問題です。「お客様」は誰でしょう?
どんなビジネスであっても、必ず「お客様」がいるはずです。
「お客様」は、顧客、クライアント、お得意様、ユーザー等、いろいろな言い方があると思います。
では、「お客様」の定義って何でしょうか?
いろいろなケースが考えられますね。
Q. 移動販売車でクレープを売っています。「お客様」は誰でしょうか?
女子大生がクレープを買って、その場で食べたとしましょう。
このときの「お客様」は、女子大生です。
当たり前ですね。
Q. 女性が大好きなチーズ料理専門店を経営しています。さて、「お客様」は誰でしょうか?
20代のカップルが、お店で食事をするとしましょう。
そのお店に行きたいのは、あくまで彼女だとします。
彼氏は、彼女のために予約をし、代金も払ってあげるかもしれません。
この場合、「お客様」は誰なんでしょう?
お店が提供するバリュー(価値)を欲しているは、彼女の方でしょう。
彼氏は、あくまで彼女との食事の時間にバリューを感じていて、それに対してお金を出しているだけなのかもしれません。
彼氏も彼女もユーザー(利用者)ではありますが、このようにユーザーによってニーズや感じるバリューが異なる場合があります。
ユーザーとバイヤー(購入者、お金を払う人)が、必ずしも同一人物であるとも限りません。
Q. 小学生男子向けにテレビゲームを売っています。さて、「お客様」は誰でしょうか?
ゲームで遊ぶのは、男の子です。
でもお金を出すのは、お父さんです。
しかし、買うかどうか、最終的に意思決定をするのは、お母さんかもしれません。
この場合、「お客様」は誰なんでしょう?
特に、toBのビジネスでは、実際に商品やサービスを使う人と、購入を決める意思決定者が異なるケースがほとんどです。
どちらも「お客様」でしょう。
しかし、使う人にとってのバリューと、意思決定者にとってのバリューは異なります。
誰に対して、どんなことを、どうやって伝えたら売れるのか。
営業の腕の見せ所ですね。
Q. 「知るカフェ」の「お客様」は誰でしょうか?
「知るカフェ」というお店を知っていますか?
「知るカフェ」は、大学の近くにある学生専用のカフェです。
会員登録をすれば、学生はコーヒー等のドリンクを1杯無料で飲むことができ、コンセントやWi-Fiも利用することができます。
学生が無料で利用できるのは、企業のスポンサー費用で運営されているからです。
優秀な学生を採用したい企業は、「知るカフェ」にパンフレットを置いたり、採用イベントを開催したりしています。
今では、日本の主要大学の近くのみならず、インド工科大学やアメリカのブラウン大学の近くにも出店しています。
「知るカフェ」は、やっていること自体はカフェのようですが、その実態は、企業と学生を繋ぐマッチングプラットフォームと表現する方が正しいかもしれません。
この場合、「お客様」は企業でしょう。
コーヒーを飲みにくる学生は、「知るカフェ」にとっては「お客様」ではなく、「お客様」である企業を集客するためのコンテンツであり、提供するバリューなわけです。
以上、いろいろなケースを上げてみましたが、「お客様」という言葉の定義を決めること自体には、意味はありません。
ただし、どういう人にどういう価値を提供するのか、あるいは、誰からどうやってどれくらいお金をもらうのか、そういうことははっきりと考えておく必要はあると思います。
その答えが、ビジネスモデルと呼ばれるものになるのかもしれません。
ターゲティング、マーケティング、アドバタイジング、セールス、ブランディング、マネタイズ、etc。
何をするにしても、自分たちのビジネスの「お客様」は誰なのかということを、一度分解して、整理して考えてみるのも大事なことだと思います。
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