コロナで休業してるバーのシャッターを"メディア"にしてしまう。ハイネケンのWin-WinなPR 【PR研究所039】

 新型コロナウイルスの影響で、世界ではたくさんのお店が休業に追い込まれています。アルゼンチンでは、バーが一時閉店を余儀なくされシャッター街のようになっているそうです。

 そこで、ハイネケンとクリエイティブエージェンシーPublicis Italyは、休業しているバーのシャッターを「広告を載せるメディア」へするアイデアを思いつきました。

 バーはシャッターの「広告収入」が得られ、ハイネケンは広告費を抑えられます。まさにWin-Winの関係で、バーを支援することができます。

 バーはコロナで一時閉店を余儀なくされていますが、シャッターを広告を載せるスペースだと捉え直し、ハイネケンの広告を載せていきます。

 ハイネケンはコロナで「取引先」であるバーの打撃を同じようにくらっています。予算の限られた中ですが、シャッターを有効に使うことで、いつもより広告費を抑えることができます。

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("今日この広告をみてくれるおかげで、明日もバーはやっていけます" 
動画よりスクショ。)

 バーとハイネケンが運命共同体だからこそできたキャンペーンかもしれません。お互いがWin-Winの関係でいられる、レベルの高いクリエイティブなキャンペーンです。

 PRの事例として特に注目すべきは1点あります。
 コロナによって失ったものは大きいかもしれませんが、何かしら得たものがあるはずです。今回はその逆転の発想が活かされた点です。今回の例でいうと、店舗での売上を失ってしまった一方で、広告に使えるデッドスペースを得ることができました。外部要因によって大きく変化があったときには、たとえ失ったものが大きかったとしても、何かしら得たものはないか探すことが大事なのかもしれません。

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