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少ないからこそのいいこともある。

私の住む島の人口は、約2000人ということになっている。
スーパーで働いているが(もちろんスーパーに来ない人がいるにしても)、2000人もの人が、この島にいるようには思えない。

島は65%がお年寄りの超高齢化社会だ。
20代は数える程しかおらず、40代や50代の方たちが若い衆と呼ばれる世界線にある。
職場でも20代は私だけで、働き出した頃から、比べられるということがないので気が楽だった。都会にいると、自分の代わりなんて掃いて捨てる程いる気がしてしまうし、同年代で比較されて甲乙を付けられる事ほど自尊心を失くすことはない。
島は小規模な組織で、共に働く人も少ないので必然的に必要とされる。必要とされていることを肌で感じられると、毎日仕事へ行くことが当たり前のルーチンで、苦じゃなくなる。「自分はここで働いていていいし、役に立っている」と思える環境は息がしやすい。

私は子供の頃から電卓でスーパーの広告にある値段を打ち、トランプをお金に見立てて遊んでいるような子供だった。子供の頃に好きだったことがやりたいことや仕事のヒントになるというのは本当かもしれない。
私は主にレジ係なのだが、レジを打つのが好きだ。キーボードを叩くのも好きだし、スピードには自信がある。お客さんと他愛のない会話や世間話をするのも楽しいし、スーパーという空間がもう好きだ。埼玉にいた頃も、実家の側にあるスーパーが好きだった。


移住して、地域のバレーボールチームに入れてもらって、島にいる20代の方たちともお知り合いになることができた。バレーに行っていなかったら、今ほどコミュニケーションも無かっただろうし、楽しみも無かったので、スナックのママさんには本当に感謝している。
少ないからこそ、集まって仲良くしよう精神が生まれ、バレーチームの20代にはグループラインがあり、定期的に食事会が開催されたりする。このnoteにも時折登場するYちゃんとも、このバレーで知り合い親しくなった。

この8月の終わりに、島で同級会をしようという計画がある。
Yちゃんの職場の女の子と、別のチームの男の子が私と同い年らしく、「せっかく数少ない20代の、それも同い年の人がいるなら友達になればいいのに」というYちゃんの言葉と、Yちゃんのネットワークから同級会を開くことができそうなのだ。その会はYちゃんが幹事で(2個下だけれど)、同い年の彼の後輩くんと彼も誘った。
仕事も育った環境も全然違う、同じ島に住む者同士の輪が広がるのは面白い。うまく言えないけれど、埼玉にいた頃は広すぎて、この地域に住む同い年で集まろうなんてならないし、素性も分からない人はなんだか怖いという感じもするのに、離島になると一気に距離が縮まる不思議。


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