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快談水宮チャンネル 14
お気づきでしょうがこのシリーズ、怖い怪談じゃなくて快談です。今日もカッ飛ばせ水宮。
①思った通りになっとります
30年来の友人、N子さんは昔から「引きの強い」人だった。
坂田靖子さん描くマーガレット奥さんのように可憐で無邪気で活発な彼女。一緒に出かけると、百発百中で素晴らしいハプニングに遭遇する。
秋の花の話をしながら歩けばふと甘い香り。
「あら?いい香りね…何かしらこれ?」
「これ、銀木犀ですね」
「ええ?金じゃなくて銀もあるの?」
「ええ、えーとね花の形はそっくりなんですけど銀色じゃなくて…」
と説明したとたん彼女が植え込みに目を留めた。
「あ。それです」
あまり多く植えられていないし都心部のことで驚いた。
お腹すいたわねと話し合えば探さないでもすぐお誂え向きのレストランやカフェが現れる。
「こないだテレビで見たんだけど◯◯公園に面白い物があるらしくて」と言えば労せずして見つかるばかりか都会の真ん中に天国のようなしろつめくさの広場まで発見し、
「東京で70年生きてるのに知らなかったわ!」と座って和んだり。
とにかく彼女はその時いつも望みのもの、しばしばそれ以上のものを即座に寄せる。
というか「彼女が住む世界」ではそういうシステムになっているのか?
この疑問は近年解けた。なぜなら私もそうなっちゃったから。
他にも人生でそういう人に二、三出会った。
②やっぱり奴はついて来る
先日、五月晴れの中を自転車で走っていた。
郵便局に用があったのだがすぐ近くに神社がある。
実はN子さんのご主人が入院された(深刻なものではないとのこと)のでお見舞いを送りに行ったので、神社はそりゃ行けばいいじゃん。
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ところが私という奴、鳥居を潜った途端いつも気持ちよくて忘れちゃう。もともと願い事はしないがこんな時くらい彼女のご主人の快復を祈ればよいものを。
それにT兄だって個人事業主として本来の溶接職人で頑張り始めた。それだって安全祈願や繁盛祈願してあげれば…。
でも忘れちゃう。
柏手打って手合わせて高校球児のように
「あっしたー(ありがとうございましたー)」つってたちまちくるんとバイバイしちゃう。
帰り、あいつが上空に現れた。
数年前、刑務所に行ってしまうT兄のことを案じて、
「おまえ。飛んでいって守ってやって」とお願いした神社の杜のとんび。カイトと呼んでいる。私は友達に会えて、そいつが五月の青空を楽しんでるのがうれしくて
(カイト!久しぶり!大好きだよ!)と笑いかけた。
かれは私を狙ってるわけじゃないだろうが(食べ物ないし)、自転車のあとを長いこと、低い位置でついてきた。
いつかは、そしていつもありがとう。
交差点で別れるまでずっと一緒だった。
渡った途端、道端にこの花を見つけた。
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睡蓮。かつて私が自費出版した時の筆名だ。
水と空気と土の交差点にある花、というのが気に入って何者ともつかぬ自分に与えたものだった。
交差点を渡って?ものを書くことが生きがいだった私と同じ花をくれるとは?
粋ね、もう。
③肌の違い
理由は分からない。ことに今年に入ってからだろうか。
自分の肌の肌触りが気持ち良すぎる。
だからもう、スリップで寝てたのが最近ではマッパで寝ることにしてる。
赤んぼの頃、フアフアやわらかなタオルを始終離さず(他のことでは一切手がかからずいつも上機嫌だった私がそれを取り上げられた時だけはギャン泣きしたという)にいた。
T兄が買ってくれた毛布がもう気持ち良すぎて辛抱たまらないのだ。
肌が、すべすべもちもちなめらかになってきた。獲れたて鮎🐟みたい。体重は変わらないし食べ物も水(と酒タバコ)も変わっていない。9時10時に寝ちゃって丑三つ時に起きちゃうライフスタイルも変わらない。
が、これは…。
下手したら20代10代小学生の頃より「ええ肌」になってる?
T兄。ピッチャー夜這ってこい。この肌とくびれが目に入らぬか。はーやくしないと胸しぼんじゃうよっ(焼き芋屋さんの感じで)。でも来るのは巨大子猫の小次郎だけ。そして小次郎はなぜかT兄の腕にしがみついてさかっています。小次郎。ブッ飛ばすぞ。
でもいいものだ。こんなええもん自分で独り占め←言ってて悲しくねえのか水宮。
しかし私の膝も万全でなし、痛風&おなかの気になり出したT兄と
「プール行く?」なんて話したりもする。
水着欲しいな。
私は小学生の頃、全校1000人中通年一位だったものがある。
ひとつは前屈、もうひとつが肺活量。
プールでの自由時間はいつも水底に座って皆がはしゃぐのを眺めて楽しんでいた。
精神科に5回ブッ込まれた時にひたすら描いていた絵を、付き合い始めた頃T兄に見せた。それまで滅多に人に見せたりしなかったが。
T兄は眺めて、ぼそっと言った。呆れてではなく、やるせないというように。
「おまえ。病院で一人でずっとこんなんばっか描いてたのか」
「?ウン」
でもやっぱ彼にはキモいようなので、今は自室にあります。
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