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休日BLOG VOL20
【土曜日】
土曜日の夜の、明日が休みだからの
「今晩は少し特別にしよう」や、「やることを今日のうちにちゃちゃっとやってしまおう」という自分の中にふつふつと生まれる心意気が好きだ。
今宵は映画ナイトにすることにして、お菓子とお酒を買い込んだ。帰宅して1週間分の洗濯物も済ませたし、明日のお昼ごはんまで作り置きした。
それに、映画を観ながらパンを作った。
パン作りも少しずつ板についてきた。
できたてはパリパリのふわふわでたまらない。
明日はご近所のおばあちゃん(推定80歳)のお家にお呼ばれしているので、手土産に手作りパンを持っていくことにする。そして、本土での野暮用をお願いしたYちゃんに、お礼にパンと使っていないトリートメントを渡すことにする。
野暮用というのも、世の中にはコンビニ支払いのものというのが存在し、生きているとそれに遭遇することがたまにある。けれど島にはコンビニがないし、支払いのためだけに高いフェリー代をかけて本土へ行くのも癪なので、週の数日、本土に働きに出ているYちゃんに支払いの代行を頼んだのである。持つべきものは友達というか、快く頼みを引き受けてくれるYちゃんの優しさが有難い。
最近、たまにの夜に晩酌をする(今まではほとんど家飲みしなかった)。
つまみのマストはジャーキーにチーズ鱈、フィッシュアーモンドとはちみつ梅干し。彼は缶チューハイを、私はワインをちびちびやりながら映画か海外ドラマを観る。
飲み過ぎることはなく、彼は1缶しか飲まないし、私もグラスに多くても2杯までで十分いい気持ちになれる。
映画ナイトで上映したのは、彼の要望で「アジョシ」。
韓国のアクション映画で、ウォンビンという俳優がかっこいい。内容はハードだが、最後のシーンで少し泣きそうになった。
時折、英語のアプリで友達になったフィリピンのお姉さんに、自分の動向を拙い英語で伝えたり、タイムラインに投稿もしたけれど、今日はそのくらい。
【日曜日】
太鼓と若い声で目が覚める。
家の前に分校があり、今日は体育祭らしい。演歌や最近の音楽や太鼓やピストルの音が聞こえてきて、活気がこちらにまで伝わってきて、心地いい騒がしさに自分もやる気が起きる。
9時に体を起こして、聞き慣れてきた英語のリスニング動画を聞き流しながら、お風呂掃除をして、掃除機もかけた。
お昼からはギターをかき鳴らしてストレス発散。今日はお隣さんが不在だし、前方はお祭り騒ぎなので、私がギターをかき鳴らしても問題ない。いつもは気が引けて、柔らかいピックで静かに弾いているので、固いピックに慣れるまで時間がかかったが、いいリラックスタイムになった。
15時。
ご近所さんのおばあちゃんの家に自転車で向かう。初めてお伺いするために入口が分からず、窓の向こうにいる娘さんと目が合い、横から回るように言われる。おばあちゃんは「来ないかと思ったんよ」と嬉しそうに迎え入れてくれて、コーヒーと羊羹と、自作の寒天を出してくれた。
おばあちゃんは88歳だが、悪いところはひとつもない健康体で、耳もよく聞こえる。例えると、群ようこの小説に出てきそうなちゃきちゃきおばあちゃんである。
生粋の島人(島生まれで島の人と結婚し、島から出ずに今まで生活してきたという)で、昔の島のことや、おばあちゃんが生きてきた歴史をかいつまんで話してくれたり、ずっと続けているクロッケーや老人会の話をしてくれた。おばあちゃんは話すときにいつも笑顔で、気持ちのいいさばさばとした口調で、話していて面白い。
スーパーで顔を合わせる私を好いてくれて、話してみたいと思ってくれていたらしい。そうして、お家にお呼ばれすることになるなんて、島や田舎だからこその体験で心が温まる。
帰宅後、まだ明るかったので彼と散歩に行く。
どんよりな空で映えなかった。
道中に野良猫を観察したり、撫でたり愛でたりして、自販機でジュースを買って、先端に座って波の流れを眺めた。
おばあちゃんが彼とうまくやりなさいと口を酸っぱくして言ってくれたので、肝に銘じて9月も過ごそうと思う。
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