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SAMSUNGがつくった、自閉症の子供たちを助けるカメラアプリ「Look at me」 【PR研究所082】

概要

 自閉症の子供たちにとって、だれかと直接コミュニケーションを取ったりアイコンタクトしたりすることに一苦労なケースが多いそうです。

 コミュニケーション技術が乏しいと、周囲とスムーズに関係をつくることは難しくなり、自分と社会の接点を閉じていってしまいます。

 そんな課題を解決するべく、SAMSUNGは自閉症の子供たちをテクノロジーで助けようとしました。「Look at me」というカメラアプリを通して、人とのコミュニケーションを促します。

課題・背景

①自閉症の子供たちは、社会的なコミュニケーション技術が乏しいことにより、自分と社会との間に壁をつくってしまう傾向がある。解決にはデジタルデバイスが有効かもしれない。

②SAMSUNGのテクノロジーが向上している。

ターゲット

自閉症の子供をもつ親世代
自閉症の子供たち

目的

①自閉症の子供たちを、デジタルデバイスを活用することでサポートする。

②SAMSUNGのテクノロジー向上と、使い方も社会的な課題解決へ向いていることを知ってもらい、プレゼンスを向上させる。

インサイト

・(自閉症の子供たち)デジタルデバイスを通してならコミュニケーションを取れる
・(親)自分の子供が、親や社会と接点を持っていってほしい

施策

 カメラアプリ「Look at me」で表情を読み取るトレーニングを含め、テクノロジーを活用して自閉症の子供たちをサポートします。

 開発は、医者や専門家・UXデザイナーたちが中心となりました。いくつかのトレーニングをこなすことで、自閉症の子供たちがコミュニケーション技術を身につけたりアイコンタクトしたりできるようにします。

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(Look at meの使用シーン。動画よりスクショ)

結果

60%がアイコンタクト向上
40%が感情の伝達など向上
「教育」カテゴリでNo.1のダウンロード数を1週間で獲得(韓国,カナダ)

PRの事例として注目すべき点

 PRの事例として注目すべき点は主に1つあります。
 SAMSUNGのもつテクノロジーを社会課題の解決に使っていることです。2014年のSAMSUNGは徐々に市場を広げ、拡大中のフェーズですが、その中で「社会課題」に焦点を当てたのは興味深いと考えます。

 自閉症の子供たちを持つ親は、SAMSUNGのアプリやデバイスを通して子供と話したい、社会と接点を持ってほしい、と思うのではないでしょうか。SAMSUNGのテクノロジーの優位性はもちろんのことですが、社会性の高いブランドなんだなと認知されることにも寄与しています。

 ちなみにこのプロジェクトはSpikes Asiaの2015年PR部門グランプリを受賞しました。



 

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