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40歳からの留学のススメ

イギリス留学の総括

1年間のイギリスでのMBA留学を終えて、約1週間前に帰国しました。40歳にしての留学ですが、結論を最初に言うと「行って良かった」です。もし仮に将来、死ぬ間際に自分の年表を作ることがあったとしたら間違いなく太字で、その後の人生に影響を与えた1年として「イギリス留学」は記載されるでしょう。もし、日々の生活で「何かを変えたい」と留学を悩んでいる方がいらっしゃったら強く背中をおしてあげたいです。

学費、生活費、渡航費などすべて合計するとそれなりの金額になります。でも、授業での勉強以外にも、日本にいて変わらぬ日々を送っていては経験できなかったであろう学びと成長をできた実感があり、投資に見合う見返りはあったと確信しています。あとはここからの回収を頑張らなくちゃですが。

ふりかえると自分も、大学院留学を悩んだり受験準備を進める日々に、数多くの先人の方々のブログなどを読みました。留学って社会人にとっては結構な勇気のいる大きな決断なのに、留学に関する情報(特に日本語)が少なく分からないことが多いからです。ただ、それらは主に「体験記」ベースで、日々の出来事が中心の日記。もちろん役に立つ情報もあったけれど、肝心の知りたい情報はあまりありませんでした。そこで、帰りの飛行機の中で、この1年を振り返って、悩んでいる人の背中を押してあげられるような、欲しい情報を経験者の視線から提供できるようなマガジンを作ろうと計画しました。実際、作りかけましたが、やっぱり辞めました。過去を振り返り、リサーチも加えながら詳細に記述する作業は莫大な時間がかかります。そうして出来上がったマガジンに価値があると思うから執筆しようと思った訳ですが、かかる労力を考えた時、過去を振り返りまとめるより学んだことを未来に生かすことを選択しました。

ちなみに、まず書こうと思っていたコンテンツは「事前準備・留学準備講座に関して(自分はbeoに通いました)」「学校選び・MBAランキングの仕組みに関して」「必要費用・大学から奨学金を貰うコツ」など。もし、これらの詳細を知りたい方がいらっしゃったら個別にご連絡ください。ちゃんと答えます。

何を学んだのか?

MBAはMasterのコースとは言え経営やビジネスの全般を広く浅く学ぶもので、1つのことを専門的に深く学ぶ訳ではありません。また、最新のケーススタディなどを議論の題材としては使用しますが、大学院で学ぶ内容はあくまで「学問」です。「実践的じゃない」と不満を漏らす生徒もいましたが、即実践のビジネスメソッドを教えてくれる訳ではありません。また、日本にも多くの経営大学院はあり、日本にいながらでも同じことを学ぶことはできるとも思います。

しかし、授業を通して学んだことよりも、日々の中に学びがありました。まずは「外国で1年間家族とともに暮らした日々」です。海外に住んで暮らすことは、旅行で訪れるのとはまったく違います。郷にいれば郷に従えで、その国のやり方を受け入れる必要があります。そんな中で、日本の良い部分や、海外から学ぶべき部分に気がつくことがありました。

次に「世界中の17カ国から集まった仲間と過ごした日々」です。授業のグループプロジェクトはもちろん、クラスメイトと数人で飲みに行くだけでも文化の違いに直面します。自分が今まで常識だと思ってきたことや、言わなくても分かり合えると感じてきたことが、まったく通じません。そんな中で、相手のことを理解することはもちろん、自分を理解してもらう必要があります。自分自身という人間を見つめ直す機会になりました。ここで出会った仲間たちも貴重な財産になりました。

そして「仕事のない学生の日々」です。日本では一度社会人になると、仕事から本当に離れることはほとんどありません。1週間程度の休みではなく、完全に仕事から切り離されると、違うものが見えてきます。いかに会社や仕事が視野を狭めていたかが分かります。また、学生の日々という面では数十年ぶりに「試験」や「レポート提出」に向き合います。特に、最後の修士論文の執筆はまる3ヶ月ほぼこれだけを毎日やりました。そんな日々の中を送ることで得られる経験も、得難いものになりました。

今後、どうするのか?

体験の意味も含めてイギリスでの就職活動も試してみました。就職活動をフォローしてくれる授業やセミナーも大学が用意してくれます。オファーをいただくこともできましたが、満足するようなものはありませんでした。

まずは、いったん元々所属していた会社に戻ります。でも、モチベーションがまるで違うので、同じ仕事内容でも接し方が変わってくるだろうと思います。どうなっていくのか?自分にも分かりません。

ただ、最近、それこそ企業家の方のnoteやtwitterなどでよく言われる「自分の好きなことを仕事にする」と言うことの意味が、今回の留学を経てちゃんと咀嚼できるようになったと感じています。自分も最終的に目指すところは、そこにあるように思っています。


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