566.20230628:ランの回:尋ね幽霊
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711号室
主な登場人物
本編
今日は泰市が猫のおかあさんから産まれた日。
駐在さんがマリエラセス神の
データベースにアクセスした時に
判明して教えてくれた。
ランの自己満足なんだけど、
今日だけは1分たりともひとりにしたくなくって、
でも泰市自身が行きたくないって言ってる以上は
連れていけないから、
ナリスとチカッツに相談したら
泰市と一緒に留守番してくれる事になって助かった。
殻持たぬ青海の星の
夕焼けになる気象条件っていうのがあって、
湿度が高めで
恒星が低い位置に来てて
大気中に適度な塵と雲があるのが良いんだって。
今のニホンはちょうど夕焼け確率高めだって聞いて
お客さんもラン達もウキウキして、
みんなでしっかり手を繋いで界狭間を渡ったのに
お客さん消えちゃった……。
呆然としちゃったよ。
同じ幽霊の筈の十輝が平気であちこち行けてるから
当然お客さんも行けると思ってた……。
十輝が境界監察官に訊いてくれたけど、
境界監察官に認識される幽霊と
されない幽霊とがいるらしくて
お客さんは認識されてなかった。
おちびもランも確かにお客さんと手を握り合ったのに!
ブンブンの車庫への扉を一緒に越えて
C'mon諭の第三扉も一緒に越えたのに!
十輝の友達が所有してるっていう釣り小屋に着いた時は
ランは興奮してたから思い出せないんだけど、
十輝は確かに一緒に着いた姿を見たって。
十輝が友達に視線を移した次の瞬間に
おちびとランが叫んだから
お客さんが消えた事に気付いたって。
お客さんはご縁が強いナニカが近所に在って
そこに引っ張られた可能性もあるからって、
十輝と枯仇さんと瞭尾さんが調べてくれてる。
今日は泰市の為に帰りなさいって言ってくれて。
絵はランがバックパックに入れてたからなのか
そのまま残ってたから十輝に預けてきた。
お客さんが絵との縁を頼りに釣り小屋に戻れるように。
お客さんに向こうで縁があるとしても
1867年って今日来た殻持たぬ青海の星の時空だと
156年も前なんだよね……。
もう死んじゃってるとしても心配だよ。
お客さんがナニカに納得して
花常世に行けたんなら良いけど、
花常世に行けてないなら、
悲しんだり寂しがったり怖がったりしてませんように。
おちびが花常世に居る魔術のお師匠に手紙を出してくれた。
この絵に似てる人はそちらに来てますかって
京斉店長に印刷してもらった絵を添付して。
泰市の誕生日は
ナリスとチカッツと京斉店長が一緒に
ぱあっと盛り上げてお祝いしてくれた。
C'mon諭のみんなが居てくれて良かった……!
マリエラセス暦3904年7月24日青曜日23時22分
注:
ブンブン:表向きはレンタカー業だが、支店同士を界狭間で繋いでいて、特別客には界狭間を使わせてくれる。
界狭間:縁の強いもの同士を、空間も時空も超えて繋ぐ路。暴走する事もある。
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