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社会性を育てるために

お友達とうまく関われない、遊びがなかなか広がらない…これらは、社会性の育ちに関わる内容です。社会性は、社会で生きていくうえで、必ず必要になってくる力です。子どものうちから少しずつ育てていきたい力の1つですね。

社会性を持たせる為には、社会のルールや常識を身につけさせ、他人の気持を推し量ることが大切であることを理解させます。
では、どうやって理解させていけばよいのでしょうか。具体的なやり方の一例を以下に記しますので参考にしてみて下さい。


◎ あいさつをする
挨拶はコミュニケーションの第一歩です。“こんにちは”、“さようなら”、“ありがとう”などといった挨拶で、円満な人間関係を築くことが出来ます。
また、自分から挨拶するだけでなく、他人からされたときに、無視したりうなづくだけにならないよう、同じように返事を返すこともあわせて教えます。

◎ 駄目なことはきちんと伝える
いくら好きでも、やりたくても、やってはいけないことが社会にはあることを伝えます。その中で「我慢すること」を学習します。
他者に迷惑をかける行為、社会のルールを破る行為、自分を傷つける行為の3つは決してしてはいけない行為です。
こういう行為が見られたときは、しっかりダメだと伝えます。理由をくどくどと言わず、簡潔明瞭にまとめて話し、子どもに復唱させます。何がいけないかを子どもが理解していくことを目的とします。できたらしっかり褒めてあげましょう。

◎ 話を聞く態度を教える
ぐにゃぐにゃしたり、視線を合わせなかったり、落ち着かなかったりするのは、話を聞く時に「どのような姿勢をとっていいかわからない」場合があります。
話を聞くときには、話している人の顔を見る、背筋を伸ばして立つ(座る)など、具体的に絵や写真を用いながら示して伝えます。また、姿勢を保てないのは、筋力が原因の場合もありますので、障害特性に合わせる必要もあります。

◎ 声の大きさに気づかせる
声の大きさがコントロールできないと、なかなかうまくお友達と関われない場合があります。お友達に話かける声の大きさなどを調節しやすいように、具体的に数字で表したりして知らせます。テレビの音量がイメージとしてはわかりやすいのではないでしょうか。

◎ 負けても騒がない
社会性を学ぶ為にゲームを用いることがあります。これは、ルールを意識したり、「負ける」体験をしたりするのに役立つからです。
ゲームのルールが理解できなかったり、負けたりすると怒り出すことが往々にしてありますが、そうならないために、ゲームを始める前にきちんと約束をしておくことが大切です。子どもに分かる言葉で、分かる範囲のルールを設定します。
そして、事前に確認したルールは必ず守らせます。また、ゲームをめちゃくちゃにしてしまったら、やり直して再度取り組ませることを続けます。
負けて騒いでいる間は冷静に待ちます。ここで、言葉を挟むとよけいに騒いでしまいます。落ち着いてきたら、事前の約束を言葉で言わせて確認させます。
負けても騒がなくなったら「負けても怒らなくなったね、えらいね。」など、言葉にして、しっかりと褒めてあげましょう。ですが、褒める言葉も簡潔に。

◎ 感情を言葉にさせる
自分の思い通りにならないと、泣きわめいたり暴力をふるってしまう子がいます。それ以外の表現方法を知らない為に、不適切な行動に出てしまうのです。
「悔しい」「嫌だ」「悲しい」「○○したい」など、気持を言葉で表す練習を少しずつ進めていきましょう。初めは大人が代弁してあげてください。「悔しいんだね。」「○○したかったんだね。」など、感情に気づかせ、徐々に言葉の引き出しを増やしてあげます。
「がまん、がまん。次があるさ」など、気持ちを落ち着けられる / 気持ちを切り替えるような“おまじない”の言葉を教えてあげるのもひとつの方法です。

◎ 状況にあった言葉を教える
いきなり人のものを持っていくのは、自分のものと人のものの区別がついていなかったり、ものを借りる時のコミュニケーションを理解していないことによる場合があります。
ものを借りるときは、黙ってとらず「貸して」と言う。「どうぞ」といわれたら「ありがとう」とお礼を言う。困ったときは「わかりません。教えてください。」と言う。
こんなやりとりをルールとして、ゲーム感覚で練習させます。


これらは、あくまで一例です。ですから、対応は子ども個人々によって変わってくると思います。どんなやり方がその子にあっているのか、スタッフ同士で情報交換しながら、よりピッタリくるやり方を模索してみてください。
ただし、どんなやり方にも共通項があります。それは、

①一貫性をもったやり方で接する
②子どもが理解できるようなやり方で行う

の2点です。
それ以外は、何も制限はありません。様々なアイディアを出し合って、子ども達が“生きていきやすい”やり方の引き出しを増やしてあげてください。

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