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【小説】奔波の先に〜聞多と俊輔〜幕末編

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小説 奔波の先に〜聞多と俊輔〜幕末編 をまとめました
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#高杉晋作

【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#34

7 黒船と砲台(5)  世子定広は、船木で講和の指揮を取ることになった。講和交渉組に杉も合流…

瑞野明青
2年前
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【小説】奔波の先に~聞多と俊輔~ #2

プロローグ(2) 久しぶりの萩は懐かしかった。とは言ってもここに住んでいたといえるのは明…

瑞野明青
2年前
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【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~♯9

尊王攘夷の道(3) そんな中で聞多は殿の御小姓から、世子様(お世継ぎの養子)の御小姓にお…

瑞野明青
2年前
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【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~♯10

尊王攘夷への道(4)  こちらの二人は苦笑しながら、もう一組を見ていた。しだいに高杉も聞…

瑞野明青
2年前
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【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~♯11

尊王攘夷への道(5)  そんな話をしてしばらくたったころ、高杉は同士と承認する者たちを土蔵…

瑞野明青
2年前
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【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#13

決行(2)  公使の暗殺を計画し失敗した面々は、一つのところに押し込められ謹慎となった。…

瑞野明青
2年前
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【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#14

決行(3)  扉を叩き壊して、中に入った三人は、建築用の木材が積み重なっている、作業中の場所を見つけた。 「ここでなんとかなるじゃろうか」  聞多が福原に声をかけた。 「ようし、ここに火をつけよう」  福原が焼玉を取り出すと、聞多と堀も続いた。  カンナ屑など燃えやすそうなものを集めて、その上に焼玉を置き、板などを重ねて火をつけた。この時、聞多は一つ手元に残していた。もう逃げようと福原が声をかけたので、立ち去ろうとした。  火の行方を気にしながら聞多は何度も振り返った。

【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#15

決行(4)  京についた聞多たちは年が明けて、騒ぎの処分として7日間在宅を命じられ、その…

瑞野明青
2年前
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【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#18

策動(3) 聞多は翌日から動き出した。  晋作や桂と話をつけること。  そして、エゲレスに…

瑞野明青
2年前
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【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#19

策動(4) 自分の部屋に籠もっていた聞多は、大の字になって転がっていた。こんなことで本当…

瑞野明青
2年前
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【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#27

帰国(3) アーネスト·サトウとは、何よりも友人と認めることができるほど、話し合うことが…

瑞野明青
2年前
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【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#29

帰国(5) 聞多は一度湯田の家に行った。聞多の井上家の屋敷は、三条実美の御座所にされてい…

瑞野明青
2年前
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【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#32

7 黒船と砲台(3)  途中の二瀬あたりの山口へ合流するところで、下関に向かう俊輔と高杉の二…

瑞野明青
2年前
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【小説】奔波の先に ~聞多と俊輔~#33

7 黒船と砲台(4)  俊輔の案内で世子定広のいる部屋へ行った。俊輔は隣の間で控えているといった。 「井上聞多入ります」 「高杉晋作入ります」  二人で部屋に入り、定広の前へ進んだ。  定広が切り出した。 「聞多の最近の言動が過激だと皆から聞いておる。この存亡の折である、我が長州をより良くする方策を考えてくれぬか」  そう言って「止戦講和」と手書きをした紙を渡した。 「私は己の論が過激だと思うておりませぬ。そもそもこの国を焦土と化すことを、一度はお認めになったではありませ