サブカル大蔵経27 施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』⑤(一迅社)
名作感に満ちた5巻。読書家あるあるを保ちつつも、人物たちが深みを増す中で、セリフが嫌味なく絶妙のタイミングで交わされていく。
人と人の間に本が媒介しないと話せない人たちを描くが、密室の図書室でその本たちがとりもつ人間関係は限りなく優しい。
「もう少しだけ下巻を求められる喜びに浸らせてください。」p.22
「…この小説、正直傑作だと思ってるんだけど…今読み終わったばっかだからそういうテンションになっているだけで、一晩経ったら『そこまでじゃないか…』って変わりそうで、絶