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生地の染色と仕上げ /Fashion Creator note magazine vol.6

次世代へ、モノ創りを伝えたい・・・
私の note への想いであり・・・
どう技術を継承すべきか、日々その問いに向き合います。

noteに出会い1年を迎えますが
みんなの生き方に、触れたことは感激です。

それと同時に・・・
日本は、いろんな問題を抱えていると実感します。

あらためて、私は何をすべきかと・・・
向き合えたことに感謝しております。

私が ミャンマーに入り、最初の印象は
これからジャングルの中で生きていくんだぁ〜
・・・という覚悟でした。

小さな露店の駄菓子屋で
おつりが、飴であったこと・・・
それが、最初の受け入れでした。

そこから、私の認識が崩れていきまたが
幸せ感が、増していくのは不思議な体験でした。

ジャングルの中に生きていても
川のゴミを拾う、若者はいます。

自分の生活と同様に
野性の生き物を保護する子供もいます。

当初、それが 不可解でしたが・・・
ミャンマーのスタッフと一緒に生きていると
彼女らが、何を大切にしているのか理解できました。

クーデターの中、苦しい生活環境でも・・・
先生は元気に生きてください、というメールに
彼女らが大切にしている生き方は、変わらないと思います。

日本で生きていく上で、お金は必要ですが・・・
自分の生き方を育んでいくことは、もっと必要です。

私は みんなが、自分らしい生き方を
見つけてほしいと願う・・・それだけです。

ミャンマーの彼女らは、ファッションが好きですが
服を買うお金はありません。しかし、本は読みます。

おしゃれは、持っている服をアレンジするだけ・・・
え〜何それ、と言いたですが、それでいいんです。

学ぶことを優先する彼女らが、私は好きです。
・・・とっても、輝いています。

私は、限られた枚数しか創れませんが
誰と出会い、誰と共に生きていくか・・・
私には、それがいちばん大切です。

そして、ファッション産業においても・・・
若者が、夢を抱けるように挑みます。

2022年、noteで素敵な仲間に出会い
・・・ 心から感謝しております。

2023年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

『生地の染色と仕上げ』

それでは ファッション産業における業務知識としてご案内ます。
今回は、No. 304〜 376 となります。 

304. 染色加工

織編等により出来上がった生地(生機)は、そのままでは服になりません。染色・仕上げ加工を施し、意図するデザインや風合いなどに作り上げ、縫製後の着心地まで調整して、製品反(反物出荷)になります。

305. 染色加工の流れ

精練・漂白、染色・捺染、仕上げ加工、特殊加工などを一括して染色加工と言います。これを行う業種を染色加工業、染工場と言います。染色加工は一連の流れで行われ(別添図)、染色方法は(別添図)などございます。すべてを一貫して行う大手工場がある一方、各工程を専業で行う中小工場がございます。

生機は「反継ぎ→毛焼き→糊抜き→精練→漂白→シルケット加工→染色→特殊加工→仕上げ」のプロセスで製品反になります。

306. 反継ぎ

生地をミシン掛けなどでつないで加工に適した長さにすること。

307. 毛焼き

この段階では生地の表面に毛羽が出ています。意図した加工効果を得るためにガスの炎や電熱で毛羽を焼いて取り除き、表面を滑らかにします。

308. 糊抜き

織布前に経糸につけられた糊(経糊付け)を溶かし去ること。 

309. 精練

これまでの工程でついた不純物を取り除き、絹織物は後練りでセリシンを除去します。羊毛織物の場合は、洗毛が精練に相当します。 

310. 漂白

糊抜き、精練では色素不純物がほとんど除去できないため、これを取り除き、生地を白くします。また染色で求める色を表せるように生地を整えます。 

311. シルケット加工

マーセライズ加工とも呼ばれます。シルケット加工は和製英語で、日本のみで使われます。綿糸や綿織物、綿ジャージーなどに施し、光沢や張り、腰を生みます。糸の段階か布の段階でなされるほか、両段階で施されるダブルシルケットもあります。布の段階でシルケット加工を施すことを反シルと呼びます。

312. 特殊加工

デザイン意図や用途などによって特殊加工がなされます。例えば、ワイシャツ地には漂白した綿織物に白さを与える蛍光増白が施されたりします。起毛加工や防縮加工、柔軟加工、しぼ寄せなど様々あります。

313 浸染

染色は浸染と捺染に大別されます。浸染は、狭義には生地や製品(服)をまるごと染める方法ですが、広義には繊維や糸、生地、製品を染液に浸して糸の芯まで均一に1色で染める方法を言います。先染と後染に分けられます。一方、捺染は生地に模様を染める染色方法の総称であり、型版(型紙)で色糊を生地に印捺する、つまりプリントになります。

314. 先染

生地になる前の状態で染めることを先染と言います。原液着色、バラ毛染、トップ染、糸染があります。

315. 原液着色

1色に染まった繊維(化学繊維)を作る方法になります。原液に染料または顔料を加えて着色し、紡糸します。これによりできた色糸を原着糸と言います。

316. バラ毛染

羊毛織物の織糸作りに使われる方法で、紡毛を繊維の状態(バラ毛)で浸染することです。

317. トップ染

梳毛のスライバー(糸になる前のわたの束)を筒状のトップに巻き上げた状態で浸染することです。この染め方による糸をトップ染糸、トップ糸と言います。染色後に様々な色のトップを混ぜて紡績すると、霜降糸など微妙な色合いの糸を作ることができます。

318. 糸染

糸の段階で浸染して染糸を作ることです。糸を染めるときの糸を巻いた形態によって、綛染、チーズ染、ビーム染に大別されます。

綛とは綛枠でゆるやかな輪状に巻き取った糸の束のことです。この綛を回転させながら染料を噴射して染めます。小ロット生産向きで、チーズ染は量産向きであり、糸染の主流の生産方法です。チーズとはボビンを芯にして巻いた糸のことで、これを大量に釜にセットし、一気に染めていきます。ビーム染は、ビームという多孔の円筒状のロールに長さを揃えた経糸を幾重にも巻き付け、染料を孔から貫流させて染めます。経糸専用の量産向きの生産方法になります。

319. 後染・反染

反物状の生地になってから浸染する方法です。無地の織地や編地を染める、捺染に備えて地染した生地(プリント下地、P下)を作るだけでなく、先染織物の後染もできます。生地を構成する繊維の染色性を生かす異色染やクロス染、さらに色柄が施されている織物の全面に異色を重ねて新たな配色効果を得ることなどが可能になります。

320. 異色染

後染で2色以上の色に染めることです。染色性の異なる2種の繊維を混紡、交織した無地を、一方の繊維には染まりますが、一方の繊維には染まらない染料で染めると、2色の生地ができます。2種の繊維が混紡された生地の場合は霜降り調、交撚されたものは杢糸調の生地になります。縦縞や格子柄に染めることもできます。

321. クロス染

異色染の一種で、染色された繊維と未染色の繊維を混紡、交織した後に、未染色のほうの繊維を染色することです。

322. 片染

複数の繊維からなる混紡、交織した生地のうち、片方の繊維だけを染色し、もう片方は晒しのまま残す染色方法、白残しとも言います。着色部分と染色部分の異色効果が得られます。ポリエステル・綿混紡品などによく用いられます。

323. 後染・反染の染め方

大きくは2タイプの染か方があります。

324. 生地を広げた状態で染める

生地を1本のローラーに巻き、それをもう1本のローラーで巻き取る途中で染液にくぐらせて染めるジッガー染色機、生地をメッシュ状に孔のあいた円筒に巻き付けて染液を噴出させて染めるビーム染色機、生地を一定方向に引っ張りながら「染色→乾燥→クーリング→スチーム→ソーピング→乾燥」を連続的に行う連続染色機があります。

ジッガー染色機とビーム染色機はバッチ式と呼ばれ、染色機の容量で一度に染められる単位(ロット)が決まります。染色機の容量を超える場合はロットを分割して染めます。小ロットの染色向きと、それに対して連続式は、全量を途切れることなく染色することができ、染色から乾燥までの加工工程を一気通貫で行えます。少品種大量生産向きの方式です。

325. ロープ状にして染める

生地を手拭いで絞ったようなロープ状にして染めます。ロープ状になった生地をリールで回転させて染液の中を循環させながら染めるウインス染色機、染液の噴流の中にロープ状の生地を流して循環させながら染める液流染色機があります。

326. 捺染

後染であり、プリント生地を染める方法である捺染は、染料や顔料を色材として使います。浸染が染液に浸して染めるのに対して、捺染は型版を使って色糊を生地(プリント下地)に印捺させます。その際、染料と顔料では染料の性質が異なるため、捺染工程も異なります。

染料の場合は、印捺した生地を蒸熱して染着させ、水洗、加熱洗浄をして余分な色糊を洗い落とし、染着を確かなものにして、乾燥させ、服地になります。顔料の場合は、印捺した生地を乾燥処理して顔料を固着させると、服地になります。顔料によって捺染した生地を顔料プリントと呼びます。大きくは2種類の捺染方法がありますが、染料を使った色糊を媒体として染めるケースが一般的になります。 

327. 捺染技法

捺染には主に4つの技法があり、直接捺染、抜染、防染、防抜染になります。 

328. 直接捺染

染料や糊料などを混ぜた捺染糊を使い、模様を直接生地に印捺することです。絵柄を色別に焼き付けるシルクスクリーンや、絵柄を彫ったローラーによって、模様を出します。白生地に印捺する場合(オーバープリント)と、無地に染めた生地に印捺する場合(地染オーバー)があります。

329. 抜染

地染した生地に、染料を分解する抜染剤を混ぜた捺染糊をプリントして色を抜きます。抜染糊で地色を抜き、白くした部分で柄を表すことを白色抜染と言います。地色を抜くと同時にその部分に柄色を差し、模様を表す着色抜染もあります。 

330. 防染

染まることを防ぐ防染剤を含んだ防染糊を生地に印捺した後、生地全体に地色を印捺または浸染すると、白く抜かれた柄が現れます。これを白色防染と言います。染料を混ぜた防染糊を使い、防染しながら柄色を染め着ける着色防染もあります。

331. 防抜染

着色抜染と着色防染を組み合わせた方法で、可抜性染料の地色を、抜染剤を含んだ色糊で抜いて、色柄を表します。地色を先に与えてから柄色を与える先抜きと、柄色を先に与えてから地色を与える後抜きがあります。扱きとは地色を与えることです。

332. 捺染の方法

捺染は、スクリーン捺染機、ローラー捺染機、インクジェット捺染機、転写捺染機などを使ってなされています。機械は生産量やデザイン、生地特性、生産日数、コストなどによって使い分けられます。このほか、日本のきものは手捺染や型捺染で様々な伝統の色柄が染められています。ここでは機械による捺染を中心に解説します。

333. スクリーン捺染

スクリーンとは、模様を印捺するために生地に密着して色糊を通す型のことです。平らなフラットタイプと円筒状のローラータイプがあります。

フラットスクリーンを使う捺染の最もシンプルな方法が、ハンドスクリーン捺染になります。生地を台に張り付け、型を生地表に置いて色糊を載せ、人の手でスキージ(ヘラ)をかいて印捺します。使用できる色数も多く、職人の技術と感性が表現される捺染方法です。これと同じ原理を機械化したものがオートスクリーン捺染です。エンドレスベルトで移動してきた生地が止まると、そこに型が降りて密着して印捺し、次の型が降りてくる位置へ移動します。量産向きですが、スキージは直線的な動きのため、ハンドのような作業の自由度はありません。

ローラータイプの型を使うのがロータリースクリーン捺染です。エンドレスベルトに乗って移動してきた生地に、ロータリースクリーン型が回転しながら印捺します。精密に繰り返される柄(水玉や市松、縞など)の表現に向きます。

334. ローラー捺染

柄を凹状に彫刻したローラーに色糊を載せ、これが回転しながら生地に印捺します。リピート柄のプリントに向きます。機械捺染ですが、意図した染色表現になるよう装置の調整に職人の技術と経験を要する方法です。

335. 転写捺染

乾式転写捺染が主流となります。色柄を分散染料でグラビア印刷した転写紙を生地に圧着・加熱することで転写します。転写するだけなので自由な絵柄が作れ、水洗などの後処理が不要と環境にも優しいと言われますが、生地表面への転写のため染色表現は浅くなり、昇華堅牢度が低いためアイロン掛けには注意が必要です。

 

336. インクジェット捺染

無版プリント、デジタルプリントの一種です。印刷と同じ原理で、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを生地に噴射し、デジタルデータ化した色柄を印捺します。デジタル化により作業工程の省略や工期の短縮、さらに染色に伴う水洗・排水処理が不要なため環境負荷の低減につながるなどメリットは多いと言われます。ただ、現時点では捺染機やインクなどが高価で、染色表現もまだ進化の余地があります。

337. 後加工

染色後に施す加工のことを後加工と言います。不純物を取り除き染色堅牢度を高めるためのソーピングやフィックス処理(水に対する堅牢度を高める)と、風合いや光沢を改善するための仕上げ加工などがあります。前者を後処理、後者を後加工と区別することもあります。ここでは仕上げ加工に集約し、その他の加工を特殊加工として解説します。また、生地の仕上げにはその後の縫製をしやすくする役割もあります。

338. 仕上げ加工

染められた生地は、余分な染料や薬剤などを界面活性剤や酵素などで洗い落とすソーピングが施されます。これを乾燥させ、仕上げを行います。 

339. 形態・寸法を安定させる加工

一般的な仕上げでは、製品としての生地(テキスタイル)の形態(寸法)を安定させる加工が施されます。繊維の特性や製織過程で加わった様々な力などにより、生地は歪んでいるからです。そのまま縫製すると洗濯を重ねるうちに型崩れを起こすため、生地の状態で幅の寸法を正す(幅出し)、地の目を通す(布目調整)、斜行を直す、しわを伸ばすなどして整えます。これをセット加工またはセットと言います。天然繊維(再生繊維を含む)は親水性のため水や蒸気による加工、合成繊維は熱可塑性のため蒸気や熱による加工(熱セット)になります。

編物の中でも丸編地は円筒状に編まれていることから、2つの仕上げ方法があります。

340. 丸仕上げ

生地を円筒状のまま押し圧して平らにし、編目をまっすぐに整え、蒸気や熱などで幅出しをします。筒状仕上げとも呼びます。

341. 開反仕上げ

円筒状の生地を縦方向に切り開き、平らな1枚の編地にして整えます。カットソーに使う編地に行う仕上げ方法となります。
開反仕上げでは、切り開いた両耳(生地の端)が曲がらないよう、両耳に一定幅で合成樹脂を塗り付けます(ガミング)。この部分は後の工程で切り捨てられるため、編地幅には含まずに生地設計を行います。

342. 生地の特性を生かす加工

織物や編物に使われた繊維の特性、糸の構造、組織などを生かし、風合いを出したり、服になったときによりおしゃれで着心地良くするための加工を施します。

例えば、綿織物には艶出し、しわの発現、防縮の加工を施します。綿繊維の可塑性、吸湿性、収縮性を生かします。羊毛織物には縮絨、起毛、剪毛、刷毛(毛羽立てて光沢を作る)、ナッピング(小さな玉状の毛羽がある外観にする)、プレスなどを施します。これは縮絨性を生かす加工です。絹織物は、絹繊維の色沢(色艶)を発現させる艶出し(フェルトカレンダー仕上げ)や、縮緬のしぼ寄せなどがあります。ポリエステル織物にはヒートセット、プリーツ加工、シレ加工、ティッシュ加工などが施されます。

343. 特殊加工

特殊加工とは、生地の付加価値を高めることを目的とした加工のことを言います。服になったときの着用用途によって必要とされる機能やファッション性があり、それらニーズを満たすために多様な加工技術が開発されてきました。それは機能面の加工と、感性面の加工に大別されます。

主に次のような加工方法があります。 

<機能を改良・付与する加工>

344. 防水加工

水が浸透しないよう生地にコーティング加工やラミネート加工を施します。

345. 撥水加工

シリコンやフッ素で生地をコーティングして水を弾くようにします。

346. 防縮加工

主に綿繊維の縮みを抑えるサンフォライズ加工、羊毛織物へのクロリネーション、合繊織物へのヒートセットなどがあります。

347. 防虫加工

動物繊維の虫食いを防ぐ加工です。

348. 防汚加工

合繊などの疎水性繊維生地や混紡生地に汚れがつきにくく落ちやすくなります。

349. 難燃・防災加工

生地を燃えにくくします。 

350. 帯電防止加工

合成繊維などの静電気を発生しにくく逃げやすくします。 

351. 抗菌防臭加工

臭いの原因菌の増殖を抑えます。

352. UVカット加工

紫外線吸収剤をコーティングまたは繊維に塗り込みます 

353. ボンディング加工

2種類の生地を接着剤で張り合わせ、1枚の生地にします。生地の組み合わせによってデザイン性、機能性が変わります。

354. ウォッシュ・アンド・ウェア加工

樹脂加工によって、洗濯をしてもすぐに乾燥し、すぐに着用できるようにする加工となります。

<風合い・外観を変える加工>

355. 艶出し加工

カレンダーという織物整理機械で織物の生地を固め、光沢を出し、布目を平たく滑らかにするカレンダー加工、その一種で蝋や厚糊を使って生地に艶を出すチンツ加工などがあります。

356. 起毛加工

生地表面を毛羽立てる加工です。生地にボリューム感を出し、柔らかなシルエットを生みます。 

357. フロック加工

接着剤を塗布した生地に短く切った繊維を、静電気を使って直立状態で植え付けます。ビロードのような布面になります。

358. 減量加工

ポリエステルの生地表面をアルカリ溶液で溶かし、繊維を細くすることで柔らかなシルエットを作ります。 

359. 糊付け加工

生地の裏に糊を付けることで厚みを変え、求める風合いにします。

360. リップル加工

セルロース系の繊維に部分的に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を浸して、凹凸やしぼをつけます。シアサッカーやクレープのような表面感になります。似た加工に塩縮加工があります。

361. オパール加工

生地に透かし模様を入れる加工法です。酸に溶ける繊維(綿やレーヨンなど)と溶けない繊維(ポリエステルなど)からなる生地に糊で抜染して模様をつけ、酸性の薬品に漬けると、糊がついていない部分の酸に弱い繊維が溶け、酸に強い繊維と糊で模様をつけた部分が残り、透かし模様になります。

362. 型押し加工

皮革や布地を模様など彫った押し型で圧し、浮き出し(エンボス)模様を作ります。エンボス加工とも言います。

363. しわ加工

生地にしわをつける加工です。セルロース繊維は型をつけた後に樹脂加工で合成繊維は熱セットで耐久性のあるシワを作ります。

364. ワッシャー加工

生地または製品を専用の洗浄機で自然なしわの風合いを与えます。

365. パンチング加工

生地に穴をあける加工です。生地の風合いを変え、通気性も良くします。

366. 擬麻加工

綿やポリエステル・綿混の織物に麻のような風合いや外観を与えます。

367. 製品への加工

染色は必要に応じて製品化された後も施されます。製品染と製品の洗い加工になります。

368. 製品染

縫製された服の状態で浸染することを製品染と言います。後染の一種ですが、服は立体的な形になっているため均一に染めることが難しく、濃淡や色斑が出ますが、それが1点ごとに異なる微妙なニュアンスを生み、魅力となります。染めない状態で服を備蓄しておき、期近・期中生産に対応するケースもあります。

369. 製品洗い

製品に施す洗い加工のことです。洗うことで製品をきれいにしたり、消費者の手元に渡ってから洗濯で縮むことを抑えたりすることはもとより、製品に洗い晒し感やビンテージ感を出すなどの効果を生みます。ウォッシュアウト、ブリーチアウト、ストーンウォッシュなどの加工方法があります。

370. 毛織物の整理

毛織物の仕上げは整理と呼び、他の織物とは異なる方法・工程が採られています。がさついた生機を光沢のある手触りの良い毛織物に整えていきます。

梳毛織物の整理工程は、「毛焼き→煮絨→洗絨→脱水→反染→縮絨」の下場(精練・漂白など)を経て、「乾燥→剪毛→刷毛→艶出し→蒸絨」をして検反し、製品反になります。

一方、紡毛織物の整理は基本的に「毛焼き→洗絨→縮絨→湯伸し→乾燥」の精練工程、「起毛→剪毛→刷毛→蒸絨」の仕上げ工程を経て、検反されて製品反になります。ただし、品種や工場によって工程は様々です。

371. 毛焼き

生機の表面に出ている毛羽をガスの炎で焼き、表面を滑らかにすることです。

372. 洗絨

石鹸か、洗剤を溶かした湯槽で生機を回しながら洗い、汚れを落とし、柔軟性を生みます。

373. 縮絨

生機に湿気や圧力(揉み)を与え、羊毛繊維のフェルト収縮性(絡み合い縮む)を生かして、地を詰まらせて寸法を安定させます。縮絨の強弱により毛織物としての腰や風合いが決まります。縮絨に通すことをミルド、ミルド仕上げと言います。

374. 起毛

生地表面を針布や薊の棘で引っ掻いて、糸から繊維を引き出し、毛羽を立てます。

375. 剪毛

起毛した毛羽を剪り揃えます。これにより、生地に風合いや艶を生みます。シャーリングとも言います。

376. 蒸絨

生地に蒸気で湿気を与え、冷却することでセットし、艶と柔軟性を与えます。これが最終工程となりますが、検反で欠点が見つかれば職人が補修してフィックスします。

以上の内容となります。
・・・ ありがとうございました。

<ファッション産業の情報を整理する目的>

私が情報を番号区分している意図は
ファッション専門学校で、学んでいない方も
プロとして服作りができるようにしたい・・・

海外から日本を目指す若者にも
プロセスを理解できるようにしたい・・・

日本から海外を目指す若者にも
現場で対応できる英語も記載したい・・・

それが、私のはじめの1歩です。

次代は、企画から設計の多くのプロセスが
自動化され、業務の守備範囲は変わります。

それでも人間が創造力を高め、助け合い
モノ創りをすることは必要になります。

想いを込め創るモノ作りは
・・・ もっと必要になります。

なぜなら、心が通じあうものに
・・・ 幸せを感じるからです。

私は、そう信じています。

私の時代は・・・仕事でも
手の届く範囲を極めれば一人前になれました。

これからのモノ創りは
ぜ〜んぶ、一人でこなせる楽しい時代になります。

どんな時でも、ウキウキする心が大切
いつも眉間にシワ寄せる私は
・・・そう自分に言い聞かせています。

来年は、あせらずに小さな1歩を挑みます。
どうぞよろしくお願いいたします。
2022.12.28. 感謝月  水谷勝範

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