サブカル大蔵経860村井吉敬『エビと日本人Ⅱ』(岩波新書)
新書なのに続編。続き物としてその後の比較などがあって面白い。
ちなみに、エビ釣りは『フォレストガンプ』のトム・ハンクスを思い出します。
または、コンビニで買った加藤唯史作画『コミック版 プロジェクトX挑戦者たち―82億食の奇跡』(宙出版)を思い出します。
「赤い海老があればめでたい気分になれるし高級感もある」印象的なコマです。
そういやカップヌードルの具って、エビや卵焼きや謎肉含めて、ラーメンの具ではなく、おせち料理みたいです。
エビの赤!岩波新書も赤!
エビ輸入、肉より魚志向の米国に抜かれ、日本は世界第2位。p.3
前作では1位の日本。日本化する米国。
鮨屋で出る甘エビはホッコク赤エビ。北欧産。p.52
北海道羽幌産の甘エビは貴重なのか…。ちなみに羽幌で買った甘エビスープのインスタントラーメン、美味しかったです。
(羽幌の道の駅にて)
台湾のブラックタイガー養殖の父・蓼さん曰く、エビの産卵を早めるため、眼を切断する。エビの眼は産卵を抑制するホルモンを分泌する。眼を切り落とせば抱卵しやすくなる。両眼で一回産卵させ、つぎに片眼を切り産卵させ、最後に残ったもう一方を切断して産卵させる。はじめに、それを実践したのはタヒチにあるフランス系水産会社だった。ところが、それは誤りだとわかつた。両眼を切断すると、せいぜい二、三回しか抱卵しません。ひとつだと六、七回は抱卵します。正確なところはわかりません。両眼切断したら、の正確なデータはないと。p.72
本書で最も記憶に残った箇所。
山口県秋穂のえび塚。p.77
えび塚…。先日ご紹介した本では、山口県はウニ供養が掲載されていました。
インドネシアのカラオケ屋ニルワナ。涅槃の意味。p.121
沖縄の久米島にもあったような…。
食べ方がプアな日本人。フライか天ぷら。油も使わなくなり、調理済しか売れない。外国は炒めたり、辛くしたり、ガーリックと多彩。パン粉つけない素揚げ。p.136
ニッスイの海老担当の方のコメント。
加工工場で働く人々。背腸を取る人、チンして食べる人。/少なくとも14の段階が踏まれてエビは私たちの口に入る。p.174.180
海老の手間は誰がしているのか。
エビはやはり食べすぎ。養殖は環境に優しくない。p.196
養殖してまで食べるということ。
本を買って読みます。