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ペルソナ4ザ・ゴールデンから学ぶマインドの正しい成長過程

ゲームとか漫画が好きでいろいろ手に取るんですが、
中には人生観を変えてくれた作品もいくつかあります。

そのうちの1つがペルソナ4ゴールデンというゲームです。

この作品の何が面白いかっていうと人のマインド、
価値観や思考傾向などが成長する過程をうまく描いてる。

主人公を通してその過程を疑似体験できるところです。

すでに持っている場合は内容を踏まえてプレイし直してみてもらえると、
その過程がよくわかるようになると思いますよ。

持ってないという場合もぜひ一度はプレイしてみてほしい作品です。

では、本題に入っていこうと思いますがこの記事では、
物語の根幹などにも多少触れることになります。

ネタバレなどが嫌な場合は気をつけてください。


ペルソナ4ザ・ゴールデンとはどのようなゲームなのか


はじめにペルソナ4ザ・ゴールデンンの概要について話しますが、
ここでは内容についてどのような解釈をしているかなども話してるので、
プレイしたことがあっても一度は読んでみてほしいと思います。

では、どんなゲームなのかまず簡単にまとめると、
主人公が引越し先で精神の影響を受ける異世界で事件に巻き込まれ、
それを仲間と共に成長しながら解決していくものです。

主人公は両親の仕事の都合から八十稲葉という田舎町のおじの元で、
1年の間八十神高校に通いながら過ごすことになります。

その直前にベルベットルームという世界に入り込んだ主人公は、
引越し先の地で災いに巻き込まれ事件を解決する使命を背負う、
解決できなければ先はない可能性もあるということを告げられます。

ちなみにベルベットルームとは精神と物質、
夢と現実の狭間にある空間と言われていますが、
これはようは意識と無意識の間にあるということです。

ペルソナ4ザ・ゴールデンというかペルソナシリーズでは一貫して、
現実の世界とは別に精神(心)を軸とする世界があります。

この物語では精神の世界はテレビの中の世界として描かれていて、
そこは人々の集合的無意識の影響を強く受けている場所です。

基本的には霧がかかって視界が悪いのですが、
現実世界が霧に包まれる日だけは霧が晴れる。

加えて中にはシャドウと呼ばれる存在がいます。

心理学におけるシャドウは人が何らかの理由で否定し、
受け入れられず抑圧している感情などを指すものです。

テレビの中の世界ではこのシャドウが実際の形を持って存在し、
霧が晴れる日に動きが活発になり暴れだします。

主人公はあることをきっかけにそんなテレビの中の世界に、
自分から入っていける力を得るのです。

そして、中にいたクマという謎の存在と出会うことで、
テレビの世界を悪用して事件を起こしている存在がいることを知る。

転校して知り合った人の関係者がその事件に巻き込まれ、
命を落としたことがきっけで自身も巻き込まれることとなり、
クマと事件の解決を約束し解明のために奔走することになるのです。

以上が簡単なあらすじですね。

ここからはペルソナ4ザ・ゴールデンというゲームを語るうえで、
欠かせない要素についていくつか解説していこうと思います。

まず、ペルソナ能力。

先に話したようにテレビの中の世界では精神的なものが、
物質的な形として存在する世界です。

主にシャドウですがテレビの中の世界の真実を探ったりすると、
敵対者として認識し襲いかかってきます。

テレビの中の世界のシャドウは真実から目をそらしたい、
苦しいなら何も見えなくていいという人の抑圧した感情、
無意識の一部が形をもって活動する存在です。

なので、霧が晴れて視界が良好になると暴れだし、
真実を探ろうとする存在を敵とみなします。

事件の真実を探ろうとする主人公たちは当然襲われるので、
それから身を守る術が必要になる。

その術がペルソナという存在を発現させる能力です。

ちにみに、心理学におけるペルソナは外界と接する際の仮面、
環境や他者との関わりがスムーズに行えるように、
あるいは自身を守るための人格の一側面という意味があります。

テレビの中の世界ではペルソナもシャドウと同じで、
そういった精神の一側面が形を持ったものですが、
無意識ではなく意識が反映された存在。

無意識に流されず制御しようという人の意識的な力が、
シャドウから身を守る鎧として実際の戦力として発現するのです。

次がコミュニティとアルカナ。

主人公は他の仲間達とは違い理由は後に詳しく話しますが、
複数のペルソナを自由に付け替える能力があるのです。

このペルソナは主人公の精神的な成長によって、
様々な種類のものを作成することができるようになります。

主人公の精神的な成長は作品の中では、
複数のコミュニティと呼ばれるものを育むことで表され、
1つのコミュニティに1から10の段階がある。

また、コミュニティはタロットの大アルカナに対応していて、
成長したコミュニティに対応したアルカナのペルソナが、
どんどん新しく作れるようになっていくのです。

例えば仲間の1人は魔術師のアルカナに対応したコミュニティで、
それを1から2に成長させていくと2の段階までの魔術師のペルソナを、
自由に作成し付け替えられるようになっていきます。

ちなみに、このゲームは能力値等を引き継いで周回プレイできるのですが
きちんと進行度とかを管理して適切に進めれば最初のプレイで、
全コミュニティをMAXにすることもできます。

いくつかの要素を引き継いではじめられる2周めだと、
より簡単にできるようになりますよ。

いろいろお話しましたが1年間で精神的に成長しながら、
ペルソナ能力を磨いていき事件の黒幕を見つけ出し、
解決することが目標のゲームなのですね。


ペルソナ4ザ・ゴールデンは主人公が自己を確立する物語


概要について1通り説明したところで本題に入りましょう。

最初に話したようにこの作品の面白いところは、
主人公の成長する過程です。

これについて話すにはまずこの物語の主人公は、
最初作中においてもっとも未熟な人間だということを、
きちんと知っておいてもらう必要があります。

物語の中で主人公は特別な人間だという描写が多くある。

ペルソナを一番初めに使えるようになったのは主人公。

しかも、後に詳しく話しますが他の仲間がある条件を満たすことで、
ようやくペルソナを使えるようになったのに対して、
主人公はいきなり使えるようになりました。

加えて仲間たちが1人1つのペルソナしか持ってないのに、
主人公は始めから多くのペルソナを付け替えることができた。

状況にもすぐ適応して冷静に物事を進めていくし、
戦闘に関する成長も早いです。

そういう様子を見た仲間からも度々特別なんだと言われる。

だけど、先に少し話したようにペルソナっていうのは、
自分が外界と接する時にかぶる仮面のようなもの。

作中では人格の鎧と表現されていますがようは、
外界と接する際に自身が最適だと思う姿です。

ペルソナシリーズではそれが実際の戦力として具現化され、
形を持って登場するわけですがペルソナが複数あって、
しかも自由に付け替えることができる。

それはどういうことなのかというと自分がないってことなんですよ。

他の仲間達のペルソナが1つなのは未熟ではあっても、
大事だと思える確かな価値観や考え方がきちんとある。

ゆずれないものがありそれを守りたいと思っているからです。

だから、人間的に成長してもペルソナが変化するだけで、
増えたり簡単に別のものに付け替えたりはできません。

だけど主人公は自分の中にある確固としたもの、
価値観や思考傾向が存在しない。

ようは大切にしたい自分の軸がないということで、
それを表現する描写もいろいろなところに出てきます。

最初に主人公が田舎に引っ越してきたのは両親の都合とお話しましたが、
両親は共働きの仕事人間で頻繁に家を開けることを示す描写がある。

両親とのつながりが薄いのです。

加えて都会の学校で薄い関係性しか築いてこなかった描写もある、
引っ越しの際に誰からも見送りにきてもらえなかったりとか。

ようは、人間関係が薄いのでありそれは同時に、
価値観の発達が未熟であることを意味する。

様々な価値観と自身との比較がうまくなされなかったために、
自身にとって大切な何かを考える機会が少なかったと解釈してます。

それは転校し事件に巻き込まれる際にも顕著です。

そもそも主人公がテレビの世界の事件に巻き込まれたのは、
転校してきて最初に仲良くしてくれた仲間の1人に、
必死に頼み込まれたのがきっかけ。

自分で能動的に事件を解決しようと思ったわけじゃないのです。

また、他にも先に話したように適切に行動を管理し進めていけば、
周回なしでも全コミュニティをMAXまで進められます。

適切な行動っていうのは例えばコミュニティに所属する人の、
好感度が上がるような選択肢を選ぶなどです。

だけど、この好感度が上がる選択肢を選んでいくと、
コミュニティによって矛盾した言動をする必要がある。

あるコミュニテイでは学校は楽しいみたいに言ってるのに、
別のところでは大して楽しくないみたいに言ってたりする。

ようは、人や状況によって自由にペルソナを付け替えられるので、
接し方を変えて状況にもすぐに適応できる。

相手が求めているような人間にもなれるので受け入れられるのも早い。

だけど、大切にしたい軸がないために言動は矛盾するし、
状況に流されるままになることが多いのです。

主人公は自分が極端にないという点では確かに特別だと言えるでしょう。

だけど、それは自己が確立していないということで、
他の人よりも精神的に未熟という意味での特別なのです。

ですが、物語とコミュニティが進むにつれて、
主人公の言動にも変化が出てきます。

はじめはその人が気に入るような言動を、
ただ流されるままにとるという感じでした。

ですが、例え気に入らないことでも向き合うべきこと、
大切にすべきだと思えることに気づいてもらえるような、
精神の導き手としての言動に変わっていくのです。

それは、事件の真相の確信に近づいていく過程、
真実が例え残酷なものであったとしても、
追い求め向き合うという経験。

また、様々なコミュニティで様々な価値観や考え方に触れ、
知り積み重ねてきた数々の知見や絆。

中には矛盾したものや反発し合うものもありながら、
それでも徐々に主人公の中で1つになっていく。

そんな過程を反映しているのだと僕は考えてる。

そして物語の最後のボス、人々のつらい真実であれば向き合いたくない、
自分の見たいものだけ見る楽な状態でありたい。

誰でも少なからず思うことがある数多の願い、
集合的無意識の化身とも言えるイザナミとの戦いで、
幾千の呪言という真実を否定する呪詛。

それに主人公たちは手も足も出ずに1度は敗れます。

ですが、これまで築いてきたコミュニティの人達が、
倒れた主人公に声をかけていく。

どれだけ助けられ成長できたかと感謝する人もいれば、
主人公の辛い境遇に寄り添ってくれる人もいる。

そして、立ち上がってと背中を押してくれる人もいます。

そんな声を受けて立ち上がった主人公は、
自分の内にある数多のものを1つに統合し、
ついに最後にして唯一のペルソナ。

伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)を得て、
幾万の真言によってイザナミを打ち倒すのです。

イザナミっていうのは先に話したように誰もが、
少なからず持っている楽に流されたいという願い、
人間という生き物の本能とも言える無意識の集合体です。

ですから、集合的無意識の影響を強く受けるテレビの中の世界では、
その名の通り神のような力を持っていると言っていい。

ですが、伊邪那岐大神は意識の集合体。

無意識という人間としての本能に流されることなく、
人間としての意識、理性でもって無意識を制御し、
苦しくても前に進むと決意することができる力。

しかも、ただの意識ではなくそれぞれ違う、
様々な形のものを1つに統合したもの。

ですから、少数のコミュニティであってもその力はただ1つの本能、
その集合体でしかないイザナミよりも大きな力を発揮できた。

伊邪那岐大神はイザナミを倒すことができたのです。

ここの場面はこれまで自己のなかった主人公が、
それまでの全てを統合し自己を確立する。

成長したことの集大成であるにふさわしい演出で、
ほんとに感動できる場面だと思います。

で、精神や現実の世界に霧を蔓延させていた元凶が去り、
晴れた世界には綺麗な世界が広がっている。

辛く苦しいときでも目をそらずに真実を求めれば、
そこには美しいものが必ずあるんだよということで、
事件は終りを迎えるのです。

そして最後、仲間たちやクラスメートと1年間絆を深めた主人公は、
多くの人に見送られながら都会に戻っていく。

かけがえのない大切なものを得てというところで、
エンディングを迎えて物語に幕を閉じます。


ペルソナ4ザ・ゴールデンに学ぶマインドの正しい成長過程


ここまでざっと物語と主人公の成長の過程について話しましたが、
ここから人のマインドの正しい成長過程を知ることができます。

大事なのは無意識に流されない意識を持つことと、
1つのマインドに固執することなく様々なものを取り入れ、
それらをきちんと統合していくということです。

人は脳の機能として意識よりも無意識のほうが、
早く強い思考をして行動に影響を与えます。

ですから多くの人は無意識に強い影響を受けて、
それに流されるままに行動してしまう。

ですが無意識は知っていることが全てという特徴があって、
基本的に新しいものを取り入れて成長することができない。

新しいもの、考え方、価値観を取り入れるのは、
意識的にしかできないことなんですよ。

なので、人がマインドを成長させるには、
無意識の影響に流されないことがまず必要。

そして、流されないためには自分の思考というものは、
無意識に支配されていることをまず受け入れる必要がある。

受け入れたうえで意識的にどう変えていくかを、
きちんと考えていくことが大事なのです。

ちなみに、この作品では主人公より仲間達の方が、
無意識を受け入れ意識でもってそれを変えていく。

その過程をうまく表現しています。

仲間達はそれぞれが身を置いた環境や接する人達によって、
常識や価値観という無意識を構成している。

だけど、その無意識による考え方や行動の一部に苦しんでいて、
意識ではそれを否定し抑圧してしまいシャドウとなっている。

この意識と無意識の齟齬がテレビの世界では、
シャドウの暴走という形で表出します。

主人公は定まった自己がなくあらゆる姿になれるので、
そもそもシャドウがおらず暴走は起きませんでした。

だけど、自分の理想的な姿や価値観を意識に持つ人は、
それと反する考え方をする自身の一部を受け入れられず、
シャドウが暴走してしまうのです。

だけど、そのシャドウをきちんと受け入れる、
意識としてはどれだけそれを否定したくても、
自分の精神の一部なんだと理解する。

それができるとシャドウの暴走は収まってペルソナとなり、
意識的に操ることができるようになります。

ちなみに、先に話したペルソナを使えるようになる条件が、
暴走したシャドウを受け入れることなのですね。

そしてこれは意識して無意識を制御するスタートに立てたということ、
マインドを成長させていくための準備が整ったということです。

以降は物語が進むにつれ人間的な成長とともに、
ペルソナの姿の変化という形で、
仲間達のマインドの成長過程が描かれるわけですね。

まずは無意識を理解し受け入れるということが、
マインド成長に重要だということは覚えておいてください。

それができたら次に様々な知見を取り入れ、
それを統合するという段階に進みます。

この段階で大事なのは自分の正しさなどの考え方と、
たとえ矛盾し反発するものであっとしても、
とりあえずは受け入れるということです。

先に話しましたが伊邪那岐大神が大きな力を持ったのは、
1つは無意識を制御する機能を持つ意識の集合体だったから。

ですが、自分にとって都合のいい意識だけの集合体では、
自身の中のマインドが強化されるだけで変化や成長はしない。

無意識の集合体と大差がなくなってしまうのです。

それではイザナミと変わらない性質になってしまいますから、
統合された数の差で負けていたでしょう。

結局は無意識に流されるままになっていたということです。

ですが、世の中には人の数だけマインドがあって、
時には矛盾したり反発し合ったりする。

自分のマインドに反するものであるかもしれないけど、
それは間違ってるわけではない。

自分のマインドが自分から見たときに正しいのと同じように、
別の人のマインドもその人から見れば正しいのです。

ただ、そのマインドが形成された過程が違うというだけの話。

ですから、様々な視点から見たマインドを否定せず、
受け入れたうえで何らかの形で統合するということは、
様々な視点から世界を把握できるマインドになる。

精神世界であるテレビの世界であればそのマインドは、
文字通りの世界そのものであると言っていいでしょう。

実際、伊邪那岐大神は世界のアルカナに所属するペルソナ。

ですから、人という種の無意識の集合体ではありますが、
1つの角度からだけ見た世界の神でしかないイザナミは、
世界そのものとも言える伊邪那岐大神に敗れた。

つまりは様々な視点によって生まれるマインドを、
受け入れたうえでうまく統合できるほどに、
人は世界のありのままの姿に近づける。

マインドを通して見え知れるものが増えていく、
それにともなってできることも増えていくのです。

まとめると、無意識に流されることなく意識を働かせ、
様々なマインドを取り込んでうまく統合すること。

それが、正しいマインドの成長のさせ方ということなのですね。


マインドを成長させるうえで一番大事なこと


ここまでペルソナ4ザ・ゴールデンという作品を通して、
マインドを成長させることは無意識に流されず様々なものを統合すること。

そんなお話をしてきました。

ですが、実際にそれができるかと言えば正直難しいでしょう。

大抵の人は主人公ではなく仲間のマインドに近いからです。

先に話したように主人公は確固たる自己がない、
精神的に未熟な存在なわけですが、
これってようは赤ちゃんみたいなものです。

生まれたばかりの赤ちゃんは環境にも他人にも、
何にも染まってない真っ白な状態。

それは確かに未熟なのですが未熟であるからこそ、
何もないからこそ体験すること全てを、
柔軟に受け入れることができる。

未熟であるとは同時に無限の可能性があるということで、
ペルソナシリーズではその可能性をワイルドと表現しています。

だけど、十数年も生きていれば受け入れた様々なものが、
不安定ではあれど何らかの形で自己として確立する。

確立した自己は自分とは反するものや不都合なものを、
受け入れることができず反発する傾向にあります。

ですから、意識的にマインドを変えて成長したいと思ったら、
大抵の場合は無意識の反発によって精神的な齟齬が生じる。

その苦しみに耐えて意識を働かせ続ける必要があるのですが、
大抵の人はそれに耐えかねて無意識に委ねてしまうのです。

ただ、無意識に委ねたからといって何か不都合があるかと言えば、
日本みたいにある程度平和で安定した場所だとそこまではない。

変われず現状維持が続くことがほとんどで、
最悪の場合でも無意識の傾向が強化されて、
マインドの変化成長がさらに難しくなるぐらいです。

だけど、テレビの中の世界ではそうじゃなかった。

意識と無意識に抑圧されたものの齟齬によるペルソナの暴走は、
精神的なものが戦力としての形を持つテレビの中の世界では、
物理的に自身を害する存在となる。

即座にシャドウが自分の一部であると認めること、
マインドを変化成長させることができなければ、
それはそのまま自分の死につながるのです。

だけど、先に話したように反発を即座に乗り越えることは、
自己を持っている人ほど難しい。

ですから、テレビの中の世界に1人で入った場合、
大抵の人がシャドウの暴走で命を奪われます。

だけど、主人公とその仲間は違いました。

最初に事件を解決したいと意思を固めて主人公に、
テレビの中に連れて行って欲しいと頼んだ仲間の1人、
花村陽介は他の人と同じようにシャドウが暴走する。

だけど、主人公がペルソナ能力を発現させ、
シャドウを食い止めることで向き合う時間ができ、
それを自身の一部として受け入れることができた。

主人公という存在が反発を乗り越える助けとなったのです。

そして、主人公が最初から強力なペルソナを発現することができたのは、
花村陽介のおかげだと僕は解釈してるんですよ。

何度もお話してるように主人公は自己がないので1人では、
そもそもテレビの中の世界に関わろうとしない可能性が高い。

仮に何らかの理由で1人でテレビの中の世界に入っても、
戦う理由がないのでペルソナ能力を発現したとしても、
そこまで強い力を持つことはなかったと思います。

普通のシャドウにやられてた可能性も高い。

だけど、主人公は自分の知り合いの死の真相を知りたくて、
そのために未知だったテレビの中の世界に入りたいと、
強く決意した花村陽介の願いによって関わりを持った。

命の危険までは想定してない未熟な決意だったかもしれませんが、
それでも誰かのために意思の力で前に進む決意をした花村陽介は、
主人公の真っ白な精神に強い影響を与えた。

真実を追求する仲間を守りたいという価値観を形成し、
強力なペルソナとなって発現したのだと思うのです。

それが花村陽介のシャドウの暴走を食い止める力となり、
それぞれの課題を乗り越えて2人はペルソナ使いの一歩を踏み出した。

ようは互いが互いを支え精神の齟齬を乗り越えたのです。

そしてこれがマインドを成長させるためにもっとも大事なこと。

どんな人でもマインドを意識的に成長させようとしたら、
ほぼ必ず齟齬によって苦しみを味わうことになる。

だけど、そんなときに何らかの形で支えてくれる人がいれば、
それを乗り越えて成長していくことができる。

相手が苦しんでいるときは自分が支えてあげることでそれもまた、
1つの経験となって相手だけでなく自分の成長にもつながる。

そんな心から信頼しあえる関係こそが、
マインドの成長にもっとも大事なこと。

マインドは1人で成長させるものじゃなくて、
人との関係の中で成長していくものだと、
ペルソナ4ザ・ゴールデンという作品を通して思ったのです。

ただ、この信頼しあえる人っていうのは、
自分と同じような人だからできるというのとは違う。

先に話しましたが同じようなマインドが寄り集まっても、
ただその性質が強くなるだけで変化や成長はしません。

むしろ、性質が強まるほど他のマインドが入り込めなくなり、
変化も成長もしづらくなっていきます。

ですから、ここで言う信頼とは例えマインドの方向性が違っても、
それでも信じ合えるような繋がりのことです。

主人公の仲間達もそれぞれの環境や人間関係の中で、
様々な形のマインドを形成してきた。

考え方や行動の方向性も違う人間の集まりですが、
それでも同じ事件の真相を追うという目的を共有し、
信頼関係を育んで互いが互いを成長させる関係を築けた。

信頼とは同じようなマインドだからできるものじゃない、
そもそも同じなんだからそこに信頼は必要ない。

例え違うマインドを持ち考え方や行動がバラバラでも、
それでも信じ合えるような関係が信頼。

そんな信頼できる人を1人でも多く見つけることが、
マインドを成長させるためにもっとも大事なことだと、
僕はこの作品を通してそう学ばされたのです。

と、ここまでいろいろお話してきましたが、
百聞は一見にしかずなのでペルソナ4ザ・ゴールデンは、
ぜひ一度プレイしてみてください。

主人公や仲間達物語をマインドの成長という視点で見ると、
様々な学びを得ることができると思いますよ。


では、今回はここまでです。
ありがとうございました。

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