じいちゃんの拾い物から、先輩の宝物になった鹿角のはなし。
今日、家に帰る帰り道。
noteに何を書こうか考えていた時、ふと鹿の角の事を思い出しました。
去年のある日。先輩からLINEが来ました。
「鹿の角が欲しいんだけど、ツテあったりする?」
ツテは無いけど、角はうちにありますよ。
なぜ欲しいのか聞いてみた。
釣り好きの先輩は、釣った魚を絞める時に使う道具(フィッシュピック)の柄の部分を鹿角で作りたいから、と教えてくれました。
実家の山にはしばしば鹿角が落ちています。
鹿は亡くなると、骨と角が残ります。
鹿は春に角の生え変わりがある場合があります。
先輩が鹿角を欲しがってると実家で話したら、父も数日前、草刈りの最中に発見していました。その鹿角は、一緒に草刈りしていた近所のおじさんが持ち帰ったらしいのだけど。
うちの鹿角は平成26年もの。
じいちゃんが山で拾って離れの小屋に飾っていました。
でもじいちゃんが空に旅立って、離れは使われなくなり、鹿角はホコリにまみれていました。
鹿角の気持ちも、じいちゃんの気持ちも確かめようがなかったけど、ここでホコリにまみれているより、先輩の釣り道具の一部になった方が、嬉しいんじゃないかな。
そう思った私は、両親に許可を貰って、一本を先輩にプレゼントしました。
先輩はとても興奮して喜んでくれました。
そうして鹿角はピカピカに磨かれて、フィッシュピックの柄になりました。
じいちゃんのオブジェの役目を終えた鹿角は、先輩の"楽しい"を彩る道具になったのでした。
誰かにとっては要らなくても、誰かにとっては必要なもの。
誰かにとっては気にも止めないものでも、誰かにとっては貴重なもの。
"価値"って不思議なものですね。
鹿角って買うと、高いみたい。
先輩には落ち着いたら31のアイスを奢って貰おうと思います。
今日も最後まで読んでくれてありがとうございました🦌
春瀬 蒼
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