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23時25分

蛍が死んだのは、雨のせいだった。
転げない、通信圏内の迷子は、放送を繰り返し、また裏返し、夢、もう眠れない。殴り返した、味のない無意識で、日々は陰に守られ、忘れては許される、自分であること。明日のことはまた明日。
夜が延びた先、蛍が飛ぶ、抜け道を走る、僕は、ちきゅうを捕まえる。溺れそうな足取り、明日の手前で明日はいなくなり、雨、内側が置いていかれて、身体は一匹、一匹、丁寧に潰していく。
真っ白な手、手と手、おやすみ、また明日。
昨日の雨が光る、あるはずの路地裏の虹、暗闇に血が疼いて、ああ、眠れない、明日は今日で、ここはうちゅうだ。
今日もまた、どこにもいない、放送が繰り返されて、僕は1人、明日の夢。








好きと言われた、そんな感じ。