ。
部署内のメンバーが帰った残業時間、
ブロックリーダーが喫煙所にいる事は知っていたので、
勇気を出して話したこともほとんどないブロックリーダーに話に行った。
そこからは早かった。
話を聞いたブロックリーダーは驚いた顔で、
「とにかく、明日から休め。とりあえず1週間!」
と、なった。
その間にブロックリーダー主体で
自分が所属してたチームリーダーやメンバーが集められ、
•なぜ新人が1人で仕事を抱えてるのか
•なぜ誰もサポートしないのか
•教育係はどうなってるのか
をブロックリーダーから突き詰めることになった。
と、いうのも自分が配属されると同時に
それまでメインで実務をこなしていた先輩が、
他の開発チームに移動となり、
その先輩が抱えていた(もしくは抱える予定だった)仕事が、
そっくりそのまま来た感じだったのだ。
さらに教育係も曖昧であり、
そもそも少人数のチームということもあって、
チームリーダーと派遣の先輩だけという感じ。
チームリーダーは
「実務、もうよく分からないから教育係ではないんだよなぁ。」
と言った感じで、
かたや派遣の先輩は
「新人だから、正社員の人のやり方とか考え方学んだ方がいいよなぁ。」
という感じ。
そんな実情だったため、元々所属していた先輩が教育係として、
現在の開発チームと併用で見てくれることになった。
復帰初日、その先輩から
「自分が抱えている仕事書き出して」
と、言われて書き出した結果・・・
「いや、お前、これ、一人でやれるレベルじゃねぇわ!!」
その言葉を聞いた時に「あ、俺って本当にやばい状況だったんだ。」
って率直に思った。
こうして、自分はこの苦しい旅路を乗り越えることが出来た。
はずだった。
「・・・起きれない。」
すでに自分の身体は薬漬けになっていたのだ。
続く
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