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ボヴァリー夫人

⚠︎ネタバレ含みます。

Amazon primeで、ミア・ワシコウスカのボヴァリー夫人を観た。

最近あまりピンとくる映画を観れておらず、久しぶりに面白い映画を観たという感じがした。



時代背景は19世紀のフランス。
分かりやすく言えば身分の高い男女は着飾り、男はハットを被り、女は華やかで苦しそうなドレスに身を包んでいる。

主人公のエマは容姿端麗で、修道院の寄宿舎で少女となり、田舎の医師シャルルと結婚することになる。
結婚に華やかな理想を持っていたエマにとって、シャルルとの結婚は退屈で、理想の夫とも言い難い。家にはメイドがおり、手料理を作れば無駄だと言われ、質素な暮らしで会話も弾まない。

そんな時に、書記官のレオンという夫より若くて端正な顔立ちをした青年が現れ、エマは簡単に心を奪われてしまう。
そして退屈な生活を送る中で、もうひとつの刺激が買い物であり、田舎町で医師の妻という身分の高い存在であるが世間知らずなエマに、商人が魅力的な数々の品物を見せては、言葉巧みに買うように仕向ける。

レオンが去ることとなり意気消沈したのも束の間、狩猟が趣味で、紳士で男らしい資産家のマルキとの関わりが始まる。
自らマルキが夫に貸したタバコを返しに行ったり、エマはまたも火遊びに手を出し、買い物も派手になっていく。

夫への愛は冷めており、手術に失敗した際には自分に触るなと怒り、ピアノを習いに行くことを口実に不倫相手に会いに行ったり、借金を担保してもらおうと仕事中の不倫相手に言い寄ったりと後半のエマは我儘で怒りっぽく描かれている。

退屈な日々の埋め合わせである不倫と散財も長くは続かず、結局は破綻の道を辿っていく。
言葉巧みにエマを持ち上げた商人から家を奪われ、レオンとマルキにも捨てられてしまい、夫にも当然ながら激昂され、絶望したエマは薬品を飲み、森の中を彷徨い人生の幕を下ろす。


ミア・ワシコウスカの演じるエマが美人で、最初は清廉潔白な少女であるのに、少しずつ女の顔となり、欲深く依存していく様が見事だった。
夫よりも容姿端麗で優れたように見える不倫相手たちや、エマが着飾って町を歩けば美しさに振り返る人々。
あぁ、若いな。夫人って呼ばれる程に成熟していないし、自分の欲に正直すぎるんだよな。と、観ている分には面白く観ていける。

映画版はキュッと収まっていて、登場人物も少ないけれど、wikiで調べたら娘や前妻もいるようだし長編小説らしいので、また違った風味で楽しめそう。

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