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愛すべき芸術たち

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書籍、映画、舞台、展示会などのレビュー。 大切な私の生きがい。
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#読書レビュー

物語ることで人は生きるし、世界は広がる|『熱帯』森見登美彦

最近小説を読むことから遠ざかり、ビジネス書や新書ばかりを手に取っていた。森見登美彦作品が…

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山崎ナオコーラの言葉を愛し始めた私

最近の私は、エッセイ本を連続して読んでいた。すべてに共通していたのは、私が小説を読んだこ…

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言葉を多くは知らない子どもたちのイノセントな情動|『あこがれ』川上未映子

まだ語彙が豊富でなかったころの自分の感情を、もうはっきりとは思い出すことができない。洗剤…

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才能には多様性があり、それぞれは共鳴し合う|『蜜蜂と遠雷』恩田陸

宮下奈都さんの『羊と鋼の森』で音楽を文学で表現する作品に魅了され、私が次に手を取ったのが…

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コンビニ人間が歩く正常と異常の境界|『コンビニ人間』村田沙耶香

小鳥の死骸を見て、「父親が好きだから持って帰って焼き鳥にしよう」。 喧嘩を止めてと言われ…

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ミステリー小説の世界はどんどん速度を増していく|『沈黙のパレード』東野圭吾

東野圭吾さんの『沈黙のパレード』を読了した。久しぶりのガリレオシリーズ。といっても私は欠…

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小説『羊と鋼の森』に思う音楽と世界の関係性

『羊と鋼の森』宮下奈都   2016年本屋大賞受賞作。初版6,500部からの異例の出世というこの作品。山﨑賢人くんが永遠真剣な表情を見せ続けてくれる予告編をテレビで見かけるようになって、「あ、そろそろ」読まなければと思い、秋のはじめにようやく読了。12月19日に映画のBlu-rayとDVDが発売されるこんなタイミングに、今さらの原作レビュー。 ※映画は観ていません!あくまで小説の感想です。 見習い調律師の主人公 外村が、ピアノの音色に魅せられてから一人前の調律師になるスタ