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泣いても笑っても違うの、

今年は昨年よりもなにもかもが早いと思う。
桜が咲くのも、梅雨に入るのも。


昨年の今頃と何が変わって、何が変わっていないのかもよくわからなくなっている。
経済活動と病気の蔓延は共存することが難しいことだけはこの一年を通して嫌になるくらい学んだ。


以前の世界のように、「今日飲みに行こうよ」「週末飲みに行こうよ」と飲みの約束が出来ない時代がきた。飛沫の感染を防ぐために、お酒が悪者になる日がくる想定外すぎる状況も怖いことに慣れてきたとでも言うのだろうか。
だからか、最近はスーパーでノンアルコールものが以前より並ぶようになったんだと思う。




本当なら、部署の打ち上げがあるはずだった。
半年間目指したはずの「優勝」「1位」ではなかった。少しだけ覚悟をしていた「準優勝」「2位」だった。





本当の願い事なんて、叶うまできっと口にしない方がかっこいいと思っていた。
誰もわたしが本当のところ何を望んでいるかなんて知らないままで過ごして、いつか叶ってしまった時に「本当はずっとこうなったらいいと思っていたの」と打ち明ける方が、なんだかずっとステキな気がしていた。



僅差で逃した優勝に対するタラレバはいくらでも思いついたし、自己反省も行った。
同じ気持ちで頑張っていると思い込んでいたメンバーの本当の気持ちにさえバラつきがあることも思い知った。




誰よりも強く正しくなりたかった。
誰よりも強くないと、余裕がなくなるし誰かに優しくすることができないことを知っているの。
だから、怖いと思うものを一つずつ解決して乗り越えていくしかないと思いながら生きている。その中で今まで優しくできなかった全ての出来事に対して、いつの日か優しく仕返すことができたらいいなあと思って信じている。






見せないように頑張っているだけで、色々な失敗をしながらここまで生きてきた。特に社会人になってからは順風満帆だったことなんて、きっと、ほとんどない。
どんなときも悩み、考え、自分の持ち合わせている思考や感情で前を向けるように進んできた。わたしの思考はもしかしたら、側から見たら、おかしいって思うこともあったかもしれない。それでも、その度にわたしはちゃんと立ち止まって考えて、誰かに相談したり、本や音楽を頼りにしながら進んできたと思う。
これからだって色々なことをやろうとしては傷だらけになって後悔したり、うまくいかなかったり、そんなことの繰り返しの積み重ねなんだろうね。





生きているだけでわたしたちは無料で消費されていく。
常に順位をつけられる数字だけの消費世界に生きてきて、やっと1位を目指せる場所を手にして、渾身の思いで走り抜いたけど、最後に逆転された。




「人生、甘くないよ」と改めて教えられた。
どれだけ頑張っても、届かないときは届かない。「仕方ない」のだ。
消費社会に生きているからこそ、わたしは認められたいのだと思う。自分の頑張りが数字でしか判断されない世界で、消費される代用に自己承認を求めてしまうのだろうね。
それでも、わたしは頑張り抜いて良かったと思えた。怖いくらい素直に。





常に誰かから価値を推し測られるようなこの暮らしに疲れ果てている人は多分きっとこの世界にいくらでもいるはずで、だからこそ伝えたい。一緒に戦おうね、慰めようね、耐え抜こうね、と。
だけど本当は誰にもバレない逃げ道が存在するのならわたしだって今すぐ逃げ出したい。
逃げ出して投げ捨てたいって思うことなんて、きっと自然なことだと思う。




自分以外の誰かのために、社会のために、会社のために見えない圧力によって自分を捻じ曲げるほかなかったことが数え切れないくらいあった。
だからこそ、この先もわたし固有のまばゆさを消すことなく生きていけますように、とそう願わずにはいられない。



消費社会に生きているみんなが、あなた自身固有のまばゆさが、消費し切られないように生きていけたらいいなと祈った。




2位おめでとう、よく頑張ったね。








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