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「おっパン第8話」VS 35年前の地方の高校(後編)

フジテレビ系ドラマ、「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか」(原作の漫画は作者、練馬ジム)を楽しみに見ています。

前回の2024年2月24日(土)23:40第8話で主人公が「昭和について」丁度語っていました。
そう、私が言いたかったのはこれよ!

わたし「このドラマ、○○校(母校)の人達も見ればいいのに」
高3「無理じゃね?」

わたし「な ぜ だ~」

というわけで、時は昭和の価値観が残る平成元年、地方の進学校での話です。
その高校には出身中学別の団体がありました。郷友会と言います。昭和時代のPTAよろしく、疑いもなく生徒が自動的に入る仕組みでした。

わたしが所属した某・郷友会には(無意識の)カースト、スクールカーストならぬ学年カーストと性別カーストがありました。まあ2023年に話題になった「上級生のいう事は絶対」な〇塚みたいな会だったんです。

入学して1~2か月ほどで嫌気がさしたころ、偶然電車で同じ中学校の同窓生にあいました。ちらりと見ると、某・郷友会も上級生男子もいました。
「チャンス!」
別の高校の人に愚痴るという形をとって、偶然居合わせた一人の上級生の男子に訴えました。

とある日、
「今日の放課後、○○校教室に某・郷友会の女子は集ってください」
と放送がありました。

高校では「長でない、一個人が校内放送を使い会を招集する」ことができました。このルールには追加で、
「招集者は自ら招集した会に出席しなくてはならない」ルールがあると担任の先生から説明があったような気がします。

わたしはその日掃除当番でした。
この高校には<掃除の時間>という決まったものはありません。部活のある人は部活に行く前、帰宅する人は帰宅する前に掃除をします。
掃除時間も決まってないので、5分で終わってもいいし、20分かけてもいいわけです。
「郷友会から招集があったけど、掃除を先にしましょ」とのんびり掃除をして、遅参。

女子だらけの教室に入って、隣の同学年の女子の隣に座ると
同学年「遅いよ~」
わたし「ごめん、掃除当番だったから掃除してた、でなんだって?」
同学年「分かんない。全員きたら話すって」
わたし「へえ。そう」
で、まだ来てない人(わたし)待ちの状態だったとか。

呼び出しをかけた男子上級生が司会を務め、
「では全員そろったら話してもらいましょう。水亀さん、話があるんだよね?」
わたし「はあ?」

ポカーンとしたものの、上級生とやり取りを重ね「話をするのが自分」だという事が分かりました。
準備なしで「今日の3分間スピーチは君だ」と言われたのも同然です。

「自分のことは自分で決める(簡単に言うと自己決定権)」がポリシーだったわたしは『勝手に決めるんじゃない!』と激怒。

「なんで? 
なんで事前に連絡しないんですか? 
(クラスが分からなかったと言ってました。)
 
急に言われたって困るでしょうが! (不満を聞かされた)仕返しのために招集したんですか? そういう体制こそ嫌だって言ったでしょうが!」

対して
上級生「不満を訴える場所を作るため、親切心で招集した。喜んでもらえると思った。」
と言っていたような気がします。

自己決定権(じこけっていけん)とは、元々、「自分で自分に自身の法を与える者」という古代ギリシア語に由来する概念で、一般に自分の生き方や生活について、他者からの干渉を受けることなく自らの事について決定を下すことができる権利のことである。

ウェキペディア

わたし「そもそも男子への苦情なのに、どうしてそれを聞くべき男子がこの場にいないのか」
上級生「まずは女子で意見を聞くべきだと思った」

そういうわけで、女子だけの招集だったのです。もしかしてもう一人くらいの男子がその場にいたかもしれません。記憶のはじに窓際でおろおろしてる男子の姿があるのです。

前編(まだアップしていません)に書いたように、歓迎会で女子の先輩は男子よりだとわかっていたので、話しても時間と労力の無駄と思っていました。

わたし「わたしはそう思わない。それに、なぜ私に断りなくわたしを理由に招集するんですか」
 
上級生「そんなに苦情を言いたいならと、場を設定した」
わたし「意見を言うかどうかはわたしが決めるのに、わたしに相談なく?」

こんな風に、高校としては「自由・自治をうたいつつ」

「某・郷友会では女子&下級生に自己決定権がない」
(それすら自覚がない)

とんでもない状態だったため、言い争いが続きました。

招集されたほかの女子は訳も分からず待たされるわ、やっと「話をする人」が来たと思ったら、聞き苦しい言い争いを聞かされるわ、挙句の果てに
「ここで話すことはありません」と言うし、ふんだり蹴ったりだったと思います。

上級生「せっかくだからほかの女子も言いたいことがあったら」
と一言があったのですが、なかったと思います。そして会は終わりました。

ちなみにこの上級生の顔も名前も覚えていません。
が、この時の怒りははっきり覚えています。
この一件で、某・郷友会への愛想がつきたので、最低限の義務だけ果たしていました。
この後に文化祭の準備が始まるため、灯ろうの話にあちこちに<そうです>が多いのはそのためです。

ここまで書き終えて、
「今はどうなってるのだろう」
と<高校名><郷友会>でグーグル検索をしました。

その結果、2022年5月、母校の校長通信が見つかりました。
「(某・郷友会で行っていたと思われる)灯ろうの学校への運び込み」はすでにないそうです。翻弄される女子も下級生もいないらしい。

わたし「よかった! 万歳!!」

翌朝、ふと気が付いたのです。
灯ろうについて、男子の行動のみを記録し、女子の行動を記録をしていないことに。
灯ろう作りの際の女子の存在が消されていることに。
わたしたちの苦労がなかったことになってしまう!

わたし「またか! 15歳のわたしは引き下がったけど、50歳になったわたしは引き下がらない!」

手紙を書き始めました。

夫「いつまで高校に固執してるの。もう過ぎたことなのに」
わたし「過ぎてない!」
夫「不屈の精神だね。」

手紙を書き終え、気が付きました。
当時某・郷友会に対し何もしなかったことで、2年生と3年生のわたしが、「自分自身が下級生を抑圧したメンバーの一人」となったことに。

手紙を書き直し、校長あてに進展で手紙を送りました。だいたいの内容はみっつ。

ひとつ、「過去の女子に配慮した記事に訂正してほしい」

ふたつ、「高校の名を使って行われる同窓会活動における情報の開示。」
なぜなら校長も母校の卒業生であり、おそらく校長にまでなった人物は今後同窓会運営にかかわるであろうからです。

みっつ、「私に無断で校長通信をなおさないでほしい。」
こう書かないとこちらに連絡を取るより先に変更して「間違いを認め、訂正したから勘弁してください」というのがよくあるからです。

投函して数日後、手紙が着いたと思われる日に電話がなりました。
某・校長からでした。
4分ほどの電話を大雑把にまとめると「自身は某・郷友会ではない。灯ろうの運搬の話は某・郷友会の女子から聞いた。不快な思いをさせてごめんね、該当部分は削除します。」。

電話の3時間後、校長通信をみると灯ろうの部分は削除され、「ハラスメント的な要素や女性蔑視の状態のない」という文言が入っていました。

古代エジプトでは生きているうちに、その王が埋葬されることになるピラミッドを作ります。ピラミッドには王の業績を石に刻みますが、次の王が文字を削り取って先代の名前(存在)や業績の一部を消してしまうことがあります。

今回同じように女子の行動を追加する代わりに行事を丸ごと削ってしまったのはびっくりですが、いかにもお役所的(公立高校も役所の一部です)ですがこの辺は落としどころでしょう。

ちなみに『古代中国では皇帝が自分に都合の悪いことを書いた記録係を処刑したら、その次の記録係も「これこれで」と書いた。いくら処刑してもその次の記録係が書くので、処刑しなくなった。』と言われています。

おまけ
すべて35年ほど前の話です。現在この某・郷友会がどんなことになっているのかは分かりません。当時のほかの郷友会がどうだったのかも分かりません。ただ、高校全体は某・郷友会よりもっとマシでした。

しかし、我が母校の男性の中には、「協力を求めながら、聞かれるまで詳細な事実は言わない」人もいました。わたしは協力するには「なぜ? どうしてそうなった?」と聞くので、その違いは埋めるのに手間がかかります。
れは30年後も同じでした。

で卒業後30周年の記念寄付事業で爆発することになるわけです。その記事はこちら。お時間がある方はどうぞ。

女性研究者の論文が男性よりも引用される「頻度が低い」理由

ヤフーニュース 2024、3/3(日) 16:00配信

前編はまだ推敲中です。

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