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100万円かけて作ったWebサイトが現在進行形でやっちマリオな件【メディア立ち上げ編】

はじめまして、みずかげ製作所の初心者経営者の小杉です。
2023年10月で予防歯科と口腔ケアのWebメディア「ハミテクNavi」を立ち上げてから1周年になります。
ゼロからのスタートでWebサイト制作とコラム記事の作成に、すでに100万円以上を投入したわけですが、思い描いたようにアクセスは伸びず……
今回はなかでもドン底だった2022年10月〜2023年4月までを振り返ってみたいと思います。
プロから見たら呆れるようなミスをしてますが、今後起業やメディアサイト立ち上げを検討される方の参考になれば幸いです。


予防歯科メディアを立ち上げた理由

まずは、そもそものサイトを立ち上げた理由からみていきましょう。
もともと弊社は「社会課題の解決にものづくり×マーケティングで取り組みたい」との想いで創業しまして、歯科医療分野で「IoT歯ブラシ」の製造を計画していました。

製品を簡単に説明すると、歯磨きの時間を自動で計測しスマホアプリで確認できるというもの。ターゲットは歯磨きが習慣化できていない人で、それを売るために口腔ケアの情報発信メディアもあわせて作るという計画です。
ところがIoT歯ブラシは開発費用の工面ができず開発中止に…このあたりは別の機会にお話ししますね!

製品開発は頓挫しましたが、「予防歯科の意識を高めて将来的な医療費圧縮に貢献したい!」との目標は変わっていないので、歯科のWebメディアは続行することにしました。
私ごとですが、新卒入社した会社で4年コンテンツマーケティングの経験があるため、こちらは何とかなるだろうという見込みですね。(フラグ建築)

予防歯科メディア制作の前提

このメディアを使ってやりたいことは虫歯や口臭の対策に役立つ記事を作ってSEO対策を行い、虫歯や口臭で不安を抱えているユーザーを集めることです。ちょっと専門用語でオウンドメディアというものになります。

制作したコラム記事

虫歯予防、歯周病予防、口臭対策のカテゴリで合計75本(1記事あたり2,000字)の記事を作成しました。

【作った記事の例】
予防歯科のPMTC(歯の清掃)とは?虫歯や歯周病を防ぐための歯医者の活用法

記事の画面

また、YMYL(健康とお金にまつわる記事はGoogleが厳しくチェックしますよ〜的な)を意識して、多くの記事を歯科衛生士執筆とし、それ以外もいくつかの医療系記事は歯科医師の監修を依頼しました。

実際に行った作業

まず根幹となるマーケティング戦略設計の部分、20〜50代を既婚・未婚・性別で分けてそれぞれペルソナを作成しました。
サイトデザインとワイヤーフレーム(配置の設計図)はFigmaで行いました。ちなみにFigmaは初使用です。
そのデザインをベースにWordPress構築するのは、前職の知り合いのエンジニアに依頼しました。

次に皆さんがGoogleで検索するであろうキーワードをリストアップし、ペルソナを意識して専門的な内容になりすぎず、日常で役立つ情報のキーワードを取捨選択しました。

対策キーワードリスト

○「虫歯 冷たいもの」や「口臭 伝え方」
×「​​虫歯 c1」や「歯周病 薬」
といった具合ですね。

それから選定したキーワードを参考に、記事の企画構成を作り、歯科衛生士さんのライターにライティングを依頼。記事が出来上がったら、誤字脱字がないか校正、医療広告ガイドラインから逸脱してないかチェックし、サイトにアップ(入稿)しました。

その他

Webサイトにはサーバーとドメインも必要ですが、こちらは自社が契約しているレンタルサーバーとサブドメインで対応しました。
公開までのスケジュールとしては、起業前から設計を行っており、企画作成も含めて10月までには完了しています。その後11月までに出来上がった記事を入稿しています。
費用はこれまでの会社員時代から貯めていた貯金から工面。一部補助金も使ってますが、Webサイト制作に約40万・記事制作に約60万円といった内訳です。

半年たってもアクセスが伸びないという現実

メディアサイトの本公開は2022年の10月で、1ヶ月後までに70本の記事を揃えて、あとは「果報は寝て待て」の方針でした。
ただオウンドメディアやSEOで成果を出すには、半年〜1年くらい継続する必要があるため、更新頻度の目安を測るためにも1月にサーチコンソールを導入。チラ見することにしたところ…

クリック数が0〜1件をウロウロ

ほとんどGoogleに表示されてないではないか!

確かにSEOは一朝一夕では結果が出ません。ただこのサイトは最初に100万円かけてます。。サイトマップも送信してますし、もうちょっと表示されていると思って期待してチラ見したのですが、何ということでしょう。
2月以降は少し伸びるかと思ったらひどい有様で、表示回数5〜10回をウロウロし続ける日々。

たまに1クリックがあれば安堵し(1コンバージョンではない)、3月とか1クリックもない日が1週間以上続いた際には発狂ものですね。(もう一度言いますが、1コンバージョンではない)

そして特に、

【クロール済み - インデックス未登録】多すぎ問題

これがかなり深刻でして、サーチコンソールはGoogleで配信されない記事の原因を見ることができます。「クロール済み - インデックス未登録」はステータスのうちの1つで、簡単にいうと「サイトの品質が低い」というダメ出しです。

Googleからのダメ出しの図

特に原因になりやすいのは文字数です。今回の場合も、クロールされてる=HTMLに重大な問題はない、ということで、単純に1記事2,000字は少なすぎということになります。
ただ、歯科衛生士執筆・歯科医師監修という記事で、自分が加筆するわけにもいかず、予算もあまりないため打ち手は限られていました。

そうこうしているうちに、3・4月になるとインデックス未登録が日に日に増えており、どん底では70本中8割ほどに達しました。解決策も分からず絶望しかない…
当時のではないですが、サーチコンソールではこのようにページの評価が分かります。

サイトがGoogle検索に載らない原因たち

原因:医療系ナメてたのと自身の実力不足

ここまで惨状を見て、おそらくそこそこ優秀なWebマーケターであれば「いや、当たり前でしょw」となるはずです。ただ、自分にとっても大きな挑戦でしたので、今後のためにも原因を分析したいと思います。

医療系のコラムは専門性と権威性が必須

医療系や金融系の内容でSEOを行う際は、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性のある記事を評価しますよ〜的なもの)を他よりも意識する必要があります。
例えば、歯科医師の監修がある・医療機関が作った記事などは検索結果でも上位表示されやすいです。

ただちょっと、ここは油断してたというか高を括っていた自分の落ち度ですが、競合分析して「いける!」って思ってしまったのですね。医療機関のサイト見ても、日本語URLは多数、ブログっぽい短文記事もあり、さらにUbersuggestというSEOツールが予測する難易度は楽なものばかり。

SEO難易度低い!って思ってしまった

しかし、やはりぽっと出のサイトが簡単に表示されるわけではなく、WELQの一件以来、医療系や金融系はGoogleのチェックが厳しいというのはWeb界隈で有名な話です。詐欺広告・偽サイトはガンガン配信するくせに

SEO的なテクニックの話

そのほか、全体的に自分のSEOのスキル不足は否めません。インデックスされない問題があった時の対処法とか知りませんでした。
記事自体も文章の品質はある程度意識しましたが、内部リンクや遷移先ページが不足しており、ただの読み物を提供しているだけでした。こういう場合は、課題を抱える読者に何かしらの解決策(サービスや関連商品の紹介)を提示しないといけません。

やっちマリオな状態から学んだこと

まず、「慣れないことはしない&ケチらない」です。Webサイトデザインは経験が浅かったので、素直にデザイナーに外注すべきでした。その分の余裕でもうちょっと記事の品質を上げられたのではと思っています。
「マネジメントの基本は頼ること・任せること」
分かっているつもりでしたが、実際の予算状況やスケジュールを鑑みるとなかなか行動に反映させるのも難しいことですね。

もう1つは「どんなサイトを作りたいか煮込みきれなかった」ことです。今回はテーマや対策キーワードなど、SEOの細かいところは決められていましたが、タグ・デザイン・機能などのこだわりがなく曖昧になっていました。
飲食店の開業とかでもコンセプト作りの重要性は説かれていますが、コンセプト=差別化要素に直結することを実感しました。

あと、ここら辺はじっくり考えて決めたほうがよかったですね。

【決めるべきWebサイトの要件】

  • デザイン:色使い、フォント、文字装飾

  • タグ:項目、表示位置、カテゴリとの関係性

  • サムネイルの要件:画像サイズ、文字の位置

  • 拡張性やカスタマイズ性:追加CSSでデザイン調整が可能か

  • サイドカラムの表示内容

  • 監修者やリンクカードに表示する内容

ただ、ただ!いろいろ失敗例を書き連ねましたが、大事なのは「致命傷を避ける」こと。

Webメディアは記事が資産になるのが利点。広告とは違って作ったものは消えないのです。ゆえにまだ致命傷ではない!
これからGoogle検索に表示されるための戦いが始まるので、今後もnote投稿を作っていきます。

編集後記

この記事を作っていて思いました、慢心で失敗したものが多いなと。学生の頃からWebサイトや記事を作る中で、「質の高い記事を作ればいい。小手先のSEOテクニックは邪道!」と思っていたのですが、さすがに10年前とは状況は変わっていますよね…
僕は普段から「自信なさそう」ってよくいわれますが、自信はないのに慢心はするのが非常にもどかしい限りです。

起業して1年ちょっと、たくさんの失敗談があるのでこれからも公開していきます!
威勢よく起業した割に、初っ端からずっこけてる人はかえって珍しいのではないでしょうか。また、WebやSNSによく転がっている「キラキラした成功体験からの企業PR」の流れにうんざりしている方は、引き続きお楽しみいただければと。それではまた次回!

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