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サブカル大蔵経 日本編

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2021年11月の記事一覧

サブカル大蔵経874原武史『平成の終焉』(岩波新書)

『大正天皇』などの著作で天皇の母親の存在と所業を浮かび上がらせた原武史先生。 平成天皇の…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経873『明治維新とイギリス商人』(岩波新書)

「青天を衝け」で、今回は岩崎弥太郎と五代友厚が退場しました。彼らの背後にいた男の伝記、い…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経872金文京『漢文と東アジア』(岩波新書)

仏教者を揺さぶる本。 日本への梵語と仏教伝来の影響。 翻訳という思想に付随する梵漢文と訓…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経871砂原茂一『リハビリテーション』(岩波新書)

初期の岩波新書らしい名著。 老舗のカクテルが必ず濃いのを連想しました。 医療そのものに対…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経870山口伸美『日本語の古典』(岩波新書)

本当に原作を読みたくなる好著。 『書紀』の臨場感。 異様に無骨な『今昔』。 そして、「近…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経869江口圭一『日中アヘン戦争』(岩波新書)

禁書スレスレ? 日本の国家的犯罪なのか、戦略的国策か。 日本で喰いつめた一旗組が中国の奥…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経868内山真『睡眠のはなし』(中公新書)

初読時、櫻井武『睡眠の科学』(ブルーバックス)と比べてデータや内容が物足りない印象でした。 しかし、再読して抜書きしてみると、沢山のキャッチーなフレーズが並びました。 あらためて、毎日、常に一緒の睡眠が興味深く思われました。 眠っている時には、私たちは人間ではなく、ただの哺乳類になっている。p.5  人間をやめるぞー! 手先や足先から皮膚から熱を積極的に逃すシステムが働くと休息状態になるp.7  寒いけど布団の中で靴下を脱ぐ理由。 身体が休むレム睡眠の時には脳は

サブカル大蔵経867上垣外憲一『勝海舟と幕末外交』(中公新書)

幕末の異国との交渉の類書を読んだ後再読したら、他にない史料と視点で、現代の外交にも繋がる…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経866山田雄司『怨霊とは何か』(中公新書)

怨霊となった崇徳院が、鎌倉から江戸までの幕府、武家政権を支えていたという大スクープ。日本…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経862渡辺京二『黒船前夜』(洋泉社新書)

〈ロシア・アイヌ・日本の三国志〉 渡辺京二の澄んだ視点と粘り強い探索。 剥がされていく常…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経861岩波新書編集部編『辞書を語る』(岩波新書)

本来「読む」ものではない辞書を愉しむことを、昔、赤瀬川源平『新開さんの謎』が教えてくれま…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経860村井吉敬『エビと日本人Ⅱ』(岩波新書)

新書なのに続編。続き物としてその後の比較などがあって面白い。 ちなみに、エビ釣りは『フォ…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経859永江朗『書いて稼ぐ技術』(平凡社新書)

ライターに関わらずどんな仕事においても参考になる金言の数々。 でも、真似できるようで、な…

永江雅邦
2年前
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サブカル大蔵経858鵜飼秀徳『ペットと葬式』(朝日新書)

古典になってもいい程の鵜飼さんのルポ。 殺生と供養の現場における想像力の極北。 人間の葬式はどんどん簡略化される傾向にありますが、ペットはより手厚く見送る傾向が見られます。p.58 迷走の多い人間の葬送よりも、ペット供養こそが弔いの本質が浮かび上がるような。 現代の草木浄土というべき、生物の魂の周りを蠢く人間たちの活動を活写。 行ってみたくなる興味深い所が、日本中にこれだけあります。身近はバッタ塚です。 ペットや念仏を称えられないような人や動物でも阿弥陀仏がすくい