断り下手

「嫌です」「無理です」が言えない。そして断れば代替案を求められる。いや代替案考えるのも無理なんだって、という事さえ話を聞いてくれない。そういう境遇に置かれて悩む人は多いのではないだろうか。

正直、その人が「無理だ」と言った時点で手一杯であることは事実なのだ。それに対して代替案を求めるというのは些か都合が良すぎるのではないだろうか。別にこっちも手が空いていればやるわけだし、出来ないくらいいっぱいいっぱいなのに「じゃぁ代わりを考えて」って…人の話聞いてた？と言いたくなる。

生憎私はその「代わりを考えて」と言う様な立場に立ったことが無い。正しくは「代わりを考えるのはその人の仕事じゃない」と思っているから、立ったことが無いのだ。代わりを考えるのは依頼した側のすべきことであって、断りの一言を告げた相手にやらせることではないのである。

よく「突然バイトを休むんだったら代理を立てて。無理なら出て」という無茶ぶりなどを見かける。正直「突然休まなければならない状態」になってしまったのに代理を探すことを強いるのは、パワハラじゃねぇかと思っているのである。「突然休む」のにはありとあらゆる理由がある。仕事は代役がきいてもプライベートは代役が立たない。プライベートを優先せざるを得ない人に「仕事の代役」を探させるのは「プライベートを優先させた」ことにはならないのである。「仕事の代役を探す」という仕事をさせているからだ。

代案を出したうえで断れるのであればベストなのかもしれないが、それは断る側の超超超頑張った努力の上に成り立っていると思った方が良い。社会人ならそのくらいやって当然だという人も居るかもしれないが、そんなことは一切ない。お前が考えろ。無理だ、と私は言っている。

何より「断った側がやるべきでない」と述べるのには大きな理由がある。その他の人がどの様なタスクを抱えていて、どうすれば代替案を出せるのか、という問題の解消がいっぱしの社員に出来るわけがない。要員管理・タスク管理をしているマネージャーこそ、その代替案を出すべきなのだ。

とは言え断り下手の皆々様におかれては今日もきっと困り果てているだろう。魔法の言葉は無いけれど、私も同じ身だ。いつか困り果てている沢山の人が救えるような一言を見つけられたら、と思っている。

…もし既にご存知の方が居れば、是非教えてください。